私的ベスト・ミュージック10枚(2020年10月編) by 高橋アフィ

年間ベストまとめ始めているんですが、今年は名作多過ぎて無理じゃないでしょうか…(毎年言っていますが)

Freedom Exercise / Josh Johnson

LA拠点のアルトサックス/キーボード奏者。Jeff ParkerやMakaya McCraven、Jeremy Cunningham、キーボードとしてChicago Underground Quartetなどに参加しているプレイヤーの初のリーダー作です。
クールな仄暗さというか、基本ギターで和音を支えるからであろう絶妙な浮遊感がかっこ良いですね。音響派〜ポストロック的な雰囲気ありつつも、サックスやシンセの音色を中心としたまろやかさ(ダウナーなチルっぷりというか)がモダンで良かったです。

Modern Desires / James Tillman

ブルックリン極点のフォーキー・ソウルなシンガー。ネトフリの『親愛なる白人様』に曲が採用されたりしているらしいです。
フォークの系譜を感じるアコースティックなサウンドと内省的な世界観、そしてソウルミュージックな歌心(マーヴィン・ゲイ好きとのこと)が素晴らしく、さらに今回はフォーク→宅録→エクスペリメンタルなヒップホップと繋がりそうな作品でした。
この融合具合はどこか親しみあるなと思ったら、ファレル・ウィリアムが近いかもしません。特にアルバム後半はミクスチャーな音楽性と内省的なメロ/世界観という感じがまさにでした。

Bass Tone Paintings / The Growth Eternal

ベーシスト/シンガーによるサイケデリック・ジャズ〜エクスペリメンタルR&B。2分も満たない曲が17つ並ぶアルバムで、ベースで和音を弾く音色の気持ち良さとデジタルな声の居心地の悪い気持ち悪さが最高です。ポップなんだけれどがっつりヘンテコ。短さも味が濃いまま終わる感じで良かったです。

Agüita / Gabriel Garzón-Montano

前は内省的なシンガーという印象だったのですが、本作のリード曲はゴリゴリのトラップ。その幅広さがネガティブかというとそんなこと無く、丁寧に作られたソウルから不穏なR&B〜トラップやレゲトンを声色まで変えて歌い上げつつ、共通のメランコリーも感じられ、一つの感情へ多方面から迫っていくようなアルバムとして聞き応えがありました。
など言いつつ、"Someone"のあまりの名曲っぷりですね…。必聴。

Familiar Future / Dougie Stu

Brijeanでの活動も有名なベーシスト/マルチ奏者/プロデューサーのソロ作。ハウス系なBrijeanと違い、こちらは全編生演奏。現代ジャズのフィーリングとクラブカルチャー的なビート感(ダウンテンポとか)が混ざった作品で面白かったです。
注目はJeff Parkerですね!リード楽器としての配置されつつ、繊細さを見せつける演奏!

Moon Piano / Laraaji

Laraajiピアノ三部作の2作目。ほかの作品に比べると内省的な世界観で良かったです。音はクリアで滅茶苦茶良いけれど、タッチは繊細というより勢い系で、その素朴さというかミニマルさにもグッときました。

Swirling / Sun Ra Arkestra

Sun Ra Arkestraが21年振りに新譜を!また再び(どころの回数では無いと思いますが)評価が上がっているSun Ra Arkestraが現代にどういう音を鳴らすのか、という期待と不安があったのですが、そういう次元で話をしてもしょうがないなと思わせるいつものSun Raっぷり、そして相変わらず非常にフレッシュな音像で最高です。ずっと新しかったし、ずっと変わらないなと思いました。良い状態が続いているということだけでも素晴らしいし、ずっと不可解であるというのも奇跡でしょう。

Kuru / Karu

マルチ奏者Alberto BruttiによるプロジェクトKaru。エクスペリメンタル×トライバル×アヴァンジャズ×エレクトロで、攻撃的な音像と強力なダンスビート、そして不穏なサックスがカッコ良かったです。(悪夢じゃないんだけど)奇妙な夢のような音像で良かったんですが、Guedra GuedraのRemixが個人的にはツボです。
配信だとアルバムはリリース無し?

Spheres of Consciousness / Smurphy

メキシコ・シティ拠点のプロデューサーSmurphy。(あえていうなら)jukeや高速gqom系の攻撃的なビート×アンビエントなシンセのチル感が良かったです。

Draft In Spring / Max Greening

カナダのプロデューサーによるアンビエント。ドローンではなく、音そのものがどさっと配置されていくような感じで、音楽だけれど静的というか建築的というか、そこに音が在る感が良かったです。
ただ今調べたら個人で2019年に出しているっぽいすね…。


Bandcamp Fridayに合わせてやや駆け足で書いたので、あとで追記します!

近況

Kuro - Ayakashi

TAMTAMのボーカルKuroのソロ曲のBeat Programming、Mixing、家のものを色々叩く、アレンジなどを行いました。


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