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もしも面接先が〇〇だったら

※地名や社名など特定できる情報は一切記載しておりません。また、あくまでも個人の体験記です。


 \この記事はこんな方におススメ!/
★転職体験系のいろんな記事が読みたい方
★就活中に特殊なシーンに見舞われたときどんな対応を取ればいいか、他の人のエピソードを覗いてみたい方
★転職活動中で、手あたり次第面接を受けていて、焦っている方
★転職したいけどどうしようかなあと悩んでいる方



7年ほど前の話です。
「よく無事に帰ってこられたね」。
この出来事を当時の恋人に話すと、彼は私にそう言いました。他人事か。
ちなみにこの彼とはマッチングアプリで出会い、付き合って3ヶ月で別れたのですが、それはまた別の話なので割愛します。

貴重な体験

①その求人を見つけたのはハロワでした

一般事務、月給23万円。完全週休二日制、残業なし、福利厚生も充実。
なかなか就職先が決まらなくて焦っていた私は、その求人票を見つけるやいなやプリントアウトして、紹介窓口に持っていきました。

私の地元での月給23万円は、技術職並みの高い給料でした。それが未経験でも応募OK、職務内容もとりわけ難しそうじゃない一般事務となれば見逃す理由もなく。
高いなりに何らかの理由があるのではと思いましたが、取り扱う商材が特殊なものだったので、手続きが煩雑だったりするからかな~とラフに考えていました。新しいものに取り組むことをまったく苦に感じない性分なので不安もなく、とくに深く考えませんでした。

そのまま窓口で相談し、担当の職員さんが会社の担当者に電話をして、サクッと紹介状を発行してもらいました。いたって普通の流れでした。
書類は面接時に持参だったので、面接当日、私はリクルートスーツを着て会社に向かいました。

②なるほどなあ、と思った

面接時間の10分前に会社に到着。そこは、一階が駐車場で、2階3階がオフィスの、トタン板外壁のビルでした。
外階段があり、2階が受付になっている様子。いざ登ろうと思ったときに、ふと、駐車場に止まっている車が目に入りました。

たしか3台ほど止まっていたのですが、3台とも黒い高級車でした。
車にまったく明るくない私が「わあ、高級車だ」って分かる高級車。ワ〇ゲンとかだったと思います。つやつやして圧巻でした。

そこで私は疑問に思いました。
社長さんの車かな。でも何で3台もあるんだろう。
私の中で高級車は社長が乗るものと思っていたので、3台もあるのは不思議でした。

この時点で何となく嫌な予感がしたのですが、2階から一人の女性が下りてきて、「面接の〇〇さんですか?」と尋ねてこられました。
とても感じのいい女性で、私は反射的に「はい!」と元気に返事をしていました。

女性はちょっと困ったように笑って「えっと」と何かを言いかけました。
すると、今度は作業服を着た男性が下りてきて、「面接の方ですか? どうぞ」とにこやかに声をかけられました。爽やかな風体の、背の高い若い男性でした。

私は黙った女性に先導され階段を登りました。
そうしてお邪魔したオフィスを見て「わあ……」と思いました。
革張りの大きなソファに、銀色に光る立派な灰皿スタンド。オフィスの奥にはゴルフクラブが何本も収められたケースがありました。

デスクの島があり、出入り口に一番近い下座に座っていたスキンヘッドの男性はサングラスをかけていました。
「所長の〇〇です。座って」
促され、ソファに腰掛けた私は、面接に挑みました。

③いざ面接

それから面接官2人と私の3人で就職面接をしたのですが、話の内容や雰囲気は至って普通で、雰囲気も穏やかなものでした。
なんなら話の流れで「将来は小説家になりたくて~」という話題を出したりもしましたし、「へえ、すごいね」「好きな作家とかいるの?」と興味深そうに話を聞いてくださりました。ほぼ世間話でした。
ただ、所長さんが面接中に突然目の前でタバコを吸い始めたときは「おお……」と思いました。

面接は一時間くらいで終わり、特に何事もなく、私はその会社を後にしました。話が弾み、業務や雇用条件の詳しいところまで教えていただき、いつから勤務可能かなども尋ねられたので、このまま採用になりそうだなと思いました。

翌日まで待って、「昨日面接のお時間をいただいた者です。ちょうど他の会社から内定の連絡をいただいたので、申し訳ありませんが選考を辞退させてください」と連絡をしました。特に何かを言われることもなく、「分かりました、新しいところで頑張ってね」と言われました。

その後、引っ越しをすることになったのですが、念のため不動産会社が違うところで家を契約し、転居しました。
この出来事を、地元歴の長い恋人に話すと、「ああ、あそこか。よく無事に帰ってこれたね」という回答をもらったのでした。
私の懸念は間違いではなかったようで、肝が冷えました。

こういう場面に遭遇したとき、どう対応すればいいか

扱う商材のことをもっと詳しく知っていたら、あらかじめ「ああ、この会社は申し込まないほうがいいかも」と気づいたかもしれません。
私も「こんなに条件のいい求人がまだ残ってるんだ?」と疑問には思ったのですが、とにかく早めに就職先を決めたかったし、お給料が魅力的だったので思い切って一歩踏み出した感じです。焦っていたのです。


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