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【プレミアリーグ】意外と知らないダービーマッチ特集

 世界最高峰のプレミアリーグには、長い歴史とその中で培われてきたライバル関係が多く存在する。プレミアリーグのダービーマッチと言えば、「マンチェスターダービー」、「ノースロンドンダービー」、「マージーサイドダービー」などが真っ先に浮かぶが、そのほかにも意外と知られていない熱いダービーマッチが多く存在している。今回は、実はあまり知られていないがめちゃめちゃ熱いダービーを一挙紹介する。

➀ローズダービー【マンチェスター・U vs リーズ・ユナイテッド】

その起源は1455年まで遡る

 21-22シーズンにリーズがプレミアリーグの舞台に返ってきたことで久しぶりに実現したこのダービーではあるが、この両チームの因縁が始まったのは1455年。皆さんも、ともすれば学校で習ったことがあるかもしれない「バラ戦争」が起源だ。ランカスター家(マンチェスター)とヨーク家(リーズ)が当時のイングランドの覇権を争っていたことからこのダービーが始まった。 
 チャンピオンシップ(2部)に所属していたこともあり、近年はそもそも実現自体が少なかったこの対戦ではあるが、2010年以降リーズはこのダービーに勝利できていない苦しい状況が続く。今季もプレミアリーグでなかなかの曲者としてリーグを盛り上げてくれたリーズ・ユナイテッドに、これからも注目していきたい。

➁タインウェアダービー【ニューカッスル vs サンダーランド】

スパーズに代わって新たにビッグ6に名乗りを上げているマグパイズ

 「サンダーランド」プレミアリーグを愛する者からすると少し懐かしく聞こえるかもしれないこの名前、ザ・ブラックキャッツの愛称で親しまれるサンダーランドと、マグパイズの愛称で親しまれ今ではプレミアリーグを代表するチームにまで成り上がったニューカッスルによるダービーマッチだ。地理としては、イングランドの北部に位置をするニューカッスルの本拠地セント・ジェームズパークスタジアム、実際に行った人の感想は「なんて田舎町だ。」だそうだ。サンダーランドの本拠地はそこからわずか13キロ程離れた場所に位置する。聞くところによるとこのタインウェアダービーは、プレミア1「最凶」なダービーだそうだ。
 長年クラブを苦しめたオーナーことマイク・アシュリーが去り、サウジアラビア資本の新オーナーの元、堅実な補強で確実に強くなってきている恐ろしいマグパイズ、そんな彼らを止めることが出来るのはサンダーランド、君たちだけだ。久しぶりにチャンピオンシップからプレミアリーグの舞台に帰ってきてくれ、そう願っている。

➂ドッカーズダービー【ウェストハム vs ミルウォール】

イングランドフットボール界で最も悪名高いミルウォールサポーター

 ドッカーズダービー、別名イーストロンドンダービーとも呼ばれるこちらのダービーは、ロンドン、いや、プレミアリーグで1番熱狂的なサポーターをそれぞれ持つ両チームによるダービーマッチだ。ロンドンを流れるテムズ川を挟んだ両チームのライバル関係は古くからあるが、ここ数十年はミルウォールがチャンピオンシップ(2部)以下に所属し続けてることもありほぼ対戦することは無い。しかしFAカップで両チームが激突する際はかなりの盛り上がりを見せる。
 ちなみにプレミアリーグに所属していなくても、これほどまでに何かと話題に上がる「ミルウォール」、サポーターがイングランドフットボール界で最も悪名高いことでも有名だ。2017年にFAカップでトッテナムと対戦した際に、サポーター同士が場外乱闘を起こした映像が私の脳裏に鮮明に焼き付いている。その時の私の感想は「ミルウォールサポ、こぇぇぇぇ。。」だ。

④M23ダービー【ブライトン vs クリスタル・パレス】

「ゴールキックカット1点」そんなもの大人の世界には存在しない

 イギリスの南方の港町に拠点を置くブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンと、南ロンドンに位置するクリスタル・パレスは、地理的にも非常に近い。ベンホワイト、ククレジャ、イブビスマ、トロサール、そしてグレハム・ポッター監督までも引き抜かれてなお強さを維持し続けるブライトン。むしろ新デゼルビ監督の元、ビルドアップの戦術に更に磨きをかけており、マクアリスター、ミトマ、ソリーマーチ、カイセドらプレミアリーグトップクラスの選手が大活躍している。
 日本のメディアはこぞって"三苫薫が所属する"を強調するが、別に彼が所属していようが所属していまいが、日本でも注目されるべきチームであると私は思う。ブライトンの移籍市場の話をしているのに”三苫薫が所属する”と内容とは全く関係ないタイトルを付け、見出し詐欺で内容が薄っぺらい記事ばかり排出する日本のマスコミ諸君に告ぐ、はっきし言って君たちはナンセンスだ。TMFCの編集長の足元にも及ばない!!と、社長が仰ってました。
 熱くなり若干話が逸れてしまったが、地理的にも近い両チームのダービーは近年更に激しさを増しているようだ。ちなみに「M23ダービー」の名前の由来は、マグワイアが23人いるダービーではない。M23というブライトンとロンドンを結ぶ高速道路がその名の由来だ。このダービーの詳細については僕自身もあまり分かっていないので、詳しくはベン・メイブリ―さんに聞いてみて欲しい。

⑤ナショナルダービー【リヴァプール vs マンチェスター・U】

後半開始からピッチに立ちわずか38秒で退場したスティーブン・ジェラード
(2015/3/22/・第30節)

 マンチェスター・ユナイテッドのライバルはマンチェスター・シティ、リヴァプールのライバルはエヴァートン、誰しもがそう答えるだろう。その答えは何も間違ってはいない、しかし、マンチェスター・ユナイテッドの本当のライバルはリヴァプールであり、それはリヴァプールにとっても同じだ。歴史的な理由と地理的な理由から何かとライバル関係になる両都市(チーム)であり、イングランドフットボール界を代表する熱いダービーマッチであるため「ナショナル・ダービー」と呼ばれている。※ノースイーストダービーとも言う。
 ナショナルダービーと言えば一番記憶に残っているのは「スティーブン・ジェラード38秒退場事件」だ。後半頭からピッチに立ったジェラードが、アンデル・エレーラへの悪質タックルでわずか38秒で退場してしまった一幕だ。よくいじりの対象となってしまってはいるが、編集長自身はかなり好きなシーンだ。当時若手が多く言ってしまえばあまり覇気のなかったチームに、後半からピッチに立ったジェラードが「このダービーとはこういうものだ!これくらい熱い気持ちで挑め!」と闘魂を注入しているように感じた。退場にはなってしまったが、チームに確実に強いメッセージを残した主将・ジェラード、あっぱれだ。


文/編集長

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