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「食べる」・・姉の手作り「マ〜カオなんちゃら蒸しパン」から。

この日は、姉が、無性に欲しがっていた、「いぶりがっこ」を見つけたぞと、メールしたら、「欲しい、欲しい!!」と。「いくら、探しても見つからないから・・」

だから、そいつを貢ぐためだけに実家へ帰った。

もちろん、竹林に囲まれた家だから、北は、孟宗竹軍団、東は、黒竹軍団が徐々に押し寄せてきているので、黒竹のツンツンと、破竹もどきの竹の子の伸びたものを切り取る作業は、自然と手が動く。

この日は、前回キレた私の予防線として、オババさんこと母の妹、つまりは、オバを呼び寄せ、午前中に、車で現れた。

前後に、姉が、手作りの、得体の知れない「マ〜なんたら」という蒸しパンを作ったというので、差し入れに。その時に、貢物を渡す。

この日は、天気がよく、早朝から、夕方まで、アミノバイタルを服用して、石楠花の手入れ、花柄取りをきちんとやっておくと、来年また大きな蕾をつけるようだ。その作業。木香薔薇の剪定、後は草引き。


夕飯時に、姉に、「なんかいつも変わったものをよく作るね・・感心するよ」
「マーなんたら、って一体何?」
「台湾風の蒸しパン、レシピ見ながら」

「なんで、そんなに料理に凝るの?」

「自分が食べたいから、食べたい一心で、ある物で、ちゃっちゃんと作ってしまうわけ」

「なるほど、食べる意欲の問題ね!」

「おお〜さすが、前向きさん!!」


と、言いながらも、心の片隅では、あるホームレスのことを思い出す。

結婚初期のたたずまいは、古い公団で、そこのゴミ捨て場に、左上腕にタトゥーを入れた、ある男性ホームレスが、やってきて、ゴソゴソと、ゴミをあさり、おまけに食べ物を見つけると、ボリボリとやっている姿を見たこと。

それも、「食べる」

「生きるために食べる」

通院している医者のあるビルの1階のテナントで、「豚山ラーメン」というお店。ランチ時には、列ができ、カウンター席には、客人が座り、ラーメンすすり、丼を持ち上げ、最後のスープをすする姿も、「食べる」の圧巻だ。

「豚山ラーメン」がおいしいかどうか知らない。


姉の、ある物で、毎日毎日か、気が向いたらなのか、なんでもレシピを見ながら、目新しいレシピで作り出しては、「食べる」

「食べる」ために、「作る」

「生きる」ために「食べる」


まとまりが悪いが、ホームレスの「食べる」パリパリ音と、姉の「食べたいから作る」が、リンクしてしまって、なんだか変な気分になるが、今更ながら姉って、本当に身近なところで、楽しみを見つけて、後ろは振り向かない、絶えず前を向いて。

悟った。単純に、「馬に人参」いや、「ネズミに人参」のような人だと。






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