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感じてつながる、つながると安心する

ZaPASSのメンバーで、毎年年末に1泊2日の合宿に行くのが恒例になっている。小寺さんを筆頭に、はぐくむのみなさんにファシリテートしていただいて、その時々でチームにとって一番大切なことを分かち合う。

私は昨年からこの回に参加するようになり、今回は2回目の参加。この感覚を忘れないように、残しておきたいと思って、久しぶりにnoteを開いた。

前提として、このnoteは自分のための備忘録であり、チームと振り返るための材料として書こうと思っているので、細かい説明などを省き、自分が感じたこと、自分の身に起きたことを綴っていく。読んでくれる人に何かを伝えようとするものではないので、登場人物の補足などの配慮もすっ飛ばした文章になっているので、ご了承ください。

ただ、エネルギッシュなチームを作りたい、個人が躍動するチームを作りたい、感情・感覚を分かち合うチームを作りたいと思っている方には、何かしらヒントを受け取ってもらえるかもしれません。ZaPASSというチームがチャレンジしているスタイルの一端を感じ取っていただければ幸いです。

そわそわを抱えて、緊張した状態でオフサイト合宿スタート

最近、自分の中に芽生えた処理しきれていない感覚があり、あまりいいエネルギー状態にいないことを自覚していたので、「あ〜オフサイトできっと何か起こっちゃうんだろうな〜覚悟しなきゃな〜」とワクワク楽しみな気持ちより、そわそわ緊張する感覚の方が大きい状態で高尾山に向かった。

オフサイト本番前に、メンバーと前入りをしてリラックスして楽しい夜を過ごした。くだらない話ばかりして、何を話したのか全然覚えていないけど、普段はリモートワークでなかなか集えないみんなと同じ場にいることが嬉しくて、ただただ幸せな時間。

翌朝、ついにオフサイトが始まる。ファシリテーションをしてくれる小寺さん・ぐっちさん・あやめちゃん・大ちゃんと合流し、いよいよだな〜と、ちょっと肩に力が入る。

まずは、対話の場へのチェックイン。今日ここに居合わせたみんなと、同じ場に入っていくための儀式のようなもの。雑談をするのではなく、自分の今の状態や感覚を場に出すことをしましょうと、改めてディレクションをしてもらった。

何を話したかはあまり覚えていないが、自分の中にある感覚をそのままシェアした。伝わるかどうかとか、みんなを不安にさせるかもしれないなとかもあまり気にせず、信頼してみんなに身を委ねようと思って、バンジージャンプをするような感覚で、えいやっと自分の中にあるものを出した。言葉をいくつか出した後に、わーっと涙がで始めて、「おいおい、チェックインで泣くんかーい!いくらなんでも初速早すぎだろ!」と自分でも笑えてきた。

泣いたり笑ったり忙しい人だなと自分でも思いつつ、恐れずに純度高くそのままの本音を出すことが、自分にとっても、みんなにとっても、場に対してもいいことだとわかってきているので、開き直っている。順調順調。

みんなの話に耳を傾けていても、本音を出してくれる人にはつながれる感覚がある。その内容がポジティブな話でも、ネガティブな感情でも関係ない。その時、その人の中に起きていることや感覚が純度高く出されると安心するし、つながれる。去年と比べて、今年は早いタイミングで、みんなの感情につながり始められた気がする。

自分の中に起きていることをみんな共有できると、それだけで安心して、気持ちが緩んでいく。具体的な解決策が見つからないと意味がない、なんてことは本当にないと、改めて痛感した。感覚を共有して、そうなんだねと受け取ってもらえると、そこから自然と答えが浮かび上がってくる感覚がある。

何か葛藤している時に、一人で解決しようとすると、自分の発想の範囲内のことしか起きない。自分一人の中で結論が出てから、結論だけをシェアするのは、つまらなさや寂しさがある。今回芽生えていたモヤモヤはそういう種類のものだった。だから、一人で結論を出そうとせずに、生の感覚をそのままみんなに分かち合って、どんな方向性が見えてくるのか試したかった。

午前中の対話の時間だけで、すでに方向性が見え始めた!やっぱり対話の力ってすごい。まだ結論は出ていないけど、もう「大丈夫だ」って感覚が芽生え始めている。


ゴールを探し当て、仲間を繋いでいくことが私の役割

午後に入って、最初のワーク。合宿施設の焚き火スペースで、10名それぞれが違うスタート地点に連れて行かれて、目隠しをされた状態でゲームスタート。声も音も出さず、一つだけ質感の違う焚き火台を探し当てて、10名全員で手を繋いで、その焚き火台を囲むことができれば、ゲームクリア。

前提として、私はとにかく怖がりだ。目隠しをして、知らないところ、かつ何が置いてあるかわからないところを歩き回るなんて、私には恐怖でしかない。最初は、一旦立ち尽くした。もしかしたら誰かが見つけてくれて、手を引いて連れて行ってくれるかもしれない。待ってみよう。そう思って、待ってみた。だけど、人の気配がしない。みんなが歩いたり、焚き火台にぶつかる音は遠くから聞こえてくる。とりあえず物音がする方に近づかないと何も起きないと思って、動き出した。動き出すと恐怖心がどんどん消えていく。

動き出してからは、ゴールとなる焚き火台をまずは探し当てようと思って、焚き火台を触って、歩き回った。四個ぐらい焚き火台を触ると、一個だけ穴が開いていない焚き火台を発見した。「お、これか!」と思って、一旦そこでストップ。みんなを呼びたいけど、音を出しちゃダメだから呼ぶ術がない。誰か近くにいないかな〜と思って、手をブンブン回しながら、焚き火台の周りを徘徊してみる。誰もいない。この焚き火台に戻って来れる範囲を歩き回って、とにかく人を探して連れてこようと思って行動開始。動き始めると、何人かがすでに連結している群れに出会った。

そこからは、その作戦で行こう!と確信を持って、人を連れてきて、すでにいる人たちと手をつなげて、背中を触って人数確認をして、を夢中で繰り返した。途中数え間違えをして、「よし!十人揃った!」と思って終了の掛け声を待ってみたが、声がかかる気配がしない・・・「あれ・・・そもそも焚き火台、これじゃないのかな、私がゴールを見誤って、みんなを路頭に迷わせるのか・・・・?ここから修正する方法はわからないぞ・・・」などととても不安になった。もう一回人数を数えると、一人足りない。もう一度歩き回ってみると、椅子に座っている小さな背中の女の子を発見。まゆちゃんだとすぐにわかって、「なんで座って待機してるの?」と笑ってしまった。

ついに全員揃って、ゲームクリアの声がけがあった。本当はもう一つ金賞の焚き火台が端っこに存在していたので、私たちは銀賞をゲット。2時間ぐらいかかるしれないという想定だったゲームが、30分でクリアできた。つまり最高ではないけど、悪くない結果に終わったという感触だった。

そこから各自感じたことを対話したり、実際の動画を確認して、笑い合ったりした。各々、自分がダイナミックに動き回れなかったことに対する後悔や、人と出会った瞬間にゴールを探すのをやめてしまった反省などをしていた。「何が起きているのかわからないうちにゲームが終わっていた」と達成感を感じられていないメンバーもいた。

みんなのシェアを聞きながら心がざわついた。自分がアグレッシブに動きすぎたせいで、他の人が達成感を感じられなかったのかな、とか。他の人の嗅覚を感じ取ることができれば、金賞狙えたのかな、とか。みんなには「智子さんのおかげでゴールできた!」と感謝や感動を伝えてもらったのに、全然自分のことを肯定できない自分がいたり、とか。あ〜自分が出ているな、と思って面白いな〜と思った。

怖がりな私が、なぜリーダーをやっているんだろう?

夜は、真っ暗な中、懐中電灯も持たずに裏山に入って、アクティビティをした。夜の山に入るのは2回目だけど、やっぱり怖い。とにかく暗闇が怖い。またビビリの自分が出ている。は〜帰りたいな〜、早く終わらないかな〜、でも怖らがずにやった方が絶対楽しいんだよな〜、もう怖くない!楽しい!って自己暗示かけよう〜と思って、無理やり恐怖心を無視する。

3チームに分かれて、一人は目隠しをして、一人は耳を塞がれて(しかも狼の遠吠えを聞かされ続ける恐怖)、一人はしゃべることを禁止されて、協力しながら、山を降りて、集合地点に戻ってくるというアクティビティ。そして、集合地点近くに隠れている小寺さんを見つけて、タッチすれば金賞というボーナスステージ付き。

最初の恐怖心は消えて、あっという間に、仲間とお互いのできることできないことを把握し合って、どのように協力し合うかを決めて、テンション高く、楽しく下山することができた。

仲間の気配がすると不安がなくなる。気配がしなくなると、途端に不安になる。「ふみちゃん、直樹くん、いるよね?」と問いかけると、しゅんしゅんが「ふみちゃんが前の方で踊っています」とレポートしれくれたり、直樹くんが背中を叩いてくれたりする。気配を感じる方法は人それぞれ。私は目を塞がれていたから、音や肌で感じないとわからない。でも、私が見えていないことをみんなはわかっているから、不安だよ、と口に出すと一斉にシグナルを送ってくれる。普段は、見えていないことを自分で気づけていなかったり、口に出していなかったりするな、と思う。助けて、って言えばみんなすぐに全力で助けてくれるのにね。

私は、喋るというスキルは使うことができたのに、目が見えないから、道の状態をレポートすることもできないし、どう自分のスキルを使って貢献できるかわからなくて、もどかしかった。前半戦にみんながテンション高く喋り続けてくれたのに救われたので、私も「いけるいける!」などを口に出してみる。

集合地点に近づくと、他のチームの気配を感じ始める。「ともこさーん!!」と叫び続けるみふゆさんの声が聞こえたり、手をぱちぱち叩き続ける人たちの音がする。「小寺さんいた!あ、いなくなった!やばい!!!」という声も聞こえたりして、突然「あと3分です!」と時間制限が追加されたりとか、どんどん混乱して行ったけど、とにかく仲間を信じてしゅんしゅんの背中について行こうと覚悟。

結果的に金賞は逃してしまったけど、制限時間内になんとか集合完了!終わってみて、円になって対話を始めると、耳を塞がれていたまなとさんが恐怖と責任感に押しつぶされそうになっていたことがわかり、心がキューっとなって、思わず背中を摩り続ける。同じアクティビティをやっていても、取り組み方、メンバーとの協力の仕方などによって全員感じることが違う。どう感じるかに正解なんてないので、メンバーが感じていることをリアルに受け取り合って、協力し合ってベストパフォーマンスを叩き出す姿勢が一番大事にしたいものだと、改めて痛感。

まなとさんがシェアしてくれたことが印象的だった。狼の遠吠えを聞いて恐怖心を煽られている中、自分は目が見えているからチームをリードしないといけないという責任感が芽生え、それのダブルで苦しかったとシェアをしてくれた。「普段リーダーを務めてくれているあいきさん、大久保さん、智子さんがこんなに大変なのかって思った」と言ってくれて、たくさんのことに気づいた。

自分の役目が完了し、一つの旅路が終わっていたことを自覚した

私は今まで、自然とリーダーと言われるポジションを担うことが多い人生だった。でも、「自分がリードしないと!」と思うと全然上手くいかなくて、「やるべきだな、やりたいな」と思うことに突き進んでいると、結果的にリーダーの役割を担っている、という方がいい流れが生まれる。

そう考えると、とても抽象度高いレベルで私がZaPASSに対して「やるべきだな」と思うことが完了しつつあった事に気がついた。細かくみるとやり切れていないことがたくさんあるから、「やらなきゃな」ってモードになって、「リードしなきゃ・・・」ってなんだか重さを感じていたことがストンと落ちてきた。「リードしなきゃ」って思い始めたら黄色信号だっていうことに、気がつけた。役目を果たそうとすることよりも、やるべき!やりたい!と思えていることに無我夢中になっている時の方が、私はいい状態にいられる。

だから、「あ、私、一つの旅路完了したんだ!」とその場でみんなに宣言!一人で完全に心が晴れ渡って、「あ〜見えちゃった!朝のモヤモヤステージ、完全に抜け出しました!」という感じで1日目の夜を終えた。次のステージが何なのかはわからないけど、ここ最近の自分に起きていたことははっきりと見えて、清々しい気持ち。

「ちゃんとやる」ではなく、「大きな愛で包む」のが今の気分

二日目の朝、「要は〜〜〜、でチェックインしてください」とディレクションがあり、「要は、ZaPASSが大好きだ。であるならば、お母ちゃんとして存分に愛でて育んでいこう」というインスピレーションが沸いた。

ランダムに絵が書いてあるカードが渡されて、それに対して何を感じるかの内省タイムもあった。私は空っぽのお皿の両脇にスプーンとフォークが書いてある絵柄で、思わず笑ってしまった。なぜなら、料理をして食べ物食べさせるというのが、私にとっての究極のlove languageなので、「お母ちゃんであれ!お母ちゃんとして愛でろ!」というメッセージを受け取った感覚だった。リードするという感覚ではなく、愛でるという感覚。そっちなんだな、ってはっきりとわかった。

各自カードを受け取ってから、グループに分かれてノンバーバルにメッセージを送り合う時間もあった。言葉が使えないので、表情と身振り手振りでメッセージを送り合うしかない。最初は難しいと感じたけど、どんどんノってきた。細かいことは伝えられないので、大きなニュアンスを伝え合って、繋がる感覚。正しく伝わっているかなんて、全然わからないけど、案外それでいいんだと思えた。正しく認識齟齬なく伝わるかって普段めちゃくちゃ意識しちゃっているけど、正しさを求めて慎重になるよりも、伝えよう・受け取ろうとし合う姿勢を共に持てている方が、エネルギーが生まれてくる感覚があった。

ダイナミックな流れがどんどん生まれて、最終的には福田さんの音符カードを見て、十名みんなで輪になってグルグル回って、踊って、爆笑して終わった。ノンバーバルワークの中で、茶化す意味じゃなくて、純粋に面白すぎて、涙が溢れてきた。必死ぶりに笑い泣きをして、椅子から転げ落ちる感じ。脇腹が痛い。

ワークが終わって、ものすごい温かいポカポカした感覚と、緩む感じと、わけのわからない感動が込み上げてきた。あ〜、チームとして、場として、今ものすごい「いい感じ」ということだけわかった。

難しい話をし出すと、「いい感じ」が消えていく

その後もラップアップに向けて、対話が進んでいく。私が気になっていたことを、愛樹に問いかけをしたところから、場の流れが大きく転換した。場が転換するだろうな、それでもいいやという覚悟を持って、問いかけをした。結果的に、そこから愛樹と私が二人で議論するような流れになり、小寺さんが一度流れを止めてくれた。

「あ〜、やっちゃったな〜」って感覚を持ちながらも、後から考えると、これが最近いつもハマりがちなパターンだったので、逆にそこを捉えられたのが、本当に良かったなと思った。

細かい話を議論し始めると、みんなが場に接続できている感じがなくなっていく。どんどん場に接続している人が少なくなって、場としてのエネルギーが小さくなっていたり、場が固くなっていく。

もちろん事業を作り、経営を共にする仲間として、細かい話や難しい話をしないといけない局面はたくさんある。だけど、先に感覚を共有し合えていて、リアルな感情が分かち合えていて、その後に細かい話や思考が来るという順番が大事だと痛感した。

面白いもので、ZaPASSのバリューは、「感情からはじめる」「対話でつながる」「Z軸を求める」だ。そこを常々チームとして意識し続けているとは思うが、とあるパターンになると、ここから離れて行ってしまうことに気がつけた。愛樹が難しい話をする流れを作らないことが肝だとみんなで実感できた。

みんな、愛樹が難しい話をしはじめると、話している内容も、感情もわからなくなって、繋がれなくなる感覚があるらしい。私は、一定わかってしまう。これは私の一つの特殊能力なのかもしれないと思うが、結構わかってしまうからこそ、より深めたくて、理解したくて深掘りしてしまう。そうすると二人でどんどん思考モードで議論してしまう。それによって、全員がつながれなくなってしまう。つながれていないから、愛樹も孤独を感じたりするんじゃないかと思う。

でも、愛樹が孤独や不安を感じていたら、フルパワーが出ないし、ZaPASSもダイナミックに歩みを進められない。愛樹が安心している状態を作ることが、みんなの仕事なのかもと思った。安心をしてもらう方法について、思考で考えはじめるとまた悲観が始まってしまうので、感じ取れるぐらい隊列を崩さないでいること、が心がけたいことだなと思った。

思考にフォーカスして問いかけると難しい話に突入してしまう。思考にフォーカスすると、妄想が広がって、不安が出てきがち。感覚・感情を問いかける関わりをすると、感じ合えて、安心感が生まれ得る。

みんなで手を繋いで輪っかになっている状態で、あっちに行きたい、こっちに行きたいって動きがいっぱいあって、それでこそダイナミックに動いていられる。輪を乱しちゃいけないとかじゃない。誰かがどこかに行きたいなら、自由に行けるけど、ちゃんと気配を感じ合えることが大事。一時的に輪を飛び出しても、互いに気配を感じていれば、安心して飛び出せるし、またつながれる。福田さんが焚き火台を探して、独走していたけど、最終的にはつながれたから大丈夫。

気配を出すこと。気配を感じ合うこと。

細かい差異に足を引っ張られるのではなくて、根幹は繋がっているから大丈夫!という感覚を充満させておくこと。

ここ最近、試行錯誤して悩んでいたポイントがスーッとクリアになっていった。

「いい状態」を作ることだけ心がける

まだまだ決まっていないこと、わかっていないことがあって、次のステージに向けてどうしていくかはわかっていない。だけど、とにかく自分と仲間の「いい状態」を作ることにフォーカスしようという心は決まった。方向性は決まったし、共感し合えているから、きっと未来は自然と浮かび上がってくるんだろうな〜という安心感はある。

忘れたくないことがたくさんあるオフサイトだった。またここに帰って来れるように、自分の感覚をたくさん残しておきたかったけど、出し切れた感覚なので、これにて本note終了!

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