2021.03.31 休学生始めます。
休学。
まさか自分がするなんて思ってなかった。
これまでの人生そこそこ順調にやってきたと思ってたし、これからもそうだろうと思っていたから。
でも逃げた。自分の中には逃げることしか選択肢になかった。この半年間、しんどかったから。毎日現実逃避していた。
逃げ癖のある自分ではあるが、ここまで明確に逃げたのは人生でたぶん初めてだと思う。
自分の能力と求められるレベルの乖離。この一年、自分が今ここにいるのはとてつもなく運が良かったんだということを嫌というほど実感した。
設計を進めねばという焦りと全く設計に手がつかないことへの怒り。そして周囲から置いていかれる現実。毎日悪夢を見ていた。高校の顧問に怒られる夢を。自分にとって高校の部活はそこそこ嫌な記憶らしい。
寝ても起きても得体の知れない恐怖に勝手に襲われていた。それが圧倒的自業自得っていうのが面白い。
なぜ設計に手がつかなかったのか、自分でも未だにわかっていない。ただ、当時は本当にやりたくなかった。進まないというより進めることを放棄した感じ。
最後のスタジオなんてエスキス一回しか出てないし。最終講評に提出できただけ偉いって自分に言い聞かせてみたけど、そこで戦っている時点でもう負け確なのは明らか。
最終講評はもはやボコボコに言われることすらなかった。それどころかみんなの前でカウンセリングらしきものまで始まる始末。俗に言う人間エスキスってやつ。
そこまでくると逆に楽しくなってきて、明らかに評価最下位なのにずっとzoomでニヤニヤしていた。愉快かよ。
こんな奴が将来建築をやりたいなんて言ってて笑えてくる。
先生方は休学をすごいポジティブに捉えてくれた。なんなら君の前向きはみんなに評価されていますみたいなメールまで来た。わけがわからん。
自分は明らかにネガティブな理由で休学を選んだ。どこにポジティブ要素があったかを教えてほしい。
休学して他にしたいことがあった訳じゃない。別に留学するつもりもないし、起業するつもりもない。ましてボランティアなんてする訳ない。人のために動けるほど人間できちゃいないから。
あるとすれば”勉学”を”休みたい”。その一点のみ。自分を守ることに必死だった。
ここまでが休学を決めるまでの気持ち。
でここからは休学を決めてから現時点までの気持ちの変化とこれからのお話。
さっき書いた通り基準がそこでは話にならないが、でも最後踏ん張ってちゃんと提出できたことは自分の中では評価ポイント。そこだけはやるやん俺って思った。学科の同期には死ぬほど助けてもらったけど。
そこで踏ん張れたのは休学を決心したから以外の何物でもない。休学を決めていなかったらたぶん出せなかったと思う。
休学する上で東京に住む高校の同期にはほぼ毎日電話していたが、親には全く相談しなかった。親には休学願を提出してから報告しただけ。
経験上、自分の親は迷惑をかけない限り自分の考えを認めてくれるって思っていた。
案の定認めてくれたけど、報告するときはさすがに緊張した。人生で初めて親と面と向かって話したと思う。休学願が提出済みであることを報告したら笑っていた。親子揃って愉快なのかもしれない。
休学が決まってからとりあえずは気持ちが軽くなった。近い将来や遠い将来のことをとりあえず考えなくて済んだから。
休学願を出したのが1月末。そこから1ヶ月くらいは開放感に溢れ、何をやっていても楽しかった。研究室配属もないのに助教と仲良くなったり、コネで建築事務所の方に遊びに行ったり、練習も捗ったり。とにかく気分が良かった。
その後少しずつ休学をすることを周囲の人間に報告してみた。あんまり言うつもりもなかったけど、来年の話とかされて誤魔化すのが鬱陶しかったから。
そこではめんどくさかったから「勉強するのが疲れたから休学する」って伝えていた。いろいろ端折ってるけど嘘はついていない。
まあ当然「そんな単純な理由でw」とか「そんな不純な理由で親は許すの?w」みたいな反応が返ってくる。平静を装って適当に返事していたが、内心カチンときていた。
明らかにお門違いなのは分かってはいるけど、お前に言われたくはないってどうしても思ってしまう。
ではなぜ怒りを感じるのか。自分なりに理由を探してみた。結論としては少し気分的に楽になった結果、自分の中で休学せずにそのまま進学してもよかったんじゃないのかってどこかで感じているからだと思う。
正直、衝動的なものはあった。それくらいメンタルがやられていたんだと思う。とりあえず休もうってことしか考えていなかった。
ただ現時点で休学は決定していて、それが覆ることはない。覆したいとはそんなに思ってないけど。
その現状があった上で、今自分がすべきことは一年後に休学したことを胸を張って言えるようになることしかない。なんで休学したのって聞かれて答えた時に怒らなくて済むように。
この2ヶ月、まだ何をしたって言えることはあんまりないけど、将来自分の息子、娘になんで休学したのって聞かれたときに堂々と答えられるようにしておくべきだとは感じる。これがこの一年の目標。
世の中何事も為せば成るし、為さねば成らない。成らないってことは為していないってこと。すっごい単純。上杉鷹山良いこと言う。
ただし目標だけ追っててもどこかで折れるから、理想と現実を毎日照らし合わせながら生きていく。頑張らずにサボらない。そのためのこの日記。
休学事由
設計に対するエネルギーを回復させたい。
いろいろ考えた結果、要約するとこれに帰着した。ふざけた感じの文言だけど、嘘ではないと思ってる。
ただ、別に回復しなくてもいい。1年間休んでその結果なのであればそれはもうしょうがないから。
それも含め1年後自分がどうに変化しているのか、不安もあるが楽しみでもある。
どんな結果であれ1年後笑っていられるように。
2021.03.31
最後に後輩諸君へ
今年は奨学金もないし家賃も自分持ちになったので、おじさんにはお金がありません。奢ってあげられる機会が減ってしまうと思います。ごめんなさい。
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