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映画やお芝居、美術展などの感想や推し語りなど。キャッキャ目線です。
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南座三月花形歌舞伎 初日 〜愛と情と艶〜

南座の三月花形歌舞伎、初日観劇してきました。 近松門左衛門没後300年ということで「河庄」「女殺油地獄」の近松作品が2本もあるのは関西人としては嬉しい限り。京都の南座で、東京の役者さんが上方歌舞伎をいずれも初役で演じられるのも楽しみです。 (歌舞伎初心者のキャッキャした目線での感想ですのでトンチキな部分もありましょうがご容赦くださいませ) 河庄 〜愛〜 紙屋治兵衛の右近さん、紀伊國屋小春の壱太郎さん。先月はこのお二人、「曽根崎心中」のお初徳兵衛でした(感想書きました→壱

「籠釣瓶花街酔醒」に魂持ってかれた

猿若祭二月大歌舞伎、昼の部を観劇してきました。 どの演目も良かったけれども「籠釣瓶花街酔醒」がほんとに良かった。凄いもん観せられました。 商売で訪れた江戸の土産話にするつもりで吉原見物にきた下野国の絹商人が、花魁道中に遭遇してトップ花魁にぞっこんになってしまい、通い詰めて金ばんばん落としてお店からも上客扱いで、いよいよ彼女を身請けしようってことになって地元の友人やらも呼んだその席で花魁に振られてしまい、その場はいったん引き揚げたものの、後日「籠釣瓶」の銘のある刀で花魁を斬殺

壱太郎・右近のお初・徳兵衛がものごっつよかった

大阪松竹座の立春歌舞伎特別公演を観てきた。 出演者も演目も豪華だったけれど、なかでも中村壱太郎のお初、尾上右近の徳兵衛の「曽根崎心中」が秀逸だった。 二人とも表情がすごくいい。若いというのもあるけど、それ以上に初々しさ瑞々しさが素晴らしく。 右近さん徳兵衛の純粋で真っ直ぐなさまが痛いほどで。騙されてお金返してもらえないうえ冤罪ふっかけられてボコボコにされて、泣きながら花道を去ってゆく、その泣き声がいまも耳に残ってる。 番付(パンフレット)にも書いてあったけれども、お初は