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「騙されたと思ってやってごらん」という呪縛。

「騙されたと思ってやってごらん」と言われるものは、いったいどのくらいの期間、騙されたと思いながらやればいいんだろう。根がお人好しなのか、それともただ単にぼうっとしているだけなのか、私は騙されていると思いながら、割と長い期間やり続けてしまう。心のどこかでは、「ん? やっぱりなんか、違うんじゃないの?」と思いつつも、なかなかやめることができない。

「上下関係が理不尽でも部活を辞めない」とか「人間関係や決まりごとに疑問を感じても習い事を辞めない」とか、「会社に就職したらとりあえず3年間は辞めない」とか。私にとっての「騙されたと思ってやってやってごらん」は、いつも“継続“とセットになっている。どんなに辛くても、おかしいと感じても、とりあえず続けていれば得るものがあって、いつか、「やっていてよかった」と思える日が来る。だから、騙されたと思ってやってごらん——。

確かに、継続することで得られるものは必ずあると思うし、嫌なことがたくさんあっても、楽しいこともきっとある。でも、自分の中に生まれた「?」に蓋をして続けてしまうことは、本当はよくないのではないか、と最近思う。

「騙されたと思って」は、自分より経験を積んだ人や年上の人が、預言者みたいに言ってくる呪文だ。言われた側はそこまでの経験がないのだから、反論する余地はほとんどない。

でも、その預言者が見ているのは過去の自分自身の経験であって、今、ここにいる私ではない。やってみて得られる結果は、時と場合によってかなり違ってくるはずだ。

「騙されたと思ってやってごらん」

次にその呪文を言われたら、盲目的に従うのではなく、数ある意見の一つとして捉えよう。その上で、自分の目で見たものを大切に、自分の頭でしっかりと考え、その先の選択をすれば良いのだから。

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