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アルメニアによる停戦合意違反でアゼルバイジャンと武力衝突

 アゼルバイジャン領ナゴルノ・カラバフの一部を事実上実効支配する「アルツァフ政権」(自称「アルツァフ共和国」)を巡り、アルメニア共和国がアゼルバイジャン共和国に武力侵攻し、双方に死者が出た。
 「アルツァフ政権」はアゼルバイジャン内のアルメニア系住民が主導で作られた自称国家で、アルメニアは国家承認をしてはいないが、その実効支配区域に軍隊を駐留していた。
 令和2年(西暦2020年、皇暦2080年)にアゼルバイジャンが「アルツァフ政権」の実効支配区域の奪還を目指して軍事行動を行い、その後の停戦合意ではアゼルバイジャンが多くの領域の実効支配を回復することが事実上認められていた。
 アゼルバイジャン側の発表によると、アルメニアは停戦合意に基づきロシア連邦が実効支配している地域で軍事行動を起こした。
 武力衝突の場所はケルベジェル県とラチン県を覆う山脈にあるクルクズ高地。両県は令和2年の紛争を受け外務省が退避勧告を出していたが令和3年(西暦2021年、皇暦2681年)に退避勧告を「渡航中止勧告」に引き下げた場所で、武力衝突から一週間以上たつ現時点においても外務省は「退避勧告」を出していない。
 今回の件について、令和2年には中立を保っていたロシアはアゼルバイジャン側を非難する声明を出した。
 「アルツァフ政権」はアブハジア共和国と南オセチア共和国から国家承認を得ているが、事実上の後ろ盾であるアルメニア共和国を含む日本が国家承認している国からは国家承認を得ていない。
 一方、現在ロシアと対立しているフランス共和国は以前からアルメニア共和国への支持を表明しており、また、ウクライナ紛争を巡ってロシアに対して中立の態度で臨み関係強化を目指しているトルコはアゼルバイジャンを支持する立場で、今回の紛争でロシアがアルメニア側に立ったことはウクライナ紛争をめぐる構図を変化させる可能性がある。
 アゼルバイジャンを巡っては、前述のフランスとの対立の他、スペインの物理学者アントニオ・トリル氏が「我々が彼らに民主主義をもたらすことの良いことだ」としてアゼルバイジャン侵略を提唱するなど、ヨーロッパ諸国との関係が悪化していた。


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