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ユーザーインタビュー『振り返り』Part.2(全3回)

Tomopiiaチームがモニターユーザーさんにインタビューしました!テーマは「振り返り」3回連載の第2弾 今回は、吉田ゆりさんのお話です。

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Q. まずは自己紹介お願いします。

A. 一般社団法人「がんと働く応援団」の代表理事をしております、吉田ゆりと申します。
私は、2年前(2018年)に卵巣がんの境界性悪性腫瘍になり、その摘出手術をしました。
2人の子どもがおり、当時小さくて預けられる環境がなかったので、そのまま抗がん剤治療ができず、今はホルモン治療をして経過観察中です。
仕事は、キャリアカウンセラーをしております。「がんと働く応援団」という団体を立ち上げ、主にがん治療と仕事との両立支援で悩まれる方や、その他ライフイベントとで悩まれる方のサポートをしております。
今は主に、企業領域での大人のがん教育をしていきたいと思っており、様々なコンテンツやサービスを専門家と共に作って提供しているところです。
どうぞよろしくお願いします。
(内容はインタビュー当時2020年10月のものです)


Tomopiiaチーム:キャリアカウンセラーとして活躍する中でのがんの罹患は、ご自身のキャリアにも色々な影響を与えられたのではないかと想像します。

Q. 罹患した当時のことを振り返ってみていかがですか?

A. 私自身がキャリアカウンセラーなので、色々な相談にのりながら、自分の過去を振り返るという手法はよく知っていました。ただ、自分自身に対してそれを定期的にするということはしていませんでした。
正直、がんになったすぐの時は気持ちがそういうレベルになくて、それをやろうという気にはさらさらなれなかったです。

Q. その後、ご自身のことを振り返るタイミングはおありだったんでしょうか?

A. そうですね。子供が保育園に入園したとき、ちょっと生活が楽になるなと思ったタイミングで、じゃあ次は何をしようかなと思うことができたんです。
それでいったん心の整理をしようと思い、ライフグラフを描いたという経緯があります。それを描くことで、自分の気持ちの揺らぎや、なぜ辛かったのかとか、どういうイベントがある時に落ちるのかというのがわかるんです。
また、それを見ることによって、「あ、自分ってこれが嫌いなんだな」とか、「こういうことするとすごく悲しくなる人なんだな」ということがわかる。それがわかることによって、「じゃあ次回こういうことが起きたらこういうふうにしてみようかな」という風に改善改良していけることを、がんになるという一大イベントの後にやったライフグラフで特に感じました。

Tomopiiaチーム:なるほど。ライフグラフを通して、ご自身をカウンセリングされたんですね。お話を伺って、前に進むために自分を「振り返る」には、タイミングも大切なんだなと感じました。

Q. 他にも振り返ってみて、印象に残っていることがありますか?

A. 自分自身でも気づかなかったんですけども、書くだけじゃなくて、人に話すことで、自分の気づかなかったことに気がつく、いい経験をしました。
手術が終わって1年半くらいたったあとに取材をうけて、記者の方に色んな過去の話を詳しく聞いていただいたんです。その取材を受ける時まで「自分はがんショックにならずに対応できた」と思っていたんですが、 がっつり、がんショックだったんだなということを認識できたんです。当時は、頭を左脳モードに切り替えて、「最善の選択をするように行動できた。良かった」と思っていたのですが、話していて、あれは正常ではなかった、それこそ「がんショック」になっていて偏った思考で判断をしていたんだと記者さんに話をしていく中で身につまされました。
なので、書いて頭の中の情報を整理する、 人に話をして、 自分で聞いて振り返るというものが、ものすごく自分自身を知るということでは大事なプロセスなんだなというのを体感 しました。

Tomopiiaチーム:吉田さんが今までキャリアカウンセラーとして実践されてきた手法が、改めて大切なプロセスだと落とし込まれた貴重なご経験だったんですね。

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Q. 今回、Tomopiiaモニター参加してくださり、ナースとの対話を体験いただきました。そこでも同じように振り返りにつながることはあったでしょうか?

A. 今回のモニター参加ではナースの方が伴走してくださって、自分のからだと心のゆらぎについてコメントを書いて、交換日記みたいなものをするというのは、 自分自身を客観的にとらえるという点 すごく有効なんだろう と 感じました。
(ナースからの返信は即座には返ってきませんが)あれはあれで良い距離感だよな…と私は思いました。最近は、何かと近すぎて早い。タイミングとして…。チャットも電話もメールも。そういうのを気にしなくて良い、のんびりとした交換が私はとっても好きでした。

Tomoopiiaチーム:我々の取り組みにまで繋いでいただいてありがとうございます。

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お話を伺っての感想

(Tomopiiaナースリーダー 上田樹里)

モニター体験の感想まで伺うことが出来てとても力をいただきました。
私もナースとしてユーザーさんとの対話を経験し、最初は言葉だけのやり取りに不安がありました。でも、やっていく内に言葉だけだからこそ、ユーザーさんの思いがじっくりと伝わってきた感覚がありました。普段、臨床での会話だとサーっと流れてしまうやり取りが、じんわりと伝わって、それが私の中でとても大きな財産のように感じました。
吉田さんのように、罹患当時に治療と仕事や子育てとの両立に大変な思いをされたような方々を正に私たちも支えたいと、このサービスをつくっています。なので、吉田さんにような方に、このサービスの背中を押して頂けることはとても嬉しく、改めてTomopiiaをユーザーさんにとって良いサービスにしていきたいと強く感じました。

【がんと働く応援団のご紹介】

趣旨
現役世代でがんを経験した各専門家がタッグを組み、実際経験して気がついた問題点を解消するべく企業領域において大人のがん教育「がん防災プロジェクト」実施中。
がんを見つけても慌てず、相談しながら継続就労に取り組む組織・人をサポートします。
(ホームページ: https://www.gh-ouendan.com/ より

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