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これがほしいのだ!と言う

ねぇ、ともちゃん??

あのさぁ?

〇〇買ってよぅ〜!



小学4年生の少年、Yくんにおねだりをされた。


小学生になってからは恥ずかし心で
”ともちゃん”などとは呼んでもらえず笑
(※ともちゃんは私のことです)

最近じゃ「おい!」とか「ねえ!」とかだったのに。

ここに来ての”ともちゃん”

はううううううーーーーーーー!!!!

非常に戦略的だ。

おぬし、わかっているな?


助手席に彼を乗せ運転していたおばちゃんは
完全に前方不注意。

思わず左を向いたよ。


だってさー、かわいいんだもん。

ずーっと。


まだ赤ちゃんだった頃のムチムチでふわふわな香り

よちよち歩きだった頃の抱っこをせがむ姿

キャッキャ言いながら1人で滑り台を滑った時の笑顔

みんなに内緒で2人きりでサッカーをしに行ったひと時

実は今もまだ暗いところが怖くて手を繋いぎたい一面


そんなYくんに、そんなお願いされたらさあ...

もう!!!


私「なに?何買って欲しいの?」

Y「えー?〇〇!!今めっちゃハマっててさあ!」

私「へー!え、で、なにそれ?聞いたことはあるけど。」

Y「はあ?知らないの?〇〇だよ。買って♡♡♡」

私「Yはなんでそれが好きなの?」

Y「え?好きだから!」

私「だからなんで好きなの?魅力は?
私が買ってあげたくてたまらなくなるプレゼンしてよ。」

Y「えー、んっとねー、えー?」



ここからがすごくおもしろかった。

なぜ好きか。


別に好きな遊びに理由なんて無くてもいいんだけど。

彼の話す〇〇の魅力についての話は
〇〇を知らない私にもちゃんと楽しむ光景が浮かんだ。

まだハマりはじめて数ヶ月の活動の中に
様々なドラマがあるのもおもしろかった。

そのくらい、注いでいるのだろう。


〇〇は大の大人でも(正確には大の大人の方が)
しっかりハマる趣味で
小学生でこの趣きを知っているってすごいと思った。

かなりクリエイティブでその作品の中には
作り手の考えた個性やストーリーもしっかりあって
ともちゃんの買ってあげたい度は80%になった。


彼には諸事情があり
冬休みまでYouTubeやゲームが出来ないため
(自業自得なのだが笑)
本格的にハマれるこの〇〇という趣味は
僕に今必要不可欠なのである!とも話していた。


たしかに笑
まだ夏休みもあるしね。先は長いぞ。


いい感じにプレゼンが進む中
ママからの悪ガキ衝撃告白を受けて
買ってあげたい度は一気に40%まで下がったが

Yくんの必死の説得と追い上げの中で
謎の”舞い”が出て来た。

よくわからない言葉を唱え音頭を取りつつ
全身で踊ってくれる。

「チョイナ!チョイナ!」
(昭和感が非常に強かった笑)

もはや”〇〇の魅力について”を超えた。

舞いをプレゼントするって素敵過ぎた。
意味などない。
理屈じゃない。

何に役立つわけでもないけど
究極にかわいいし、癒しだし

あと数年もしたらいよいよ舞ってもくれなくなる。

とっても貴重で、世界で唯一無二の踊りだ。

めっちゃなまもの。



「よし!じゃあどれがいいのか教えてよ!」


ということで欲しい品を教えてもらったのだが。

もう廃盤で新品なんて以ての外。
値上がりしまくってる高級な品だった。
0の数!笑


おおい、しっかりちゃっかりしてんな!

これ舞って買えるんなら、みんな舞うぜ?


私はもちろん、各方面に反対されて却下が決定。
(かわいそうに笑)

素晴らしい趣味だということはとても伝わったし
Yの表現やアイデアたちもとても素晴らしい。

欲しいものをストレートにオーダーする所も好き。

リスペクトしてる。

そしてなんとも人間くさくて愛おしい。

(もう少しお求めやすいやつを買おうね。)



日々の創意工夫や創造性は
やあらかい、素直で、ピュアな心から
どんどこ湧いてくるんだ。


急に舞ってどう思われるかとか(他者の目)
お兄ちゃんなんだからとか(役割立場)
高級で中々手に入らないからとか(お金)
そうゆうの全部関係なく

自分の心の中にあるものをちゃんと出して
頭も体も駆使して手に入れるための努力ができるって
100%自分のことを愛し切っていて
とってもいいなと学びました。


望む結果が得られるか確信がなくても
叶えようとやり切ってる。


そもそも私たちは一度や二度で
望むものがすぐ手に入ると思い込んでるのかもしれぬ。

あと失敗はいけないとも勘違いしているかも。

こんなに便利でファストで手軽な世の中に
あたりまえに慣れてしまっているから。

手間ならこっちでいいや、というように
手に入りやすいかどうかで判断していたりもする。


もちろんそれだって1つの選択だけど
本当はあれがよかったんだよな、と
思ってしまうのは
勝手に自分で本音を引き下げたことへの
後悔なのかもしれない。

それも決して悪いことではないと思う。
(個人的には好き)
それもドラマでよきなのだ。

ただ、いつだって心がときめくものを
本当に自分の心が求めているものを
迷ったり間違えたりしながらも軌道修正して
大切を大切にできる人でいたい。

きっと誰もが心のどこかで
必ずそう思っている気がする。

大人は色々と聞き分けがよすぎるんだ。


自分の本音くらい
自分だけでも見逃さないでいたい。

直感は大概当たってるから封じ込めず信じたらいい。

そして自分の望みは
どんなに小さくても叶えてあげたい。


他人の力を借りるのだって立派な能力だ。
猫の手も借りたきゃ借りたらいいし
おねだりもいいアイデアだよね。

もちろんリレーションありきだけど。

自分にそれだけ夢中で注げたら
きっと目の前の人にも自然に注げると思う。
自分を尊重してたら相手も尊重したくなる。

そうゆう連鎖が起こる社会、いいなあ。

Yくんもしかり、子どもはそのあたり
本当にナチュラルで素晴らしい。
シンプルで素直。


しかしもさあ!

かわいいはずるいよぅ。

なんなの?武器だよぉ。
正義ですわ。

もう!脇見運転で事故しなくてよかった。


Y、せっかく私に盛大にプレゼンしたのに
一番欲しいものは却下されたから
またしばらく名前呼んでくれないかな...笑

今度は私が舞おうかね。

うざがられても関係ないのだ!!

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