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大豆についてのノート

たぶん豆が好きになったのは料理を始めてからだと思う。

子供の頃はもそもそする食感と、祖母のつくるレパートリーの少ない豆料理のお陰で好んでたべるほどじゃなかったな。

いつもはサラダに使ったり、むきながらつまんだりしてすぐなくなってしまうんだけど、ふと思い出してピクルスを仕込んだ。

まぁ、これもつまみだしたら止まらないやつだが、ウチだけで消費するには多いし、かといって売るには少ないという難しい量だったので保存もかねて。

枝豆は大豆

さて、黒豆も要は「黒大豆」で、枝豆を収穫せずにからからになるまで畑で乾燥させてからとったものが「大豆」。

地元佐用町は在来種「もち大豆」の産地で、ぼくもよく使う食材の一つだ。

穀物のような糯性があるのではなく、似た時の食感がもちっとしていることからの名前。

日本ではおなじみ、加工もできる万能食材にして栄養価も高いという元祖スーパーフード。

で、枝豆の方は夏季に収穫できるいろんな品種が現在はあって、ほぼ、日本全国で栽培されている。

肥沃な畑でなくても充分によく育つし、むしろ肥沃な土地では葉が茂りすぎて実入りが悪い。

ウチや田舎のほうだと田んぼの畦に植えて枝豆を楽しんだとか聞いたことある。

収穫は重労働

今ではどちらも好きになったけど、収穫は大豆の方が10倍しんどい。

どちらを収穫するにしても専用の機械もあるけど、極小農家のウチにはもちろんないので、手作業。

枝豆は引き抜いて葉っぱをとるか、鞘だけちぎっていくという単純作業。

それでも量があるとしんどいが、大豆はもっと。

乾燥した鞘がついた枝ごと収穫して、地面にビニールシートをひいた台の上で棍棒でたたいて豆だけを落とすという原始的な方法。

これを何十束も。

シートに集まった豆にはまだ鞘のカスなどが残っているので、それを本来の昔ながらの手作業では唐箕という器具で風を使って仕分けるんだけど、ウチにはそれも残ってなくて、手箕っていう道具と自然の風でカスを取り除く。

この作業中は来年の作付け量を本気で減らそうって考えがアタマをよぎります。

自然栽培は可能

無肥料無農薬栽培は自分でやってみてできたので可能です。

むしろ自然栽培むき。

鞘が汚れたり変色していても中身は大丈夫なことが多いし、そもそも肥料はそんなにいらない。

耕作放棄地を転換するときにも最初に栽培するのがおすすめ。

ただ砂地はむずかしそう。

結構水を欲しがる作物で、とくに鞘が肥大する時期に水分が必要だけど、日本では乾燥した気候のことが多いので、水持ちの良い土地のほうが良いものができる。

あと、カメムシは注意。

枝豆のときはそこまで気にならないけど、大豆になるとカメムシに吸われたアトが黒くなってしまう。

見た目は商品として売るなら、まだ今の日本の市場では必要なこと。

料理として加工しても「そんなもんだ」ではお客様は納得しない人のほうがまだまだ多いし。

あと卵を産み付けるので、鞘が肥えてても中身空っぽっていうことになります。

カメムシ対策としては、ミントを嫌うとものの本にあったので、農園の隅にはびこっている、いや、育っている大量のミントでミントティをつくり、冷ましたものを霧吹きしてみたことがある。

ま、結果は気持ち程度だったけど、そういう自然なアプローチと並行して、害虫対策は地道に朝に手で取るのがいちばんだ。

それと卵を産む時期、これは大豆の花芽がつく頃だが、その頃にかん水してそれを防ぐというのもある。

栽培面積が広いほど、自然栽培は難しく、重労働が増える。

大豆栽培で自然栽培をするには土寄せはいらないと思う。

少し密植気味に播種して、ある程度大豆の背丈がのびるまでは畝間の雑草管理はちゃんとして、背がのびたらもうそんなに草はでてこないので、摘心して枝をふやし、低い重心にすれば良い。

ウチはいつもこうだがまったく問題ない。

豆、やっぱいいよね。

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