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介護保険サービスの種類

こんにちは、ともみです。

これから様々な介護現場で起きている問題点などを記事にしていこうと考えていますが、最初に介護保険サービスや高齢者施設の種類について触れていこうと思います。
今回の記事では介護保険サービスについて扱います。

皆さんは介護保険サービスと聞いてどんな内容を想像しますか?
高齢者施設と聞いてどんな施設を想像しますか?

高齢者施設に関してはざっくりと老人ホームを想像されるのではないでしょうか。
しかし、介護保険サービスとなると想像しにくいと思います。

老人ホームで行われている事が介護保険サービスなのではないか?と漠然と想像できるかもしれません。
その想像は概ね正しいのですが、そこには老人ホームの費用とは別に介護保険サービスの費用が発生する事がある点まで想像できるでしょうか?


では初めに介護保険サービスについて触れていきましょう。
介護保険サービスは要介護・支援状態にある「65歳以上の高齢者」と「40歳から64歳までの医療保険加入者で特定疾患の患者」が、介護保険料と国・自治体からの財源によって、一定割合に応じた自己負担で受けられる介護サービスです。
自己負担割合は、収入に応じて1割~3割負担に変動します。

介護保険サービスにはさまざまな種類がありますが、大きく分けて三種類「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」というサービスの種類に分かれます。

●居宅サービス
居宅サービスは要介護・要支援利用者(以下、利用者)が在宅のままで受けられる介護サービスです。自宅に訪問してもらうサービス、送迎を利用して施設へ通所するサービス、短期間の施設入所を併用するサービス、そして福祉用具や住宅の改修などのサービスと多岐にわたります。
では、訪問型のサービスからチェックしてみましょう。

・訪問介護
利用者が自宅にて食事、入浴、排泄などの身体的な介護や、買い物や掃除、洗濯などの生活援助を受けられます。
ただし家事手伝いのサービスではない為、原則利用者へのサービス提供に限定され、生活援助に関しては日常的な範囲の支援しか受けられません。
訪問型のサービスは利用者への支援が原則で、同居人へのサービスは行えない点に注意しましょう。

・訪問看護
利用者が自宅にて医師の指示に基づく医療処置、医療機器の管理、床ずれ予防や処置などを受けられます。

・訪問リハビリテーション
利用者が自宅にて身体機能の維持や改善を目的としたリハビリテーションの指導や支援を受けられます。

・居宅療養管理指導
利用者が自宅にて療養上の管理、指導、助言などを受けられます。 

他にも移動式の浴槽を利用した訪問入浴介護などのサービスもありますが、訪問型のサービスは上記の4点がメジャーだと思われます。


次に通所サービスをチェックしてみましょう。

・通所介護
一般的にデイサービスの名前で呼ばれる事が多いサービスです。
施設スタッフによる送迎により、自宅から施設へと通い、食事、入浴、機能訓練などを受け、日常生活の維持や向上を目的としたサービスを受けられます。
朝から夕方までの1日を過ごすことも出来れば、目的を絞って半日だけの利用にする事も可能で、柔軟な支援を受けられます。

・通所リハビリテーション
通所介護と似ているのですが、介護老人保健施設や医療施設にて食事、入浴などの日常生活の支援の他、生活向上の為のリハビリテーションを目的としたサービスを受けられます。

通所サービスの最大の利点は訪問サービスでは提供時間が短時間である事が多い事に対して、通所時間帯全てでサービスを受けられる点や他者との交流が持てる点にあります。
こう書いてしまうと訪問サービスの利点が薄れてしまいますが、訪問サービスは在宅のまま受けられる為、訪問時間以外は利用者が自由に過ごせる利点が大きいです。
つまり、在宅での時間を趣味などで過ごす事などでメリハリのある生活を送る事が可能であれば、訪問サービスでスポットのサービスを受ける事で済ませ、在宅での時間を持て余す場合には通所サービスでメリハリのある生活を送るといった使い分けを行う事が大切となります。


次は短期入所サービスについて見てみましょう。
・短期入所生活介護
介護老人福祉施設などに短期間入所して、日常生活上の支援や機能訓練などを受けられます。一般的にショートステイと呼ばれる事が多いです。

・短期入所療養介護
上記と似ていますが、こちらは医学的な管理の下で医療上のケアを含む日常生活上の支援などを受けられます。

よくある利用方法としては利用者同居のご家族の都合などにより、在宅で家族が介護に関われない期間を利用者にはショートステイで施設にて過ごすといった形が多いのではないでしょうか。
療養介護の場合は療養が主目的となります。


次に福祉用具や住宅改修についてですが、こちらは在宅生活を送る上で必要となる福祉用具(福祉用具として専門に作られた杖やシルバーカー、車椅子、介護ベッドなど)のレンタルや自宅に手すりの追加等の改修費などに介護保険が利用できるサービスとなります。


●施設サービス
施設サービスは「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「介護医療院」に入所した要介護利用者に対して提供されるサービスです。

特別養護老人ホームでは主に食事・排泄・入浴などのサービスを受けられます。
介護老人保健施設や介護療養型医療施設、介護医療院では、医学管理下における介護やリハビリ、療養上の管理や看護などのサービスも食事、排泄、入浴の他に同時に受けられます。

特別養護老人ホームは入所待機期間が長い等も問題もありますが、費用面では後述の施設と比較すると少額で抑えられるメリットがあります。

上記とは別の施設として、介護サービス付き有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、軽費老人ホームなどといった施設がありますが、こちらは家賃、食費、介護保険サービスなどの費用がそれぞれ個別に発生する場合が多く、費用面の負担が大きい点が問題となりますが、特別養護老人ホームと比べると入所条件が緩い事が多く、待機期間なしで入所が可能な事が多い点はメリットとなります。


●地域密着型サービス
地域密着型サービスは利用者が身近な地域で生活し続けられるように、事業所のある市町村の要介護者・要支援者に提供されるサービスです。
訪問・通所・短期入所によるサービス、認知症の方向けのサービス、特定施設や介護保険施設におけるサービスなどが提供されています。

訪問・通所型サービスは居宅サービスの訪問介護、通所介護との違いが分かりにくいですが、こちらは大きく分けて三つになります。
・小規模多機能型居宅介護
一つの拠点で訪問・通所・短期入所の全サービスを提供しています。

・夜間対応型訪問介護
夜間の定期的な訪問や緊急時の随時訪問による介護のサービスを受けられます。

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
日中・夜間を通じて1日複数回の定期訪問と緊急時の随時訪問による介護と看護を一体で受けられます。


認知症対応型サービスは二つに分かれます。
・認知症対応型通所介護
施設に通ってきた認知症の方が、食事や排せつの介護、リハビリやレクリエーションなどを受けられます。

・認知症対応型共同生活介護
グループホームでの見守りや生活援助、リハビリやレクリエーションなどを受けられます。

施設・特定施設型サービスは二つに分かれます。
・地域密着型特定施設入居者生活介護
利用人数29人以下の、介護付き有料老人ホームやケアハウス、サービス付き高齢者向け住宅などで食事や入浴、見守りなどの生活支援や機能訓練を受けられます。

・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)
利用人数29人以下の特別養護老人ホームで食事や入浴、排泄の介助。機能訓練や療養上の生活支援を受けられます。


ざっくりとした説明で、居宅サービスと地域密着型サービスの違いが分かりにくいと思います。
ここで、居宅サービスと地域密着型のサービスの違いに触れておきましょう。

●居宅サービス
・サービス内容
主に自宅に住む利用者が訪問介護や通所介護などのサービスを受けられます。
・事業所とご利用時の「居住地域」
利用者の住む市町村が事業所のある市町村と異なっていても利用できるメリットがあります。
・サービス事業所の指定・監督
都道府県

●地域密着型サービス
・サービス内容
自宅に住む利用者が利用するサービスもあれば、施設へ入所するサービスもあり、柔軟な対応を受けやすいメリットがあります。
・事業所とご利用時の「居住地域」
原則として事業所のある市町村内に住む利用者でなければ利用できません。
・サービス事業所の指定・監督
市町村

実際にはもっと細かくサービスが分かれるのですが、大雑把に触れていっても上記のような内容となってしまう程に複雑な介護保険サービス。

本当ならサービスを受ける前に細かく把握しておくと良いのですが、独居の高齢者が初めてサービスを受ける事もあり、複雑な仕組みを理解した上でサービスを受ける事は困難だと思います。

介護保険サービスを受けるには大前提として要介護・要支援認定を受けている必要がある為、認定を受けていない場合はまずは市区町村に問い合わせてみましょう。
次に要介護認定を受けている場合には居宅介護支援事業者に、要支援認定の場合には地域包括支援センターに相談し、必要な介護保険サービスのプラン作成を行なってもらいましょう。
この時点で適切なサービスを割り振ってもらえる為、先述の居宅サービスと地域密着型サービスの違い等の複雑な部分も任せてしまうと良いと思います。

断言します。
訪問介護事業所、通所介護事業所のスタッフが、自ら勤務する事業所が居宅サービスを提供する事業所なのか、地域密着型サービスを提供する事業所なのかといった点は把握していても、ではその違いは何なのか?と問うと明確な答えが得られない事も少なくないです。

しかし安心してください。現場の介護スタッフに求められるのは第一に介護技術だと思います。技術がしっかりしていれば制度の事は事業所管理者やケアマネジャーに任せておいても大丈夫です。
ただし、このnoteでメインに扱っていこうと考えている闇の部分に片足を突っ込んだ事業所やケアマネジャーに任せる事は非常に危険です。
今後はどういった事業所やケアマネジャーが危ないのか?
そういった部分にも触れていきます。

今回は介護保険サービスの種類について触れていきました。
今後も情報発信を行なっていきますので、これからもよろしくお願いいたします。

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