ありがとうのタイミング

 私が勤めているIT系の会社では「ありがとうカード」という制度があります。

 PCから社内システムにログインすると「ありがとうを送る」的な窓口があり、そこから自分が日ごろ感謝している人に対してメッセージを送ることが可能になっています。ポチっと押すとシステムからメールが送信され、受信者に届くという仕組みです。

 また、部署によってはこの「ありがとう」の送受信数をカウントして、表彰したり褒め称えあったりするような文化もあります。

 全社員に利用されているわけではなく、使う人もいれば全く使わない人もいるこのシステムなのですが、私はこの「ありがとうカード」を頻繁に送信/受信している人間です。

 いままでの私の経験から「こんな時に『ありがとう』があると嬉しい」という瞬間やTipsをまとめたいと思います。


こんな時/こんな風な「ありがとう」があると幸せ

・基本はいつでもうれしい
 のっけからすみません。基本的には感謝がNGのタイミングはないと思っているので、感謝の念はそれを覚えた瞬間に感謝したほうがいいです。「あとから言おう/カードを送ろう」と思っても、忙しくて忘れたり、億劫になるので、自分は基本的にはすぐ送っています。

・一人の人間として感謝しよう
 会社という組織は「職位」や「立場」「役職」という概念があります。この仕組みによって会社は日々運営されているわけですが、これらの概念を感謝の際に持ち込むと、感謝のありがたみが薄れるときがあります。
 例えば、あなたに上司がいたとして「上司としてありがとう!本当に助かった!」と言われるのと、単に「ありがとう!本当に助かった!」と言われるのとでは、どちらがよりうれしいと思うでしょうか。
 後者は、一人の人間として認められたような感じがありますが、前者は「会社のために頑張ってくれてありがとう!会社が良くなったよ!」という感じが(本来そうでないとしても)透けて見えませんか?
 感謝をする際に、立場を意識したコメントは不要だと思います。もし「上司として」その人の努力に報いたいのであれば、それは本来は人事評価としてなされるべきです。

・時には感謝を要求したっていい
 人間は感謝されるといつだって嬉しいものです。ただ難しいのは、自分が感謝してほしいと思った時に、そばにいる人が自分の頑張りに気づいてくれなかったり、あるいは単に周りに誰もいないとか、忙しくてかまってくれないとか、そういう時もありますよね。
 私は「ありがとう」と言い合うだけで、組織の幸せの総量が増えるのは事実だと信じているので、私が誰かに感謝してほしい時は「感謝してよね!」とか「ありがとうカード送ってよね!」とか「これは昼ご飯1回分だな!(笑)」のように、露骨に感謝を迫るときもあります。
 そして、露骨に感謝を迫った時は、その感謝に対してこちらも感謝することも忘れないようにしています。

・お祝いのタイミング「以外」の時に送ろう
 例えば誕生日や年度の節目、仕事の切れ目(プロジェクトが終わった!等)のタイミングに感謝を送る瞬間があると思いますが、これは感謝を送るタイミングというよりかは、当然感謝を送るべきタイミングであって、ここで日ごろの感謝を表明しようとしてもあまり効果がないです。
 (誕生日とか、昇進の時とか、結婚記念日とか、お疲れ様会のときには、人間だれしもお祝いされると思って構えているに決まってますよね?)
 何もない一日に、相手が構えていない瞬間を狙って感謝を送るのが、一番効果のある感謝です。日頃の感謝は日ごろから伝えると吉です。

・定期的に感謝しよう
 私は「ありがとう」を送るタイミングを、Outlookカレンダーに登録しています(タイミングを忘れてしまうからです)。
 私は少なくとも月に1回はありがとうカードを送っています。そして自分の周りの人全員が、1年に1回はありがとうカードをもらっている状態を目指すと(個人的にですが)自分も周囲も幸せになれるような気がしています。



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