日日是好日

お茶のお稽古に通っていたのは2年程でしたが、その間に学んだことはたくさん。
お茶には薄茶と濃茶があること、畳の縁を踏まないこと、季節の和菓子はお腹だけでなく心も潤うこと、振袖は未婚の女性なら年齢問わず晴れの場には着ても良いということ、他にもたくさん。
着物の着方や、身のこなし、お茶室に入る時の作法。
知らない内に背筋がぴんとするあの感じがとても好きでした。
禅に通ずる世界観や美意識に惹かれてお茶の世界に入ったのですが、日本人だからこそ知っておきたい作法が身体で学べたのは財産でした。
日日是好日、「お茶が教えてくれた15の幸せ」という本が原作になった映画ですが、雨の日でもどんな日でも良いとか悪いとかではなくただ味わうことだ、というような意味の言葉があります。
どんな人生であれ生きて経験したことは全て宝物だと思ってはいますが、心が疲れた時にそっと寄り添ってくれる慈雨のように滲み入る言葉だなあと。
日日是好日とは禅の言葉ですが、それを樹木希林さんが言うと何とも言えない深みがあり、お茶の先生というより人生の先生、年齢を重ねたらこんな先生になりたいものだ、と思ったものです。
初釜に招かれたら正装して伺うのがマナーでしたが、社中の人間はお客様を以てなさなければならず、着物で立ったり座ったり、マナー以前に体力が必要でしたが、バックヤードでは余ったお菓子や美味しいお屠蘇を頂けたり、楽しい時間でした。
お茶のお稽古に通っていたのは短い時間でしたが、今でも着物を着ると、指をちゃんと揃えて、お菓子を頂く時は口元を隠して、と言う先生の声が聞こえるようです。
身のこなしは身に染み付いた作法から。
品格は心持ちから。
着物を着こなす為に、和の習い事を始めるのも良いかもですね。



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