#62 吐き気の多い抗うつ剤はどれ?

画像1

〈訳〉
次のうち、通常の用量で吐き気の発生率が最も高い抗うつ薬はどれでしょうか。
a.セルトラリン
b.フルオキセチン
c.デュロキセチン
d.エスシタロプラム
e.デスベンラファキシン

〈答え〉a. Sertraline

〈解説〉

Point1.抗うつ薬の種類

抗うつ薬の種類は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、三環系抗うつ薬(TCA)などさまざまあります。

a.Sertrline セルトラリン→SSRI
b.Fluoxetine フルオキセチン→SSRI
c.Duloxetine デュロキセチン→SNRI
d.Escitaropram エスシタロプラム→SSRI
e.Desvenlafaxine デスベンラファキシン→SNRI

日本では私はそこまで精神疾患に関する薬については作用機序がメインだった気がします。カナダに来て勉強すると、疾患別にかなり細かく分類されているところまで学ぶ必要性を感じます。

Point2.抗うつ薬は効果が出るまでに時間がかかる
point3.抗うつ薬は自分に合った薬を見つかるまで時間がかかる可能性がある

抗うつ薬は通常効果が出るまで2-4週間と時間がかかるのです。
そして 、2-4週間試してみて大きな効果が得られなかった場合は別の薬に切り替えてまた数週間、効果が出るまで待ってみるということも少なくありません。

でも、なぜ鬱になるのかということを考えてみると、おそらくこれって長年蓄積されていたことが重なっていることがかなり多い。そして、脳内で起こっていることを変えようとしているのだから、逆にいうとそんなにすぐに効果が出る訳ないよね。とも思います。それだけに、副作用も多いのだろうと思います。

Point4.抗うつ薬での吐き気の頻度

画像2

〈参照〉UpToDate:https://www.uptodate.com/contents/image?imageKey=PC%2F81374

抗うつ薬における吐き気の頻度は、基本的に少ないですが、SSRI・SNRIともに、服用初期や用量を大きくした場合吐き気や胃の不快感を感じることが増えるそうです。しかし、これらの症状は1週間ほどで治るとのこと。

Point5. まとめ

日本よりもカナダでの方がうつや不安症に関しての薬を飲んでいることをオープンにできる環境が整っている気がします。これが良い・悪いという問題ではありません。日常的にこういう薬を飲んでいるとか、セラピーに通っている、カウンセリングに行っているという話をしている人が多いという個人的な印象を持っています。

不安がない人なんて世の中いないだろうと思います。そして、今の社会はストレスに感じるようなことが多すぎる周りの人と比べる機会や手段がいくらでもあって、それを無意識にやっている人がどれだけいるのだろうと思います。だからこそ、ジャッジしない・他と比べないことを意識していかないといけない。メンタルヘルスは今世界中でとても大きな課題になっていると思いますが、思い悩んで不安になって前に進めなくなるよりも、思い悩んで解決しないのならば、悩まずに別の行動に移していきたいなと最近強く感じます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?