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エゾカタビロオサムシ観察2023/05/15


自宅庭の雑草にイモムシが付いていたので、鱗翅目幼虫を好んで捕食するエゾカタビロオサムシに与えた。
飼育ケース内に投入した後、どうせ複数匹で取り合いの喧嘩になるのならばハサミで切ってから与えようと思い立ち、ケース内のイモムシにハサミを添えた瞬間に2匹のエゾカタビロが獲物に飛び付いてしまった。

ハサミの間には動き回る脚や触角が度々出入りするので、それを巻き込んで餌を切断する訳にはいかない。そして、もう身動きが取れない。迂闊だった。
諦めてハサミごと飼育ケース内に餌を放置した。




エゾカタビロオサムシ
Campalita chinense (Kirby, 1818)

体長30mm

ほとんどのオサムシは後翅が退化して飛翔を行う事ができないが、カタビロオサムシの仲間は例外で、しっかりとした後翅を持ち非常に飛翔性が高い。

国産オサムシの中でも最大級の昆虫だが、重戦車を思わせるほどの横幅と厚みによる印象のためか、他のオサムシよりも遥かに巨大に感じる。
体長はマイマイカブリ各亜種の方が大きい。

昭和の文献には「寿命が長く、成虫は2〜3年ほど生存し、メスは毎年産卵する」「一雌で350粒以上産卵すると考えられる」と記録されているが、自分の飼育経験が乏しいため実際の所は不明。
ただし、飼育ケース底には10個近くの卵が見られたので、オサムシには珍しく、データ通りに小卵多産タイプであるものと思われる。
昆虫界の中でも最大級である一粒1センチ以上の卵を産むマイマイカブリ(大卵少産型)とは異なる性質を持つのが不思議だ。
飛翔能力によって移動性が高い事、専食対象の生息数が多い事、反撃による死亡リスクが低いために1齢の体を大型化させなくて済む事などが理由なのだろうか。

幼虫に豊富な餌を与えれば、それぞれ2〜3日の間に次々と加齢し、あっという間に終齢幼虫となる程の驚異的な成長速度の報告もある。


自分のように餌生物の購入を渋りに渋るタイプの人間には、イモムシや毛虫をそれなりの数集めるという事が中々の高難易度に感じる。
庭の梅の木等を観察してみても毛虫の1匹も見当たらない。
鱗翅目に関する知見を深め、近所のポイントを探すのが良いのだろうか。意地でもシルクワームやハニーワームは買いたくない。

イモムシ毛虫が湧いて仕方がない作物を調べて育ててみるのも良いかもしれない。こちらの方は何故か忌避感が無い。シルクワーム購入よりも遥かに手間と時間がかかるはずなのに。

購入してしまえば飼育繁殖は簡単になるが、周りの意見を参考に餌の知見を深める事、アレコレと考えて餌採集のために策を練る事の楽しみが失われてしまう。それを避けているのかもしれない。

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