見出し画像

友人からがんが発覚したことを打ち明けられたら、どんなことを心がければ良いの?

画像17

がんを罹患された方が病気が発覚してから、治療・退院・療養を経て新しいライフスタイルを見つけるまで、上図のように移り変わります。ここでは、それぞれの状態で起こることや、罹患された方が感じていることについて、ご紹介して参ります。

(文:訪問看護経験者 ガーベラナース)

大切な友人から、がん発覚を打ち明けられたあなた。
何とか力になりたいと色々調べたり、励ましたり、元気を出してもらおうと楽しいことを提案したり……
でも、ちょっと待って下さい!!
罹患者本人は、あなたに何を望んでいるのでしょうか?
励まされると余計辛くなる??情報がいっぱい??
ここでは相手との距離別に、ちょっとしたコミュニケーションや寄り添いのコツをお伝えします。
※この記事は、執筆ナースの経験を元にしたノウハウに加えて、一般社団法人がんチャレンジャーの「寄り添い方ハンドブック」も参考にしています。もっと詳しく知りたい方は是非こちらをご参照下さい。
https://www.gan-challenger.org/handbook/

画像2

家族と同じくらいの大親友からの告白。友人として一番近くで支えたい!!

まずあなたに出来る一番のことは「ただそばにいること」ではないでしょうか?「それだけ?」と思われるかもしれませんが、罹患者本人にとって、一番心を許せる友人である「あなた」がそばにいてくれることは、それだけでとても力になると思います。
そのときに心がけていただきたいただ一つのことは、ご友人の話を沢山沢山聞くことです。もしかしたら、混乱されていて否定的な言葉や怒りの言葉なども聞かれるかもしれません。

そんなときは、ご友人の言葉をそのままに受け止め、その言葉を否定したり正そうとしたりすることに一生懸命にならなくて良いと思います。そういった言葉は「そんな否定的なことが言いたくなるほどつらいんだな」と捉えて、ご友人の「つらい気持ち」に寄り添ってあげていただきたいと思います。あなたが涙がこみ上げて来た時は、ご友人と一緒に涙を流してその思いをシェアすることは間違いではありません。

あなた自身も、大切な友人の突然の告白にショックを受け、混乱の気持ちもあるかもしれません。もしかしたら否定的な気持ちが先に立ち、「何でもっと早く病院に行かなかったの?」などの言葉が喉元まで出かかってしまうかもしれません。あなたが抱いたその思いと同じような思いを、きっとご友人が一番感じてつらい気持ちになっていると思います。あなたに出来るのは、「きっと本人が一番自分を責めてつらい気持ちになっているだろうな」と推察しながら、罹患者本人のそばに寄り添っていただくことだたいと思います。
そして、もしご友人から何か具体的にサポートして欲しいことのお願いがあれば、その時こそ友人としてできる手助けができれば良いですね。

画像3

私以外の何人かにも打ち明けている様子。力にはなりたいけど、どんな距離感で関われば良いのかな…

友人の力になりたいけれど、その方との距離感を考えると、何をどうすれば良いか迷う……。そんなあなたに心がけていただきたいことは、「私に出来ることがあれば力になるから、何でも言って」の姿勢を伝えることです。 親友というほど親しくはないけど「落ち込んでいる友人を何とか励ましたい!」と思う気持ちが溢れてくることもあるかと思います。そのお気持ちはとっても素晴らしい一方、ここで慎重になっていただきたいのは、その方が必要としているのは励ましではないかもしれないと言うことです。ショックを受けいてる時や落ち込んでいる時、周りからの励ましが逆効果になってしまうことがあります。励ましたいと思う気持ちから出る「大丈夫!」や「頑張って!」の言葉は、受け取る側からすると、時として「私にとっては大丈夫じゃないのに……」や「何を頑張れば良いの……?」といった気持ちになってしまうことがあります。

また、がんには沢山の治療法や対処法があります。あなたは何とかご友人の力になろうと、色々な治療法や民間療法について調べてみたり、知っていることを教えてあげよう!!と思うかもしれません。でもそれもちょっと待っていただきたいのです。
がんに限らず、病気の治療は医師と患者さんご本人が相談の上に決定されていくものです。良くも悪くも様々な情報が溢れるこの世の中で、一つ一つの情報が「ご本人にとって」正しいものか、適切なものか、望んでいるものかを判断することは簡単ではありません。あなたにとってはとても有意義な情報でも、罹患者本人にとっては更に混乱を招いてしまったり、不信感を持ってしまったりすることに繋がる可能性があります。
あなたが「何とか力になりたい」と思う気持ちから伝えた情報が、かえって治療の妨げになってしまわないようにしましょう。
大切なのは、あなたがご友人のために「力になりたいと思っている」という気持ちを伝えることです。それを伝えたうえで、必要な時にはいつでも手助けできるように、そっと見守りましょう。
もし、ご本人から何かサポートして欲しい…や、話を聞いて欲しい…など具体的にお願いがあれば、その時はあなたのことを必要としています。そばに寄り添って、その方の望むサポートをしてくださいね。

まとめ

友人として、がん発覚を打ち明けれられた時の心がけについて2つのパターンに分けてお話ししました。どちらのパターンにも共通しているのは「相手に寄り添うこと」です。
あなたのさり気ない気遣いが罹患者本人の方のショックをやわらげ、治療に向かう力になることを願っています。

※この記事は、一般社団法人がんチャレンジャーの「寄り添い方ハンドブック」も参考にしています。詳しく知りたい方は是非こちらをご参照下さい。
https://www.gan-challenger.org/handbook/

Tomopiiaではこういった方々をサポートしていきたいと考えています!
1人で抱え込まずにいて下さればと思います。
(サービスの対象となるのは、がん罹患者本人様に限ります。)

画像4

筆者ご紹介 
ガーベラナース

合計臨床経験12年。ER・集中治療室経験などを経て訪問看護の道へ。訪問看護は管理者を含め6年のベテランナース。在宅看護領域で修士課程修了、ケアマネジャーの資格も持つ。
ガーベラの花言葉「希望」「常に前進」通り、じっとしていられない猪突猛進タイプ。山登りやスノーボードなどアウトドア好き。子どもが成長し一緒に山登りを楽しむのが夢です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?