五年目の誕生日

2014年6月17日に大腸内視鏡検査により直腸癌と判明したから、もうじき丸五年になる。
手術で患部を切除したものの、癌細胞が腸外に浸潤しており、リンパ液や血液に乗って全身にばら撒かれたから、ステージはⅣということになった。
転移の箇所は後腹膜リンパ節と肺で、肺のは放射線で消滅したが時間を経て再発し、後腹膜リンパ節のは引っ込んだり出たりを繰り返した。
寛解(症状が落ち着いている状態)は二度経験し、一度目は九ヶ月ほど、二度目は一ヶ月ほどだった。
現在は肺への転移に対しての抗癌剤による治療を受けている。
五年に渡る闘病についてブログ等で発信してきたから、その内容を知る人はけっこういるだろうと思う。
癌になってすぐに亡くなる人がいる一方で、おれのようにしぶとくサバイヴしている人もいる。
癌という一まとまりの病名は無く、原発部位によって大腸癌だとか胃癌・肺癌といった呼び名はあるが、実は患者の数だけの症状がある。
よって、治療方法や効果は個々人で違ってくる。
生き延びるファクターは何だろう?
いろいろ考えられるが、他者とつながるパイプの数も一因だと思う。
抽象概念かもしれないが、そのパイプを通して生命力を少しずついただくんだ。
まるで吸血鬼ならぬ吸精鬼のように。
たぶん、そのパイプは自分を開いてないと現れない。
パイプ内の流れは双方向だから、こちらから送り出すものも要る。
さて、何をお返ししようか。
2019年の誕生日に、たくさんのパイプを通して愛と生命力をいただいた。
あらためて御礼申し上げます。

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