スフレパンケーキ 1回目
スフレパンケーキとは文字通り「スフレ」という卵白をメレンゲに泡立てて作るふわふわのパンケーキである。
YouTubeの菓子動画の恐らくスペシャリストであろう「キュイジーヌさん」の作り方に憧れ、私もいざ作る。
お菓子作りには大切な分量を正確に測るという行為をきちんと守り、動画のような手順で混ぜる。
ただ途中、卵白に黄身が入ったせい、てんさい糖を使ったせいか、大変ぬるいメレンゲができる。やる気の無い、自堕落なメレンゲ…メレンゲでもない、、やさしいやさしいクリームができた。
私にもなんとなく良くはないことはわかってはいる。だが進めてる。
ただ今思えばここから徐々に狂っていく。気持ちに後ろめたさが生じ、この出来ないメレンゲを隠したい一心でフライパンに生地を落としている。
本来であれば、たぽんっと固形化されてある程度自立する生地、、ここでは率先して「私達は流れまーす」と言った具合にぬるーっとフライパンに広がる。
ここで平べったいパンケーキは確定だ。
ただ、味は変わらないはず。
私は待つ。4分低温を守り、きちんと待つ。。
そしていざひっくり返そうとする。が、しかしフライパンの調子が悪いのか、こびり付いたパンケーキが離れない。
フライパンは銅。なんと3万円以上する立派なものは、有難いことに私の手元にお祝いとして存在している。このフライパンで旦那様に美味しい料理を作ってねという、思いが籠もった代物。
しかしパンケーキは離れないのだ。
ゴリゴリとフライ返しで突いてあげながら、ひっくり返せば逆毛の毛羽立ったような焼き面が登場。大分焦げているのも、もはや問題では無い。
出来上がり、バターとメープルシロップをざっとかける。雑ゆえの旨さを最終で表現してみた。
心が広く、ただダークサイドを持ち合わせる旦那は、感情を吹っ飛ばしたような面持ちで、一緒に食べてくれる。平べったくなったせいか、やけに砂糖の甘さが響いた。
ただ、私は全く懲りないのだ。メレンゲをメレンゲにする。銅フライパンを焦げないように育てる。これができれば次はできると思っている。