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こんなとき、どうすれば…?「1.病気が発覚~入院まで」編(がん告知・・・患者さんが知りたいこと)

がんを罹患された方が病気が発覚してから、治療・退院・療養を経て新しいライフスタイルを見つけるまでの変遷をイメージすると以下のようになると思います。(必ずこのような形になるとは言えませんが)
ここでは、それぞれの状態で起こることや、罹患された方が感じていることについて、ご紹介して参ります。

がん罹患者の変遷1

がん告知・・・患者さんが知りたいこと

(文:訪問看護経験者  すみれナース)

医療の告知率はここ30年で15%から80%へ増加

病院で検査を受けて、結果の説明があるのは当たり前ですよね。そこでもし悪性の腫瘍…がんが見つかった場合、主治医はこの悪い知らせも伝えることになります。一昔前では、本人への告知はしないこともありました。しかし、ここ30年で告知率は80%も増えています。一般的に、告知することにより、抗がん剤や手術など、大きな治療を受け入れ協力を得ること。患者が納得して治療を受けること。治療が進んでいくうちに、治療と、患者側の思いのズレを防ぐこと等が期待されると言われています。

病名告知率推移

資料:
第42回がん対策推進協議会「正しい情報と個々の価値観に基づく治療法の選択について」(平成26年2月14日)「日本におけるがん患者への病名告知率の推移」ページより作成

がん告知をされて思うこと

だからと言って、心の準備が十分でない中、突然がん告知があった時、患者さんはどのように感じるでしょうか?。私を含め普段からそんなことを考えて生活されている方は、多くはいらっしゃらないと思います。つまり、しっかりと心の準備をしてがんの告知を迎えるというのは不可能に近いですよね。がん告知を受けた患者さんはどんな事を思うのでしょう。

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まず、患者さんが思う事。。。それは様々ではあると思いますが、通常、ショックをうけ、頭がまっしろになる方が多いと思います。さらに主治医に対して更に、「ショックのあまり主治医の話が頭に入って来なかった」「主治医の話が淡々としたように感じた」と言う思いに駆られた方もいらっしゃるかもしれません。時として、医師の説明は理路整然とするあまり、淡々としていて冷たく感じると言われることもあります。

がんを告知する側の気持ち

この患者さんからすると一見淡々としているように感じることがある言い方・・・。。。実は理由があります。ある医師は、感情をださないように「無」になっていると答えています。冷静に事実を伝え、これからの治療などを患者と話し合っていく必要があるからです。確かに医者のほうが泣いていたり、あわてていると、まかせて大丈夫かな?と不安になりますよね。あえて淡々としているのかもしれません。

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告知する側の医療者についても考え方や話のすすめ方などは多少違いはあると思います。ただ、どの医師も共通しているのは、患者さんと共にしっかりと治療に向かうためにきちんと告知や説明をしたいということと、患者さんショックの度合いや心境をとても心配しているということです。

がん診療に携わる医療者にとって治療を進めていく上で、告知は大切なプロセスの一つであり、「告知するかどうか?」ではなく「告知後、どう支援するか?」という考えに変化してきています。患者さん自身も、自身の病気を知りたい人が殆どで、告知を望む人は多いです。

告知だけでなくがんの医療はチーム医療です。主治医が説明した後に、看護師や時にはがん相談支援センターの職員などがチームで患者さんのサポートを行います。

一方で、やはりいざと言う時、がんの告知を望むかどうか? とりわけ、家族ががんになった時、その家族に真実を伝えるかどうか・・?等については悩まれる方は多いと思います。

次の記事では、患者さんにとっての、告知や未告知のメリットデメリットや、どういった影響があるか・・について整理していきましょう。

筆者ご紹介 すみれナースさん
合計臨床経験11年。7年は病院で外科、内科など経験し、訪問看護の世界へ。すみれの花言葉「謙虚誠実」「小さな幸せ」をモットーに働くおっとりナース。一方、一人旅もできる好奇心旺盛タイプ。息子の成長を楽しみにしている一児のママ。

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