今日の空

図書館に入ると本たちが歌い始める
分類された棚の連なり 迷路のよう
過去に書かれた未来についての文章
本に呼ばれると聞いたことがある
「見つからないわ」
本気で探してないからかしら
何も借りずに出口に向かう

明日は たちまち昨日になる
今日という日を すっ飛ばして
だからさ
今日の空を しっかり見なくちゃ

たまには ゆっくり歩道を歩こう
田舎の方が都会より車社会なの
ウインドウガラスに切り取られる空
ビルの谷間から見上げた空
「もう戻らない」
ここには ここの窮屈さがあるけど
私でいられるスペースもあるの

明日は たちまち昨日になる
今日という日を すっ飛ばして
だからさ
今日の空を しっかり見なくちゃ

草地に寝転び星空を見上げてる
隣から聴こえる呼吸の音
そっと首を持ち上げ腕枕と言ってみる
吹く風が頬に心地いい
「あっ 流れ星」
いつも流れたあとに願い事
この時間が ずっと続けばいいのに

明日は たちまち昨日になる
今日という日を すっ飛ばして
だからさ
今日の空を しっかり見なくちゃ

（photo by koju）