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山籠り合宿直前!クマと遭遇したらどうする??

こんばんは!トモナリFC、動物専門家のNo.⑦です!
皆さんは「クマ」というとどんなイメージを抱くだろうか。恐らく、温厚で陽気にハチミツを食べる「クマのプーさん」や、童謡の「ある日~森の中~クマさんに~出会った~」にあるような、平和、あるいは可愛いという印象を持っている人が多いのではないだろうか。しかし最近「山菜取り中にクマに襲われ重傷!」や北海道で牧場に何度も出没している「OSO18」と、人とクマが遭遇することによる事故が多発しているように思われる。今回トモナリFCが合宿の拠点とする長野県の軽井沢、そして山梨県河口湖は、前調べによるといずれもクマの出没区域だという。そんなクマと遭遇した際、自分の身を守るために何をすべきか、あるいは遭遇しないために気を付けるべきことは何か、合宿に行く前におさらいしておこう。

【クマの生態・基本情報】

まずは「クマ」という動物の基本的な生態や特徴から紹介していこう。日本には主に2種類のクマが生息しており、本州に広く分布する「ツキノワグマ」と北海道に生息する「エゾヒグマ」の2種類だ。この両者は見た目も大きさもかなり異なっている。

(エゾヒグマ)
分布:北海道全域
体重:200~300キロ(オス)
体長:1,9~2,3メートル

(ツキノワグマ)
分布:本州、四国
体重:50~120キロ
体長:1,2~1,8メートル

上記からも、本州に住むツキノワグマと北海道のエゾヒグマとでは、体の大きさがかなり違うという事が分かるだろう。次に、そんな体格の違う両者が普段何を主食として生きているか確認していこう。

(エゾヒグマ)
・ザゼンソウやイラクサといった植物
・雑草、木の葉
・どんぐり、クルミ、山ぶどう
・アリ
・ザリガニ、サワガニ
・ハチの巣
・サケ

(ツキノワグマ)
・どんぐり、クルミ、栗、山ぶどう
・雑草、木の葉
・昆虫
・ハチの巣

クマと聞くと鋭い爪に鋭い歯を持つ肉食獣というイメージが強いと思うが、基本的に彼らは植物や昆虫を主食とする草食(雑食)動物なのである。ライオンやトラのように荒野で待ち伏せをして獲物を仕留めるそれとは異なり、クマは常に美味しい草木を探し歩き回りながら生活しているようだ。稀にエゾシカの肉も食べるようだが、あくまでこれはシカの死骸をたまたま見つけた場合のみで、自ら好んでシカや草食動物を狩りエサとすることはまずない。

熊谷こうすけ

【クマと出会った時のNG行動は?】

前述の通り、クマという生き物は草食であり、さらには警戒心がとても強く臆病な性格の持ち主、人間の存在に気付くとクマの方から逃げて行く場合がほとんどだ。そのため基本的には、鈴を鳴らしたり、大きな声でサリバのチャント、あるいはYou'll never walk aloneを歌ったりしていれば、クマと遭遇することはまずあり得ない。我々がクマのことが怖いように、クマも人間のことが怖いのだ。
とはいえ、偶発的にクマと遭遇してしまうことも当然ある。そうした場合、自分の身を守るためにはどうすればいいか?まずは、一般的に言われている定説が正しいのか、順番に見て行こう。

死んだふりをする
→これはNG行動だ。世間一般ではクマと遭遇したらまずは死んだふりをしろ、そうすればクマは去っていく!という言い伝えがあるが、これは真っ赤な嘘だ。というのも先にも紹介した通り、クマはシカの死肉を漁って食べることがある。よって、動かないからと言ってエサと認識しないわけではないので、死んだふりはNGだ。ちなみにカエルは逆に動くものしかエサと認識しないので、もし山の中で自分と同じくらいの大きさのカエルに出会ってしまったら、死んだふりをするのが有効だ。逆に少しでも動いた瞬間にエサと認識され丸飲みにされてしまうから要注意だ。

木に登る
→これもNG行動だ。実はクマは木登りが大の得意で、200~300キロの巨体をものともせずスイスイ木を登っていく。つまり、木に登る行為は自らクマの土俵に入り込んでしまうようなものである。よって、これもNGだ。ちなみにクマは水泳も得意で、北海道本土から利尻島まで泳いで渡ったという記録もある。

大声で威嚇する
→基本的にはNGだ。偶発的にクマと遭遇した場合、クマの頭の中は「ヤバい、人間に遭遇してしまった。どうしよう。」と思考が停止してしまっている場合がほとんどだ。そのため仮にそこで大声を出してしまうと、かえってクマを刺激して興奮状態にしてしまう。想像してみて欲しい、もし君が街でトモナリ社長に偶然出会ったとしよう。そこで急にトモナリ社長が何の前触れもなく耳元で大声を出せば、誰だって驚き心穏やかではいられなくなるはずだ。いくら社長とは言え、驚いた君はトモナリ社長の頭を引っぱたいてしまうのではなかろうか。ましてやそれが出合い頭だとしたらなおさら興奮さずにはいられないだろう。よってクマを大声で威嚇するのはNGだ。ただ、クマが明らかに敵意を剝き出しにしながら突進してきた場合は、こちらも応戦の意味を込めて大声や大きな音で威嚇し応戦するのも手だろう。大声を使う際は状況の見極めが必要だ。

④背を向けて走って逃げる
→これは数あるNG行動の中でも堂々の第1位だ。絶対にやってはいけない。野生の捕食者は、背を向けて逃げる物を本能的に追いかける習性を持っている。身近にいる犬も、飼い主が背を向けて走ればそれについて一緒に走って来る場面をよく見かけるのではないだろうか。
クマは最高時速40~50キロで走ることが出来る。もう少し分かりやすく言うと、100メートルを8秒台で走ることができる。つまり、人類最速のウサインボルト(マンチェスター・Uサポ)ですら逃げ切ることはできないということだ。ましてや歩くことすら大変な山道で、クマから逃げ切ることなんて100%不可能だ。

(⑤奪われた荷物を取り返す)
→これは遭遇した時のNG行動と言うよりは、クマの恐ろしい習性の紹介にはなるが、クマという生き物は自分が一度手に入れた所有物に異様な執着心を示す。例えそれが登山者のリュックサックだとしても、一度中身を漁り匂いを嗅ぎ、物色したものは全て自分の物(エサ)だと認識し、犬の6倍もの嗅覚でどこまでも追いかけてくる。よって、もし山の中で知らぬ間に自分の荷物をクマに漁られてしまったら、今すぐその荷物は手放すべきだ。仮にそれがお気に入りのジンチェンコのユニフォームだとしても、必ずそうすべきだ。これについては具体例が無いと正直よく分からないと思うので、クマから荷物を取り返してしまった大学生の末路を、以下動画からぜひご確認頂きたい。


【クマと出会ってしまった時の正しい対処法】

ここまでクマの生態と出会った時のNG行動を紹介してきた。100メートルを8秒台で走り、木登りも泳ぎも得意、そんな地球上で最強の身体能力を持つクマから逃げる術はないのだろうか。まず筆者が定評したいのは、「逃げる」という考えを捨てて欲しいということだ。発想の持ち方を「逃げる」ではなく「上手くやり過ごす」にぜひ変えて頂きたい。
もしクマと遭遇してしまった場合にどうするべきか、ズバリ正解はこうだ。↓
「目を逸らさずに、手に持っているものを1つずつ地面に落としながら興味を逸らし、ゆっくりと後ずさりをして少しずつ距離を取る。」

クマを刺激せず、自分と言う存在を少しずつクマの意識から逸らし、最終的には距離を取ってその場からフェードアウトする、これが現在実証されている最も有効な対処法、そう、「逃げる」ではなく「上手くやり過ごす」だ。何度も言うように、クマは基本的には草食で人間をエサと認識していないため、自ら好んで人間を襲う事はまずない。むしろ怖い人間という存在から自分の身を守る為に、仕方なく戦うだけだ。つまり、こちらが敵意が無い事を示しながら、クマを刺激しなければ、襲われることはまずあり得ないのだ。だが人間というもの、そうシナリオ通り冷静にいられるものではなく、実際にクマと遭遇したらパニックになるものだ。その結果襲われてしまうこともあるだろうが、もし本当に襲われてしまった場合の対処法は以下の通りだ。

・クマスプレーを噴射し、応戦する。
・両手で首の後ろを覆い、亀の体制で丸くなって地面に突っ伏す

クマという動物は基本的に「火」を全く恐れない。とてつもなく分厚い脂肪で覆われている為、仮に火に触れてしまったとしてもクマからしてみればかすり傷にすらならないのだ。そこで有効なのが、「クマスプレー」だ。クマスプレーには唐辛子を何十倍も辛くした成分が含まれており、いくら最強のクマとは言えこれを浴びればひとたまりもない。ちなみにこれを人間が浴びると3時間激痛にのたうち回ったのち、失明して終わりだ、最強の武器は諸刃の剣であるため、取り扱いには注意が必要だ。
また、クマに襲われた時にはまず真っ先に人間の急所である「首」と「腹」を守るようにしよう。急所の攻撃さえ逃れれば、赤髪のシャンクスではないが、腕の一本くらい安いものだ、という思考を持って命最優先の行動を取って頂きたい。

基本的にはクマは人間を自ら攻撃することは無いが、以下の2パターンにおいてそれに当てはまらないクマが存在する。

・子連れの母グマ
・人の味を覚えたクマ

まず子連れのクマだが、母は強しとはよく言ったもので、子供を守るためだったら何でもする。時には子グマの盾になるべく大型トラックに突っ込んでいくことすらある。基本的に子育て中の親グマは気が立っているので、充分警戒が必要だ。草むらからかわいい子グマが顔を出した場合、必ずそばには親グマが潜んでいいるため、かわいいからと言って間違っても近づいてはいけない。次に人の味を覚えたクマだが、クマは非常に学習能力が高く、もし一度でも人肉を口にしたことがあったら、間違いなくその味を覚えており、人間をエサとして認識するだろう。人をエサとして認識した場合、ここまで紹介した正しい対処法を試したところで何の意味も無いので、その際は潔く諦めて欲しい。

【おわりに】
いかがだっただろうか。基本的にクマは草食で臆病な動物であるため、人を襲う事はまずない。そのためクマと突発的に遭遇してしまった場合も、慌てず、落ち着いて対処して頂きたい。
最後に、筆者が大好きなクマにまつわる音楽を1曲紹介しよう。旅のお供にぜひ一度聞いてみてはいかがだろうか。トモナリFCの合宿の成功、今後の世界への発展を心から祈っている。それでは行ってみよう、アメリカ西部開拓時代を舞台に、ウエスタンランドからお届けする「ザ・ベアー・ズ・ネセシティ―」

文/No.⑦

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