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黒澤友貴の日報

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マーケティングの仕事をしたり、NPOの仕事をしたり、北欧に視察へ行ったり…領域を越境しながら生きている中での学び・発見を書いたことのまとめマガジン
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#マーケティングトレース

マーケティングを江戸時代から学ぶ~三井越後屋の戦略をトレース~

経営思想家のドラッカーは著書『マネジメント』の中で、東洋におけるマーケティングの始まりを17世紀半ばの三井高利だと書き、三井越後屋のマーケティングがアメリカの百貨店シアーズ・ローバックの基本方針より250年も先んじていたと評価をしていることは有名な話です。 現在使われているマーケティングの考え方は、米国から輸入された考えが大半ですが、改めて日本独自に生み出された考え方を事例を体系化していくことが大切だと考えています。 この記事では、ドラッカーも取り上げた三井越後屋をテーマ

ユニクロ本を読んで、改めてユニクロの凄さをトレースしたくなったのでまとめてみた

話題になっているユニクロ本を読みました。 あまりにも面白くて一気に読んでしまったのですが、さらに学びを深めるために… 改めてユニクロ・ファーストリテイリングのマーケティングトレースをしてみました。 印象に残ったのが、柳井社長が「既存の洋服にはないユニクロならではの、日本ならではの新しい価値観とは何か?」という禅門答を繰り返す中で、有名な「LIFEWEAR」のコンセプトをつくりあげたこと。 柳井社長がクリエイターを巻き込み、現場で試行錯誤しながらつくりあげてきたプロセス

チキンラーメンのブランディングトレース-「カラー・形・パターンの工夫」が選ばれる続ける理由になる

みんな大好き、国民食と言っても良いであろう「チキンラーメン」 今日は、チキンラーメンには強いブランドとは何かを学ぶ要素が詰まっていることについて書きたいと思います。 最初に、チキンラーメンのブランド構造をトレースした全体像をご紹介します。

オランダの建築家グループ Space and matterに学ぶ、実証実験のコツ

マーケティングの世界では、「実証実験を行う」「テストマーケティングを行う」といった言葉が使われます。 これからの目的は「意味のある検証」をすることです。 しかし、多くの実証実験は何となくエビデンスを集めることに留まってしまうことが多々あると感じています。 そんなことを考えながら、欧州の実証実験に関するプロジェクトを調べていたところ、アムステルダム市と協働をしながらサステナビリティのプロジェクトを先導している「Space and matter」という建築家グループのことを

オランダ発のサーキュラーブランド「MUD JEANS」から学ぶ、顧客・産業・地球の3つの循環サイクル

オランダ・アムステルダムに来ています。 1週間ほどで、アムステルダム→コペンハーゲン→パリ→ブリュッセルを回る予定です。 今回の旅のテーマは、 未来に求められるブランド戦略って何? を考え直すことです。 ヨーロッパは、 「脱成長戦略」 「循環型経済(サーキュラーエコノミー)」 など新しい考え方をもとに国の戦略が進められています。 その中でも、アムステルダムは2050年までのサーキュラーエコノミー戦略を実現する戦略を大々的に打ち出しており、欧州の中でも先行事例として注目

真鶴町から学ぶ、小さくても強いブランドをつくるヒント

神奈川県の真鶴町という町をご存じですか? 先日に建築家の方と話をしていて、神奈川県真鶴町の魅力を教えてもらいました。 条例に「美の基準」を定めて、まちづくり・景観づくりをしているとのことです。 真鶴町は、この数年は移住者が増えており、その理由も「美の基準」をもとに守り続けてきた風景と文化にあるとのこと。 たしかに、町の条例に「美」という定性的で捉えどころが難しい判断軸を持ち込んでいる取り組みが興味深く、ずっと気になっていたので、足を運んでみました。 訪れてみて、この

任天堂が独自なゲームをつくることができる裏側をトレース

2023年に最も影響を受け、尊敬したブランドはどこか? 自分にとっては… 任天堂です。 自分は、社会人になってから全くと言っていいほどゲームをやらない人間になってしまっていました。 学生の頃は、ポケモンをゲームボーイでプレイし、家族で任天堂DSで脳トレをみんなで遊んでいました。 仲良くしている友人が、任天堂Switchに激ハマりしていたことをきっかけに 今年の夏にNintendo Switchを購入しました。 任天堂らしい体験Switchの体験は、ゲームに苦手意識を

100人全員がマーケティング思考を持っている組織は強い

この2つの組織はどちらがマーケティングの成果が出やすいだろうか? 自分の考えです。 成果を出しやすいのは、 2. 100人全員がマーケティング思考を持っている組織 だと考えています。 10年以上マーケティングの世界に関わってきていて、一番成果が出た組織はこのような特徴がありました。 ちなみに、その組織にマーケティング部はありませんでした。 マーケティングという言葉を使わなくても、全員がマーケティング思考をもっている。 全員が顧客の課題を解決することに当事者意識をも

マーケティングトレース-マーケターの筋トレ-とは何か?

マーケティングトレースのフレームワーク活用について全体像をまとめています! はじめてマーケティングトレースを実践する方に向けて書いています。 1.マーケティングトレースとは?2. マーケティングトレース事例例えば、お菓子のスタートアップBAKEのマーケティングトレースをするイメージご紹介します。 マーケティングトレースはnoteで発信することを推奨しており、こちらの記事ようなアウトプットを出しています。 3.マーケティングトレース_ワークシート基本ワークシートを下記にま

お菓子のスタートアップBAKEのマーケティングトレース

本日は、焼きたてチーズタルトBAKEのマーケティングトレースです。 このトレースのために新宿ルミネにあるBAKEにフィールドワークに行ってきました。 BAKEの特徴を先にお伝えすると、 「1ブランド1プロダクト」×「工房一体型」×「駅ナカ」 の3つです。 ※後ほどご説明します。 上記3つの要素は、写真の中に全て含まれています! 左側にあるのがあチーズタルト専門店BAKE 右側にあるのがスイートポテト専門店「POGG」 どちらも駅ナカ、工房一体型、シンプルな1プ

東京ばな奈が東京土産の定番になった理由をトレースしてみた

先日に東京ばな奈のマーケティングトレースを行いました。 こちらがマーケティングトレースシートです。 みなさん、東京ばな奈にどのようなイメージがありますか? 自分のイメージを正直にお伝えすると… 「東京ばな奈」はド定番過ぎて、自分ではあまり買いたくない… でした。 しかし、よくよく考えると、 「東京お土産のド定番」 になっているの凄いよな… と思って調べてみると、 ・東京ばな奈は1991年に作られて30年以上も売れ続けているロングセラー ・大元のグレープストーンは

chocoZAPの新市場を創るマーケティング戦略からの学び

RIZAPグループの決算説明資料を読んでいたら、コンビニジムのカテゴリーをつくり出している「chocoZAP」がものすごい成長していることを知りました。 会員数は55万人(2023年5月15日時点)。「年商200億円規模」(5月の決算説明会より)を稼ぎ出すビジネスに急成長していました。 年内には、エニタイムフィットネスやカーブスなどの先行プレイヤーを追い抜き予測も出ています。 急拡大する事業の裏側にあるマーケティング戦略のポイントを整理してみると学びが多かったです…

AIを活用して2050年のマーケティング戦略を考えるトレーニングを開発してみた

以前に「ChatGPT時代に人に求められるのは妄想力ではないか?」とツイートをしました。 AI関係のツールを触る中で、未来のマーケティング戦略を妄想するトレーニングができるのでは?と思いつき、流れをまとめてみました! #未来マーケティングトレース と名づけています。 1.既存のマーケティング戦略をトレースするまずは、既存のマーケティング戦略を分析(トレース)します。 既存のマーケティング戦略整理は、マーケティングトレースのフォーマットを活用します。 未来を予測する

マーケティングの学び方の変化について考えたこと

今日は、AIによるマーケティングの学び方の変化をテーマに書いていきたいと思います。 マーケティングトレースも、学び方を根底から変える必要があると考えています。 なぜなら… マーケティングトレースは、優良企業のマーケティング戦略をフレームワークを活用して分析するトレーニングとしてつくりました。 PEST分析、5Force分析、STP分析、4P分析+自分なりの仮説を整理するのに、約2~3時間はかかっていました。 それが、Notion AIを活用することで、大枠の分析は1