【格闘技コラム】ヴァンダレイ・シウバvsヒカルド・アローナ(2005/12/31)
人生最大のリベンジマッチ
2005年の大晦日に行われたこちらの試合は、シウバにとっては人生最大のリベンジマッチとなった。同年8月に行われたPRIDEミドル級グランプリの準決勝でアローナと対戦し、アローナの巧みな寝技やパウンド攻撃を前に思うような力を発揮できず、判定で敗れていた。その後の決勝ではシウバの同門であるマウリシオ・ショーグンがアローナをKOで勝利したものの、シウバにとっては屈辱のトーナメントとなった。
5万人満員札止めの大観衆、互いに一歩も譲らない試合展開
試合は開始早々、得意のタックルからテイクダウンを狙ったアローナだったが、4ヶ月前とは違いシウバはマウントポジションを許さずに試合を優位に進めた。グラウンド状態のアローナに対して何度もフットスタンプを試みるシウバだったが、アローナが間合いを上手く取りながらディフェンスをし、それを許さない。シウバのサッカーボールキックに合わせて埼玉スーパーアリーナの5万人の大観衆が呼応し、シウバのリベンジ達成を願う観客のボルテージは最高潮に達した。しかし寝技に持ち込もうとするアローナに対し、打撃戦に持ち込もうとするシウバ、お互いの思惑が交錯してなかなか試合が噛み合わず、試合は硬直状態でシウバ若干優位のまま終了を迎えた。
シウバの判定勝利 ブラジル名門同士の戦いはまだまだ続く
試合は判定にもつれ込み、判定の結果2-1でヴァンダレイ・シウバが勝利を収めた。ちなみにこの試合は、ブラジリアントップチーム所属のヒカルド・アローナ VS シュートボクセアカデミー所属のヴァンダレイ・シウバという、ブラジルに本拠地を置く最大のライバルチーム同士の対戦でもあり、勝利したシウバ、いや、シュートボクセアカデミー陣営の喜びは相当のものだっただろう。例えるなら、アーセナル VS トッテ〇ムのノースロンドンダービー並にお互いを敵対視するライバル関係のある戦いであり、この2チームによる戦いは今後も度々登場するため、詳しくはその時に記すこととしよう。
【編集長の格闘技教室・・・文中の語句解説】
テイクダウン・・・立っている相手をグラウンドに倒す攻撃。タックルを仕掛けたり、足を掛けて倒したりしてテイクダウンを奪うファイターが多い。
フットスタンプ・・・グラウンド状態になっている相手を、上から踏みつける攻撃。上記に出てきたマウリシオ・ショーグンが得意な技で、「踏みつけ大将軍」と呼ばれていた。
サッカーボールキック・・・グラウンド状態の相手を蹴りつける攻撃。体重差がある試合では禁止される場合がほとんどだ。
文/格闘技大好き編集長
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?