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LED発展の歴史をマニアックに語っていく
今じゃ、照明はLEDなのが一般的だが、
そうなったのはここ10年ちょっとの話である。
1.10年前、誕生した当初のLED
10年前、私がパナソニックのショールームで働いていた頃は、
・白熱灯
・蛍光灯
・LED
の3種類から選ぶ必要があった。
白熱灯のダウンライトが3,000円くらい、
蛍光灯は5,000円くらい、
LEDにおいては30,000円であった!
(今は3,000円!)
当時お客様にお話していたことは、
・白熱灯は消費電力が高く、電球も早く切れるが、光の見え方がきれい。
・蛍光灯は消費電力も抑えめで、電球の寿命が比較的長いが、100%の明るさになるのに時間がかかる。
・LEDは消費電力も少なく電球も10年以上切れないが、なんせ高い。高すぎる。
そう。
それぞれメリット・デメリットがあり、
「これがおすすめ!」と言える商品がなかった。
今は、LEDの値段が3,000円ほどまで下がったので、おすすめはLEDだと言い切れる。
デメリットを克服したからこそ、LEDはここまで普及したのだ。
企業努力に頭が下がるばかりだ。
2.青色発光ダイオードの登場
LEDが一般住宅に使われるような商品になったのは、2014年のノーベル賞「青色発光ダイオード」の登場からだ。
それまで、LEDは赤と緑しかなかった。
(だから信号には使われていた。)
色には「色の三原色」というのがある。
赤✕緑✕青
この3色を掛け合わせれば、すべての色が再現できる。
この「青」が欠けていたのだ。
だから、色々な色を作ることができず、実用化できなかったのだ。
青ができたことにより、
住宅に使うようなオレンジ色や白色のLEDライトが作れるようになったのだ。
3.まだ発展途上だったLEDダウンライト
しかし、発売された当初のLEDダウンライトは制度の低いものだったように思う。
6粒の光源が見えるようなダウンライトだったのだ。
これが、いかにもまぶしい。
しかも、影が多重に見えるというデメリットもあった。
今は拡散パネルが付き、光源は優しく光るようになり、影も多重にならない。
当時、影のでき方をお客様に見せると、
「これは嫌だ」と言われ「ですよね」という感じだった。
さらに、
現在は「調光調色」というのも当たり前の機能になっているが、当時はなかった。
電球色と昼白色しかなかった。
今、人気のある温白色もなかった。
リビングの光の色を選択しなければならず、夫婦で意見が割れて険悪になることもしばしばで、私はたじたじだった。
ちなみにショールームでは、
月に3件新商品の案を提出しなければならず、
私はそこで「光の色を変えられるダウンライトを出してくれ」と要望したことがある。
すごいでしょ?笑
4.進化途中の紆余曲折
ちなみに、LEDはパワーのあるものを作るのも大変で、ダウンライトよりも後にシーリングライトが出た気がする。
シーリングライトもLEDになることによって、
・器具が薄くすっきりした
・ランプのシルエットが見えず美しくなった
という点が進化した。
実はLEDシーリングより前に、
パナソニックはスパイラルパルックという、
謎の渦巻状の蛍光灯シーリングライトがあった。
これも企業努力の過程で、
ランプシルエットは見えないが、器具の厚みがぽってりと分厚いという進化過程の商品だった。
10年後の現在、ランプの価格は7000円くらいと高いので、それならLEDシーリングに買い替えるだろうなと思ったりする。
「10年後ランプ売ってますかね?」と聞かれたものだが、「知るわけないだろ」というのが本音だったが、「一応ある」というのが正解だった。
5.LED電球
LED電球も、
発売当初はとても大きく発光面が小さかったのに、現在はコンパクトになり発光面も大きくなり、使えるようになってきた。
発売当初「LEDランプ適合表」というのがあって、LED電球に取替えても問題ないかどうか書いてあったのだが、ほとんどの商品に使えなかった。
大きさが大きすぎて入らないとか、発光面が小さすぎて綺麗に配光されないとか。
「どこに使うために作った商品なの?」という疑問が消えなかった。
LED照明は進化を続けていて、
現在では無線で制御し、Alexaなどの音声スピーカーでの操作すらできる。
照明のスイッチは各部屋にいらなくなるのではないか。
(分電盤みたいにまとめられると思う。)
これからはどんな進化を遂げていくのだろうか。
照明器具メーカー、LEDメーカーの企業努力は本当にすごいと思う。
今後がとても楽しみです。
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