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アオヘリアオの新規ポイントを発見


2023/05/19

絶滅危惧IA類、アオヘリアオゴミムシの新規ポイントを発見した。
5個目か6個目の自力開拓ポイントとなる。あまりにも東西南北あちこちを飛び回りすぎて、細かく覚えていない。数えきれないほどの敗北も含め、各地の記憶がぐちゃぐちゃに混ざっている。

オオキベリアオゴミムシ1匹と
アオヘリアオゴミムシ4匹

逸る気持ちで捕獲し撮影を行なった写真は、後から見ると現地を特定できかねない物が写り込んでいたため、泣く泣くカットした。
また、当日はそれなりに風が強く、指で摘んだ個体やチャック袋に収めた個体も吹き飛んでしまいそうだった事もあり、ルアーケースに投入してから一度車内に持ち込んで撮影を行なった。
逃げられるならまだしも、生体が入ったチャック袋が飛ばされてしまえば自力での脱出は難しく、無駄死にさせてしまう恐れがあった。


また、今回の新規ポイントでは、ごく狭い範囲10mに6匹が集中して生息していた。恐らく最盛期となれば数は増えるだろう。
周辺も捜索してみたが、最初に見つけたポイント以外ではオオキベリアオゴミムシ2個体を除けば他ゴミムシ類の姿さえ見られないという不思議な環境だった。
文献等を確認する限りそうした事はたまにあるらしく、自分も2度ほど経験がある。

今現在同時進行で進めている研究と準備が7つほどあるため、アオヘリアオのみを目的として定めた観察はもう少し先に行う予定だったが…突然現れた本種には本当に驚かされた。

本当によく分からない環境に突然複数個体が現れたので、混乱してしまった。
一応、最低限の要求環境は揃っているが…良好な湿地帯とは言い難い。


発見した内の1個体は腹部が膨張しており、何らかの生物や遺骸を捕食していたものと思われる。
これを見て頭が痛くなった。
この虫が繁殖する条件や生き残る条件、専食する餌はこの場に揃っているはずなのに分からない。
昨年からどれだけ考えても、産地にどれだけ訪れても、どれだけ泥の上を這いつくばっても、この虫の生態の確固たる証拠が得られない。自分のスキルの限界を感じる。
生態が未解明のゴミムシ全てに言える事だが、それが本当に苦しく、悩ましい。
昨年に2個体を羽化させる事ができた新規代用餌から発展させて予想している餌はいくつか絞れたが、繁殖期前でそれを未だ試せていないというのも不安を大きくする一つの要因かもしれない。

…ただし、そうした自信の喪失を経たどん底からの悪あがきで切り拓いたアイデアが圧倒的な成長を生む経験は幾度となくしているので、これこそがゴミムシ飼育の醍醐味なのだと思っている。



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