病気のこと、その後のこと1
(2021/04/02 写真を足しました〜リアルなフランスの病室とかご覧くださいなあ)
こんにちは〜ブルターニュのともこです。
月も変わったし、今週手術後の経過を見ていただきに病院に行って、大変良好。後は1年に1回観察すれば大丈夫ですね、と言われたので、ホッと一息。気持ちの上でも一区切りついたので、このあたりで病気のことを一度まとめていきます。
卵巣嚢胞という病気
私の病気は卵巣嚢胞でした。これはあまり聞いた事がないかもしれませんね。女性の病気としては有名な子宮筋腫に比べて知名度が低そうです。
簡単にいうと、夜店にある(今ないのかな?)水の入ったヨーヨーみたいな感じで、卵巣の一部が中の液体で膨らんでしまうという病気でした。原因はほとんど不明だそうです。
左側だけが病気で、右はまったく問題なかったそうです。悪性(つまり癌性)の可能性もあったため検査しましたが、ラッキーにも悪性ではありませんでした。
自覚症状ほとんどなし
液体で膨らみますので卵巣が巨大化していきます。がもともと子供を産むため柔軟にできているらしく、かなり自覚症状なしです。
あえていうなら、お腹が張りやすい、お手洗いが近いぐらいでしょうか。
ただ放置してると、ねじれたり破裂したりする可能性が高く、癌化することもあるそうです。だから自覚がなくても定期検診はしておいた方がいい。そんな風に言われました(私は癌になったら、それも運命と思っていたので一切検査を受けていませんでした)。
この嚢腫は、5センチぐらいの大きさになったら、手術を考えることが多いようです(もちろん状況によります、妊活中とかなら手術避けたいでしょうし)。私の場合は、発見された昨年10月で11センチでしたから、結構大きかったことになります。
閉経前なら薬を飲むことで小さくなる可能性もあるようですが、閉経後ならそもそもこんなに巨大化するのは不思議なので、しっかり検査してみましょうということになりました。
もともと救急外来で行ったのに...
そもそもの始まりは2020年10月、突然のお腹の激痛でした。
これは切らなきゃいけないヤツ。盲腸の時みたいな痛みだ!
でもピークは1時間ぐらい。それから少しずつ収まってきたので救急車呼ぶほどでもない。結局友人と夫に付き添ってもらって自家用車で救急外来へ。病院についた時は、激痛が始まってから4時間ぐらい。なんとかなりそうぐらいのレベルでした。
少し待たされた後、やってきた看護婦さんに
痛みのレベルはどれぐらいですか?1〜10でいくといくつ?
と聞かれた時は、申し訳ない気分で2と答えたほど。それでも何か薬はもらえるんだろうぐらい思ってました。
ベッド、ベッド、ベッド...
救急外来に来た人は無条件にベッドに横たわらせられます。あちこち移動する時もベッドごと。いきなり重病人っぽく見えるんですが、点滴も何もない私は、トイレのごとにベッドから降りて勝手に歩いていってました。隣の人は仕事してたし、向こうの人はゲームしてたし💦 緊急外来の切迫感など何もない、やたら幅広のベッドが10個以上何となく一ヶ所に固まって並んでる。そんな感じでした。
待たされまくった揚げ句、夜になってもお医者さんには見てもらえず、インターンの人が2回ぐらい見に来てくれただけ。ただ腹部スキャンをして大きな嚢腫が見つかってはいたので、日を改めて婦人科に予約をして帰ってね、って感じでその日は終了でした。薬も何もなし。痛みが始まってから8時間ぐらい?もう痛みレベルは1もない程度でした。
今改めて考えると、最初は嚢腫のあたりが何かの理由でねじれたんだろうなと思います。そして、ラッキーなことにそのねじれは自然に解消したのでしょう。そうじゃなければ緊急手術されていても不思議はなかったのだろうと思います。
不要な器官なので取ろう、って何?
嚢腫と診断された翌月、担当の婦人科の先生と面談しました。ざっくりとした病状の説明の後、「両方の卵巣とっちゃいましょ。もう不要な器官ですからね」と言われて、びっくり!私はもう閉経後だったですけど、不要な器官なんて持って生まれてこないですから💦 持ってるものは何でも大事ですし、1つ欠けても大事にいたりますんで。そんな風に思ってました。
エネルギーセラピストであることを話しましたが、西洋医学どっぷりの先生ですから、エステティッシャンと聞き間違えて理解したみたいで、私の言い分をなかなか受け入れてくれない。どうしよう〜〜本人の意思を無視していきなり全部切られたら?マッドサイエンティストだったらやばいぞ、こりゃ。前途多難な滑り出しとなりました。
考えてみると、病院にいってマッドサイエンティストに出会う確率などかなり低いだろうと思うのですが、全部取っちゃいましょという言葉が衝撃的過ぎて、私は最初本当にこれ以上の治療を全部拒否しようと、初面談の後、手紙までしたためたほどにビビっていました。
検査は月1回、全部の結果が出たのは4ヶ月後
緊急性のなさそうな病気の場合、検査は月1回のみ。複数の検査をしますから、どんどん日数が経ってきます。その間、急変しちゃったらどうしようとかなり怖かったです。
そしてやっと最後の、悪性かどうかを確かめる検査を終えたのが12月23日。そしてその結果の治療方針を聞けるのが、1月21日。最初の救急外来から4ヶ月後でした。
癌性ではないけどでかい
幸運なことに癌性ではなかった。でも11センチぐらいの大きさなので、すぐに切っちゃいましょうと言われました。でも右の卵巣はまだお仕事しているし今のところ問題がないから左だけ。
最初は、両方の卵巣を切る気マックスのマッドサイエンティストに見えたお医者さんも私の抵抗にあって色々調べたり譲歩してくれたようです。これでかなりホッとした〜。
でもまだ、よく分からないことがあったので尋ねてみました。
嚢腫が卵巣にあるのは分かりましたが、どうして卵巣ごと取らなくちゃいけないの?嚢腫だけ除去するのじゃダメですか?
そう尋ねると、先生は図解してくれました。卵巣の中にある突起の1つが大きくなって、液体が中に入っちゃってるから、卵巣ごと取らなくちゃ無理なのよと教えてくれました。
卵巣を膨張させている嚢腫...これだけを取って卵巣を残すというのは、張るかに卵巣ごと取っちゃうより難しそうだな。そう思った私は、その場で手術に同意しました。
腹腔鏡手術だからカンタン、と言われても...
当初の手術日は2/12、早朝に病院に行って、手術後、通常はその日の夜に家に帰れる腹腔鏡手術になるよと言われました。ただ始めてみて予想外のことが起こったら開腹に切り替えるので10日入院になるかもしれないよ。
こうなったら予想外のことが起こらないようひたすら祈るしかない。そんな感じで毎日祈りつづけていました。
手術日当日、個室に感動
手術当日は、朝7時半集合。無茶やろと思うほど早い時間でした。
外はまだ寒く、フロントガラスが凍りついていて車を温めても全然溶けない。最後は軽くひっかいて無理やり氷をとる有り様でした。
遅刻するかと心配したのですが何とか無事につき、すぐにチェックインって感じで個室に案内されました。
綺麗な個室で、トイレ・シャワー付き。広さも結構あり、ここ住めそう💕みたいな気分になりました。
ほとんどホテルの洗面台😂だけど本当は病室の中の洗面台です。独り占め〜
事前の調査で、手術後のお腹が痛過ぎて起きれない場合、起きれるまでは入院ということもあると分かってました。なので、せめて大部屋じゃないといいなあ。綺麗なところならいいなあ。と思っていたので、結構嬉しかったです。
こんなハイソックスも履かされた😂
ルームサービスってマジ?
そして壁にはルームサービスと書かれた紙が張ってありました。
フランスさすが!ご飯は自由に選べて持ってきてくれるのか?部屋から電話かけて注文できる?
と思ったんですが、よーく読むと、洗顔用品とか用意してなかったら、下の売店に電話かけて注文すればルームサービスするよ、でした💦そりゃそうだよね。入院患者が自由に何でも注文して食べていいはずがなかったのでした(ちぇ)
まさかのドタキャン
実は、手術前日珍しく雪が降って、当日も朝から路面凍結していました。でも夫はチェコにいたこともあり、雪国や路面凍結時の運転もめっちゃ慣れていたので、なんとか予定時刻には病院についていたんです。
でも、ブルターニュは元々雪があまり降らない地方です。しかも私の執刀医も麻酔医もアフリカ系。路面凍結の道を運転するリスクはとらなかったようです。そんな訳で、ラブリーな個室で1時間程度待たされた後、看護婦さんに突然ドタキャンを言い渡されました。。
今日は執刀医も麻酔医も来れないから、キャンセルになりました。ごめんね。なので適当にくつろいで、ご主人が来れる路面状態になったら迎えに来てもらってね。こっちで(申し訳ないので)朝ご飯を用意するから食べてって。(申し訳ないので、ってのは私が想像した看護婦さんの心の声でした。実際は別に気にしてなかったかも💦)
かくしてすでに手術着に着替えていた私は、何の治療も受けずに普段着に着替えて、病院で食べるはずのなかった朝食をお呼ばれいたしました💦
バゲットとバター、ヨーグルトとコンポート。それに紅茶。美味しかったですよ、普通に。
かくして、ある意味「今日ですべて終わる!」的な盛り上がりを見せていた私の気持ちは行き場を亡くしたまま、自宅へと帰還することになりました。
次の予定日が3/1
フランスにしては珍しく事が急速に進みました。元々の予定日は金曜日。翌月曜日に病院から電話がかかってきて、3/1月曜日に手術をすると。多分相当イレギュラーなスケジュールだったようです。元々担当医は金曜日にしか手術を入れないようなことをいっていたので。
心配なのは手術より天候
こうなると、とっとと切ってくれ!って気分にもなります。手術後10日間は仕事をしてはダメとのことだったので、2月後半は仕事を入れずに空けていたんです。それが不要になったからといってすぐさま次のスケジュールを入れられるはずもありません。
その上、翌週には手術日が来て、さらに10日の休養が必要ですから、まとまった仕事も受けられない。なんだかとても宙ぶらりんな状態で、ただひたすら「今度は雪が降りませんように」と祈っていました。
手術なんて余裕さぁ〜
3/1の手術は余裕でした。だって手術着に着替えて、どんなところで過ごすのか。看護婦さんに何を聞かれるのか。全部一度やったことだったからです。
今度は向きが逆でした😂
ただ違ったのは今回は本当に手術すること。何時から執刀とは言われていなかったので、ただぼーっと待ってたら、いきなりベッドを移動するように言われ、2人の看護師さんがだだだーっと廊下を駆けるようにしながらベッドを滑らせ、初めての大部屋に連れてきてくれました。
おおーここで手術の順番待ち?
いや多分今考えると、手術の前準備をする場所だったようです。だってそこに入ってから1本ぐらい管に繋がれたらすぐ手術室に通されましたから。
え?終わったの?
以前手術したのは30歳ぐらい、その前は15歳ぐらいですから手術室の様子なんてザ・昭和な感じのイメージしかありませんでした💦 最先端技術の推移を集めた的な手術室の中に入って、ちょっとわくわくしたのは、ITガジェット好きなリケジョの私の本音でした。
おおおおおお〜
かなり観光気分できょろきょろしながら寝そべってると、うにゃうにゃ言われた後に酸素マスクを被されました。
あーこれで呼吸を確保ね。医療ドラマで見て知ってるわ........
............................
次の意識があるのは、手術直前に通された準備室でした。
でもお腹痛くないし。どこも変わってないし。なんか手術の優先度とかが変わって準備室に戻されたんだ。えーまだ手術しないの?待ち長いんでさっさと切ってほしいんだけど!
患者の癖に不満たらたら。心の中の声を口に出していたらいきなり嫌われていたはずです。
でもなんか変。看護婦さんが私を皆スルーしていくんです。
何故?私そんなに後の手術に回されたの?私も何ヶ月も待ってるんです。煮るなり焼くなりさっさとしてよー緊張半端無いわ〜
そして、まさかの可能性に思い当たります。
え?ひょっとして、もう終わってる?
まったく痛くない。痛くもかゆくもない。麻酔聞いてるにしても何もない。
そんなはずはもちろんない。
途端に極端な吐き気がしました。
あーこれ麻酔だわーあの酸素マスクまがいでだまされたわ。麻酔かけられてたんじゃん!ってことは、もしかするのか?
まさか〜😂😂😂😂😂 でも念のためお腹のあたりを触ってみよ。
え?絆創膏がお腹に4つ。
・・・
・・・・・・・
終わってた💦
ほぼ痛みもなく順調に回復
結局麻酔が切れても痛みがもどることはほぼなく、あえていえば毎日訪問看護婦さんがやってきて打つ抗生物質的な注射だけがめっちゃ痛かったってだけの10日間休養が終わりました。
本当の試練はそこから始まった
あまりにあっけなく手術が終わり痛みもなかったのでしばらくは狐につままれた感じ。でも、10日を過ぎたあたりから、精神的なバランスをがっつり崩しました。
でも長くなったので、この話はまた別の機会にしましょうね。
今はすっかりバランスを取り戻し、元気に楽しくやっていますので大丈夫。
ただ、バランスを崩したことで見えたこともたくさんありました。
今私のいるところは、すべての経験を経た後だから見えてきた場所だと思っています。
感謝しかないですね〜
という訳で、半年に渡っての闘病記(戦うというよりはひたすら待ってたけど)はこれで一応終わりです。
ご心配下さった方、気にかけてくださった方、本当にありがとうございました。病気の記録ですが少しでも面白く読んでいただけたら嬉しいです。
そしてお腹の張りなど気になるところがある方は是非一度婦人科にいってみてください。今まさに病気にかかっている方、頑張ってください。気持ちさえ落ちなければ何とかなります。
そして今手術を控えている方、特にセラピスト系の方。結論からいって、手術してもエネルギーはあまり変わりません。臓器の欠損が影響することもありませんでした。むしろ強くなったかもしれません。私の場合は臓器のあったところが光に代わり、サポートしてくれるようになりました。
だからどうか心配しないで、勇気をもってご自身の心身の回復を最優先に考えてくださいね。必ず途は拓けます。
この続き、七転八倒編はこちら。あわせて読んでね。
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