3月末に統一地方選の行われたトルコでは、イスタンブール市長選で与党・公正発展党の候補者が落選し最大野党・共和人民党の候補者が当選した。
イスタンブール市はアジアを基盤に持つもののヨーロッパにもまたがるトルコ共和国のヨーロッパ側の領土にある都市で、オスマン帝国の首都であるなどトルコの歴史上著名な都市である他、現在もヨーロッパ有数の国際都市とされ、エルドアン大統領自身がかつて市長を務めていた象徴的な都市でもある。
欧米リベラル派からは「独裁者」扱いされているエルドアン大統領だが、実際には立憲主義的な手続きを重んじている人物であることもあり、今回の敗戦によりかつてから公言していた任期不延長の路線が変更される可能性は殆どなくなったとみられる。
エルドアン大統領は敗北の理由を支持者の棄権や生活費の高騰に求め「まず自分の責任を追及する」と述べた。
今回の統一地方選で勢いを伸ばしている共和人民党は、トルコ共和国の国是であるフランス型の厳格な宗教排除政策の維持を求める左翼政党であり、近年保守化が進んでいたトルコにおいて左翼勢力によるバックラッシュが起こっていると言える。
左傾化は日本やアメリカだけの問題ではないようだ。