見出し画像

大好きだったFちゃん


これは私が大好きだった患者さんとの写真。

もう亡くなってしまったけど

私の宝物。


このおばあちゃんとのお話をひとつ。


おばあちゃんをFちゃんにしておきます。

ご本人がFちゃんと呼んでもいいと言っていたので

Fちゃんと呼んでいた。


90代後半、独居、子どもなし

ずっと商売をしてきて一人で暮らしていたが

人の世話ばかりしていて気づいたら

自分の世話もままならなくって施設に入所。


認知症状も年相応程度しかなく

かなりのご高齢のわりにしっかりしていた。

入所時は歩行もできていたが

転倒し大腿骨転子部骨折

手術はしないということで保存的治療となり

寝たきりの生活になった。


それでも相変わらずの冗談や

面白い話をしてくれるおばあちゃんだった。


私はFちゃんと同じ町内に住んでいて(偶然)

6丁目だったことから「6丁目」と呼ばれていた。


まだまだFちゃんが元気だったころに

100歳まで生きないとね!

と話していたことがあって

その時の会話

私:100歳であの世に行ったら6丁目の事ちゃんと見守っててね!

F:わかった

私:あともう一つお願いがあるんだけど

F:なに?

私:あの世に行ってからさ、私に宝くじ当たるようにあの世で訓練受けといて!

F:わかった(笑)できっかな?

私:できるように頼むよ! !100歳まで忘れずにね!宝くじ当たったらFちゃんのお墓立てるから!

F:わかった。


その後会うたびに

私:約束覚えてる?

F:6丁目見てろってことだろ?

私:そう。あともう一つは?

F:あれだろあれ!宝くじ・・・

と言って大笑いする。


こんな会話をしていたのでした。

100歳まで頑張れなかったけど

私はこの写真を見て

仕事を頑張ろうと思えたり

当時を懐かしく思ったり

時々会いたくなってしまうこともあるけど

きっと約束忘れてないだろうから

私を見ていてくれてるんだろうなと思ってる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?