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AIにキャラ付けすることの難しさ

GPT3の登場以来、AIキャラが活況になり、Character.aiやAITuberなど様々なAIキャラ文化が発展しつつある。
音声で会話できるようにwhisperとvoicevoxを組み合わせたり、3Dモデルを使って見た目や動きを出したりと色々な技術がAIキャラには使われているが、会話部分は何らかのLLMを用いるのが主流だ。
システムプロンプトでキャラ付けし、それにあった応答をさせることでキャラを作っている。
語尾はにゃんで、性格は明るくて、こういうときはこうしてああして、と言えば割と簡単にAIキャラができる。
「私○○!よろしくにゃん!」という一昔前のアニメにありそうなキャラもすぐできる。
けれども、作ってみればわかるが、そのAIキャラには深みがない。
2023年9月現在まともな会話が成り立つレベルのLLMは倫理的に調整されていて、そのLLMをベースにしたキャラは感情も欲求もなく、こちらに質問してくることもない。
勿論これまでのルールベースのAIとは比較にならないレベルで自由度の高い会話ができるが、その会話は往々にしてつまらない。
1日、2日、話して終わりだ。
そこで会話を面白くしようと様々な方法を考えることになる。
背景設定を考えたり、擬似的な感情を持たせたり、こちらに質問をしてくるようにしたり、プロンプトを作り込む。
私りんごが好き、とか、虫は嫌い、とかそういうことを言い始めると、少しは個性が出て話してて楽しくなる。
しかし、僕はこれに少し違和感がある。
そもそも元のLLMには感情がなく、いつどこででも生きとし生けるものに満遍なく優しい。
神のような存在だ。
そのLLMにりんごは好きで虫は嫌いと言わせたり、悲しみや怒りを感じさせたりするのは、その神を引きずり下ろすような行為に感じてしまう。
となると、感情や好悪はないが話してて楽しいキャラを作らないといけないのだが、これが難しい。
恐らくその辺りが人間の個性に繋がっているのだろう。


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