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がんになった…これから私はどうすればいいの?~前編~

がん罹患者の変遷1

がんを罹患された方が病気が発覚してから、治療・退院・療養を経て新しいライフスタイルを見つけるまで、上図のように移り変わります。ここでは、それぞれの状態で起こることや、罹患された方が感じていることについて、ご紹介して参ります。

(文:訪問看護経験者 すみれナース)

告知後の生活

がんと告知され、検査や治療の説明を病院から受けたものの、気持ちや心が追いつかない状況になっていませんか?

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頭が真っ白になり、何に手をつければいいのかわからなくなる方もいらっしゃいますよね。そのような辛い状況でも、日々の仕事や家事などをこなしていくなかで落ち着きを取り戻し、少しずつ病気や治療について調べてみる方も多いようです。

がんのステージや検査結果の数値がどういう意味をなすのかも気になるところですね。ネット上には多くの情報が溢れていますし、民間療法を含めた書籍もたくさんあります。その中から、信頼できる情報をどのように調べればよいのでしょうか。

正しい情報を集め、今後の見通しを立てる

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 病気を告知され、検索ワードをインターネットに入れると情報が溢れてきますね。同じ病気を克服した、とか抗がん剤の怖い副作用の情報なども沢山入ってきます。しかし、まずはあなたの主治医としっかりコミュニケーションをとり、納得できるまで説明を受けることが大切です。

病気についての情報

 告知されたときに受けた説明は、ショックのあまりよく覚えていないかもしれません。同じことを聞いてもいいのです。また、医師と話すときは緊張してしまって、考えていたことの半分も聞けなかった、ということもよくあります。以下のチェックリストを参考に、まずは現状をしっかりと把握しましょう。

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病名やステージについてはほとんどの方が正確に把握しておられますが、医学用語は聞いただけでは分かりにくいものも多いので、よくわからないときは紙に書いてもらいましょう。メモ程度であれば診察に差し支えないと思います。

検査のスケジュール

現在のステージがどういう状態なのか、今後どのような検査や治療が必要になるのかについても、以下のリストを参考にしながら説明をうけましょう。ここで疑問を残してしまい、帰ってから不安になってネットで調べる方も多いのですが、相当手間と時間がかかりますし、正確な情報にたどり着かなくなり、危険な自己判断をしてしまうケースもあります。

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検査には多くの種類があります。尿検査など全く痛みを伴わないものから、内視鏡(カメラ)検査のように出血のリスクを伴うものまで様々です。また、同じ検査でも病状や治療状況により目的が変わります。すぐに結果が分かるものと、数週間たたないと分からないもの、検査前に準備が必要だったり、帰りは車の運転ができないものもあります。入院が必要な検査もありますので、しっかりとスケジュール管理をしましょう。費用については、「がん相談支援センター」や「医療相談室」「地域医療連携室」「医療福祉相談室」などの窓口に聞くとよいでしょう。

治療のスケジュール

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これからどのような治療を受けるのか、いちばん心配になるところです。自分にはなぜその治療がいいと医師が判断したのか、疑問があれば納得できるまで聞いて構いません。ただし診察時間には限りがありますので、上記のリストを参考に、あらかじめ聞きたいことをまとめておくとスムーズです。持病やいままでにかかった病気があれば、医師に伝えておきましょう。

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チェックシートをプリントしたい方はこちらからダウンロードして下さい。

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★ここまでの確認

ここまでチェックしたことについて確認してみましょう。

🔲 病気についての説明が十分に理解できた
🔲  検査の予定について理解した
🔲 不安や疑問に思ったことを医療者に尋ねた
🔲 治療の目的、効果および副作用を理解した
🔲 治療開始後の予定を理解した

その他の治療やセカンドオピニオンについて

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医師はあなたに最適と考えられる標準治療※を提案すると思いますが、ほかにどのような治療の選択肢があるか、受けられる可能性のある臨床試験※治験※について聞いてみてもよいでしょう。

治療法を納得して選ぶために、セカンドオピニオン※を利用する方法もあります。セカンドオピニオンとは、現在の状態や治療についての理解を深め、納得して治療を受けるために、担当医以外の医師に意見を聞くことです。セカンドオピニオンを受けたいときは、担当医に相談し、紹介状を書いてもらいましょう。自分から担当医に言い出しにくい場合は、「がん相談支援センター」に相談すると力になってもらえます。また、セカンドオピニオンが受けられる医療機関の情報も、がん相談支援センターで聞くことができます。

※標準治療:治療効果・安全性の確認が行われ、現在利用可能な最も勧められる治療のこと
※セカンドオピニオンは保険外診療になります。
※臨床試験:臨床研究のうち薬剤、治療法、診断法、予防法などの安全性と有効性を評価することを目的としたもの
※治験:臨床試験のうち、新しい薬や医療機器の製造販売の承認を国に得るために行われるもの

★ここまでの確認

上記の説明で確認できたことをチェックしてみましょう。
🔲 信頼できる情報を集めた
🔲 治療のメリットデメリットなど理解できた
🔲 治療法を納得して選択できた

ひとりで抱え込まずに、誰かに相談する

相談について

病気への不安を抱えながら病状や治療・検査について調べたり、緊張しながら医師に尋ねたり、スケジュールを調整したりすることは、労力を要するだけでなく、非常にストレスがかかる作業です。

すべてをひとりで抱え込まずに、どうか誰かに心のうちを話してみてください。家族や友人に話しにくければ、担当の医師や看護師、がん相談支援センターでも相談にのってくれます。直接の解決にならなくても、話を聞いてもらううちに気持ちの整理がつき、心が楽になることもあります。それでも眠れない日が続くなど日常生活に支障をきたすようであれば、専門的なサポートをうけることもできますので、医師に相談してみましょう。

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体調をととのえる

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がんそのものの治療は自分でできませんが、ご自身でがんの治療に向けて体調を整えておくことはできます。
①禁煙
どのような病気でも、禁煙は必須です。喫煙と因果関係があるのは肺がんだけではありません。とくに手術を控えている場合、手術後の合併症の予防や、傷の治りを良くするためにも必ず禁煙してください。「今さら遅い」ということはありません。手術前の禁煙期間は長ければ長い方が良いです。自信がない方は医師に相談し、禁煙治療をうけましょう。

②バランスのいい食事をこころがける
食事がとれる状況であれば、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミンをバランスよくとってください。難しく考えず、主食(ごはんや麺類、パン)と主菜(肉や魚)、副菜(野菜)、汁物があればなおよいでしょう。塩分が多くなりすぎないように気をつけてください。

③体を動かす
痛みがなければ、20分程度のウォーキングなどで軽く体を動かして体力をつけておきましょう。体を動かすことは精神面にもよい影響があります。

禁煙以外は無理をしない範囲で行ってください。体調を整えて治療に専念できるといいですね。

参考URL:
がんと診断されてから 治療が始まるまで
https://ganjoho.jp/data/public/qa_links/hikkei/hikkei_02/files_02/T4_05-30.pdf
患者必携 がんになったら手にとるガイド 普及新版』
https://ganjoho.jp/data/public/qa_links/hikkei/hikkei_02/files_01/4_013-034.pdf


筆者ご紹介 すみれナースさん
合計臨床経験11年。7年は病院で外科、内科など経験し、訪問看護の世界へ。すみれの花言葉「謙虚誠実」「小さな幸せ」をモットーに働くおっとりナース。一方、一人旅もできる好奇心旺盛タイプ。息子の成長を楽しみにしている一児のママ。



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