~Cafe Moonlight 🌖~ 10代LGBTQ＋に向けたカフェづくりを始めました

お久しぶりです

実は今年の初めに日本に帰ってきて、あっという間に8ヶ月が経ちました。
コロナ禍でビザの取得ができず、ビザなしでパリの大学に通っていましたが、色々な事情が重なってパリに残ることができなくなり、泣く泣く帰国しました。
日本に帰ってきてからの日々は、想像以上に厳しいものでした。今年の初めはまだまだ日本への入国が厳しく、帰国後一週間ホテルでの隔離生活。フランスの友達と別れて、帰ってきてからも誰にも会うことができない寂しさで本当に孤独でした。

隔離が終わってからも、フランスで過ごしていた生活とはかけ離れた、コロナへの考え方や生活リズムに違和感を感じていました。そして、その違和感を感じるたびに、フランスが恋しく、心苦しく思っていました。

その中でも私が特に辛く、耐え難いと思ったことがあります。それは、日本社会が女性に抱くイメージ像と、性的マイノリティの人たちに関する考え方です。

隔離を終えて初めて電車に乗った時、私が最初に目にしたものは、10代の女の子に向けた整形の広告でした。そのほかにも、10代に向けた脱毛の広告、女性のための転職サイト、婚活アプリ etc… 私にはこれがあまりにもショックでした。

私は整形や脱毛に関して、批判したいわけではありません。
ただ、この広告が、電車という公共の機関に貼られていることに驚き、これを見た10代の女の子達が「今の自分ではいけない、これらをすることが普通なんだ」と感じるきっかけになってしまうのではないかと思いました。そして、そのような危険性に対して誰も声をあげず、それらがいかにも”普通”であるかのように扱われていることに、強い違和感を感じました。
これは日本という国で、女性として、マイノリティとして生きることへの恐怖につながりました。

女性であれば綺麗でなくてはいけない。異性としか法的に結婚することができないこの国で、ブライダル、結婚式場、婚活の広告が溢れ、そこに写る満面の笑みの綺麗な女性たち。これを普通だと言ってしまえばそれまでなのかもしれません。もちろん他にも食品や書籍、ゲームなど、さまざまな広告が街には溢れています。しかし、フランスでは感じることのなかった、女性に対する明らかな差別を私は感じました。

帰国してまもなく、私は都内で接客の仕事を始め、働きながらフランスの大学に戻るための勉強をしていました。その中でもお客様から言われる言葉、職場でたびたび話題になる結婚、当然のように聞かれる彼氏の話題に、心地悪さは募っていくばかりでした。

フランスにいた時も、恋愛の話や将来の話はたくさん話題に上がりました。しかしそこでお互いのセクシャリティを決めつけて話すことは少なく、性別に関わらず人を好きになったり、異性以外の人と付き合ってることも受け入れられているように感じました。特に、私の周りでは、若い世代の色々な国籍を持つ人が多かったので、セクシャリティに関わらず、年齢、人種を決めつけたりすることは意識的にしていなかったように思います。最近では相手のプロナウン（代名詞）を名前と一緒に尋ね、見た目の性ではなく、本人が自認している性で、『彼女、彼、彼ら、それ以外』というふうに相手を形容することも増えてきています。

それが日本に帰ってくると、「彼氏いないの？フランスではかっこいい人いた？どんな男の人がタイプ？」異性愛者であることを決めつけられた上に、男性と付き合っていることをステータスとして捉えられていると感じて、先進国として多様性を謳っていながら、日本社会に根付く認識と、それらの知識の希薄さに不安を感じました。

フランスでのビザの申請や、面倒な書類手続きからも解放されて、東京で何不自由なく暮らしているはずなのに、常に何かが胸に引っかかっていて苦しい、そんな状態で数ヶ月を過ごしました。
そんななか二十歳を迎えた私は、新しい友達やコミュニティに出会い、社会に対して不満や不安を抱く一方で、私がここで何かできることはないかと、思うようになりました。

私は日本で生まれ育ち、家族も日本に住んでいます。将来のことはわかりませんが、いつかは日本で家族を持ちたいと思う時もあります。そんな時、今私が感じているような、居心地の悪くて苦しい思いを、次の世代にはして欲しくありません。
どんな人を好きになっても、胸を張って自分らしく、一人の人間として一緒にいられる社会になってほしい。そう思っています。

今の社会が悪だとは思いません。
ただ、自分が社会の一員になった時、「この考え方で本当にいいのだろうか、自分の何気ない一言で誰かを傷つけていないだろうか？」ということを考えられる人になりたい。そういう社会の一員になりたいと思います。

そんなことを考えているときに、私は今回のカフェの企画者のゆっきーと出会いました。
「一緒に、自分らしく、誰かのことを決めつけたり、差別したりしない、みんなが安心してすごせる居場所づくりをしよう。」と言われたとき、自分のやりたかったことが、形になって自分の元にやってきたようで本当に驚きました。
自分自身に対する自信のなさや不安な気持ちで、なかなか前に進めなかった私は、彼女の話を聞いて、同年代の彼女が同じような思いを持っていることが嬉しかったと同時に、居場所がなくて不安な気持ちを、パワフルな行動力で新しい居場所づくりへと変えていく彼女の強さに感動しました。

その話をもらってから1ヶ月、信じられないスピード感でここまで来ました。何時間も話し合いを重ね、たくさんの人たちに会いに行き、お話を伺ってきました。先週無事にオープニングパーティの場所が決まり、そこに向けて着々と準備を進めています。

同じような不安な気持ちを抱える人たちに、この場所を安心できる居場所だと思ってもらいたい。
私たちの求めていた居場所を、少しでも多くの人に届けたいと思っています。

日時　9月3日、4日 の２日間
時間　14:00-18:00
場所　東京都新宿区新宿2丁目4-1
　　　新宿御苑前駅から徒歩３分のMexican Cafe & Bar JOGさんにてプレオープニングパーティを開催します！

10月に常設の場所を設けたいと思っているので、その前のプレパーティーです。

同じような不安な思いを感じたことがある方、私たちの活動に少しでも興味を持っていただけた方、私たちを応援サポートしてくださる方、年齢、セクシャリティ問わずどなたでも大歓迎です！！

イベント当日はトークセッションなど、ご来場いただいた方も含めた相談会や意見を交流できる場所なども設けられたら良いと思っています。
詳細が決まり次第また発信していきますので、Cafe Moonlight をどうかよろしくお願いいたします。

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TOMO