COVID-19だけじゃない! インフルエンザ対策でこの冬を乗り切ろう!

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今回は、この季節、気になるインフルエンザについて解説いたします。

(文:訪問看護経験者 カモミールナース)

新型コロナウィルスの感染拡大が少し落ち着き、緊急事態宣言も解除されました。ほっとしたいところですが、がん治療中は免疫力が低下していることが多く、まだまだ油断はできませんね。季節が進み寒くなってくると、心配になるのは例年流行するインフルエンザです。昨年は新型コロナウィルスの影響により、感染者数は例年の0.1%未満という例外的な人数でした。しかし、例年であれば12月から3月に流行しており、「今年は流行するのでは?」と不安に感じているかたもいらっしゃるでしょう。今回は、インフルエンザ対策や、ワクチンを接種するにあたっての不安や疑問についてまとめました。

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インフルエンザの症状

インフルエンザは、インフルエンザウィルスが体内に入って増殖し、感染することによっておこります。熱や頭痛、関節痛、のどの痛みのほか、咳や鼻水、倦怠感といった全身症状が急激に出ることが多く、健康な大人であれば1週間以内に自然治癒しますが、子どもや高齢者・免疫力の低下している方は、肺炎などをおこし、重症化する可能性があります。
新型コロナウィルスの症状と似ているため、症状がある方は、医療機関に電話で症状を伝えたうえで、早めに受診しましょう。

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インフルエンザを予防するためには

インフルエンザの主な感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫による飛沫感染と、ウィルスが手や体に付着することによる接触感染です。基本的には、新型コロナウィルスと同様の対策をとることが効果的です。

・外出後の手洗い
ウィルス除去にアルコールを使用する方法もありますが、手指についたウイルスは物理的に洗い流すことが基本になります。手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒間の手洗いだけでも、100分の1に減らすことが出来ます。さらに石鹸やハンドソープで10秒間もみ洗いし、流水で15秒間流すと、1万分の1まで減らせるといわれています。

・適度な湿度の保持
インフルエンザウィルスは、冬のように気温が低く、乾燥している環境で活発になります。また、のどや気道の粘膜には、菌やウィルスが体の中に入ることを防ぐ働きがありますが、乾燥するとその働きが低下してしまします。加湿器などを使用し、湿度を50~60%に保つとよいでしょう。口と鼻を覆うマスクを着用することも、乾燥予防対策になります。

・十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
寝不足や疲れがたまると、ふだん健康なひとでも免疫力が低下しやすくなります。睡眠をしっかりとり、体調のよいときは軽く体を動かしてみましょう。また、バランスよく食べることも大切です。炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミンをバランスよくとってください。難しく考えず、主食(ごはんや麺類、パン)と主菜(肉や魚)、副菜(野菜)、汁物があればなおよいでしょう。塩分が多くなりすぎないように気をつけてください。

・人ごみを避け、外出時は不織布マスクをつける
新型コロナウィルス禍で、3密を避けることが感染予防の基本になることは広く知られるようになりました。緊急事態宣言は解除されましたが(2021年11月現在)、インフルエンザ予防のためにも、できるだけ人ごみに出かけることは避け、外出時は不織布マスクをつけましょう。

・流行前のワクチン接種
厚生労働省が行った研究では、年齢にもよりますが、ワクチンの有効率は60%とされています。これは「ワクチンを接種せず発症したひとのうち、60%は接種していれば発症を防ぐことができた」ということを意味します。ワクチンを接種しても、インフルエンザ(感染)を完全に予防できるとはいかないようですが、もし感染しても、発症や重症化を予防するという一定の効果はあるとされています。

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インフルエンザワクチンは誰でも受けられる?

インフルエンザワクチンは、基本的に生後6か月以上であれば接種することができます。とくに、インフルエンザにかかると重症化しやすい65歳以上の高齢者、基礎疾患を有する方、妊婦の方、生後6か月から小学校2年生までの方で希望される方は、早めに接種するよう勧められています。
ただし、熱がある場合や重篤な急性疾患にかかっている場合、過去にインフルエンザワクチンでアナフィラキシーをおこしたことがある場合などは、接種できないこともありますので、医療機関に問い合わせてください。最終的に受けられるかどうかは、問診をもとに医師が判断しますので、がん治療中であることを必ず伝えてください。

インフルエンザワクチンはいつ頃受けたらいい?

日本でインフルエンザが流行するのは例年12月から3月頃で、流行のピークは1月末から3月上旬です。ワクチンを打ってから抗体ができるまで2週間程度かかりますので、12月中旬までに接種しておくとよいでしょう。なお、新型コロナウィルスやその他のワクチンを受けてから2週間空けることとされていますのでご注意ください。

インフルエンザワクチンは足りている?

昨年度は約2,825万本使用(推計)されました。今シーズンの供給予定量は約6,600万回分(約3,322万本)、平成27年度以降で最大の供給量が確保されていますが、ほとんどの医療機関は予約制となっています。ご自身の体調やスケジュールと合わせ、希望される方は早めに予約しましょう。

インフルエンザワクチンの副反応が心配

インフルエンザワクチンは不活化ワクチンといい、感染力のあるウィルスは入っていませんので、ワクチンでインフルエンザに感染することはありません。しかし、接種場所が赤くなったり、腫れや痛みなどの副反応がみられることがあります。このような比較的軽い副反応は、接種を受けた方の10~20%にみられますが、通常2~3日でおさまります。発熱や頭痛、寒気、だるさなど全身性の副反応がみられることもありますが、やはり2~3日で症状はよくなります。まれに、ショックやアナフィラキシー症状などの重い副反応をおこす場合もありますので、30分間は接種した医療機関で安静にして様子をみる場合があります。

費用はどのくらいかかる?

インフルエンザワクチンは健康保険が適応されませんので、10割負担となります。かかる費用は医療機関が決めることができ、2,000円から6,000円台とかなりばらつきがあります。接種を希望する医療機関に問い合わせてみましょう。
※65歳以上の方や、60歳以上で身体障害者障害等級1級に相当する方は、「予防接種法(昭和23年法律第68号)に基づく定期接種の対象者等」に該当するため、公費負担となっている自治体も多くありますので、お住まいの自治体のHPや窓口でご確認ください。

本格的に寒くなる季節に備え、体調を整えてインフルエンザ対策をしましょう。

Tomopiiaではこういった方々をサポートしていきたいと考えています!
1人で抱え込まずにいて下さればと思います。

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筆者ご紹介 カモミールナース
合計臨床経験26年 総合病院混合内科で7年、在宅分野は介護予防事業を含め20年目。訪問看護では、慢性疾患ケア全般、終末期ケアをはじめ難病や小児ケアにも携わる。カモミールには炎症を抑えたり、気持ちを安定させるなどの薬効がある、古くから薬草としても利用されています。花言葉は「逆境に耐える」「苦難の中の力」「親交」。逆境や苦難の中でこそ生まれてくる力を発揮できるよう、周りを支えられる存在になれればと日々奮闘中!

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