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永眠🐨


故郷で幻の昆虫アオヘリアオゴミムシを採集するという夢を叶えたその日、帰宅して本種の最終同定を済ませた。
しかし、実はその後すぐにもう一度採集ポイントへ向かっていた。

そうして2匹の追加個体と出会う事ができた。
故郷にて合計3匹を確認した事になる。

アオヘリアオゴミムシ
アオヘリアオゴミムシ
交尾を行うアオヘリアオゴミムシ



数百メートルの藪漕ぎに加えて、いつの間にか5キロほどの距離を歩いたようで、足腰に疲労が溜まっている。しかしそれすらも心地良い。
流石に五条悟のように「天上天下唯我独尊」とまでは呟く気持ちではないが。
あれは作中最強格かつ教養があり、釈迦の境地に達した者だけが呟ける。

それはともあれ、自分は夢を叶え、床に就いた。














永眠しかけた。
コアラより寝てるかも。
そう思ったが、コアラは普通に20時間寝るらしい。ギリ届かないくらいか。
なんJ民だったら
【悲報】ワイ将、コアラになる
みたいなスレを立てていたかもしれない。

別にこのタイミングで永眠したのならば、それはそれで構わないというか、「夢を叶えた直後に亡くなって良かったね」「幸せな一生だったんだね」という話になるが、やり残した事が多すぎるし無責任すぎる。
家族や恋人姉妹に伝えられてない事も多い、発表しなければならない調査結果も多いし、今現在は何一つ公的な学術報告ができていない。結婚式への出席も控えている。
というか、忙しさの合間を縫って調査に赴く事に夢中になりすぎて、結婚式の招待状が届いていた事に全く気づかなかった。申し訳なさすぎる。
恐らくは1週間近く〜1週間以上も気づいていなかった。申し訳なさすぎる。
事前に参加の旨は伝えてあるが、明日中に改めてその旨を記して送ります。


夢を叶えたその日に行った数百メートルの藪漕ぎ&5キロ徘徊は、あまりにも体の負担となっていたようだ。
かつて電波のほとんど届かない藪の中で夜間に遭難した時の次くらいには薮を漕いだ気がする。
遭難時は匍匐前進をするしかないほどに過酷だった。

今回の湿地帯徘徊のような場合は、足元の悪い中で何度も中腰になって踏ん張らなければならない事も大きく響いているだろう。藪の中を匍匐前進するのとはまた違った辛さがある。これをほとんどの湿地帯採集者が行えているのが不思議でならない。


現在の自分はポケモンスリープをプレイしているが、1日のほとんどを睡眠で過ごしたのならばポケモンスリープでは有利に働くのかと言うと、必ずしもそうではない。
その日の手動アイテム回収もロクにできず、カビゴンに食事も与えられないので、ポイントの損失の方が大きい。
寝ている間にポケモンが回収してくれたアイテムはある程度の数を越えればあぶれてしまう。
1週間で得られるポイントが増えるタイプの課金アイテムを使っていた週でなかった事だけが不幸中の幸いか。



今回の調査で発見した幻の昆虫の採集ポイントは在住市内ではあるが、それなりにアクセスが難しく毎日のように通うというわけにもいかない。
最も短いスパンで2日間隔くらいの頻度になるだろうか。


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