見出し画像

私の言う「保守二大政党制」は「二大国民政党制」の意味

 皆様、ごきげんよう!私が「保守二大政党制」と言うと、アンチでない方からも左右双方から批判が来るので、今回「保守二大政党制」の意味を説明させていただきます。
 右側からの批判は「そもそも自民党は保守政党では無いじゃないか!」というもので、左側からの批判は「リベラル派や革新派を排除するな!」というものです。
 なるほど、確かに「自民党に代わる保守政党を作る!」と言うと「自民党を保守政党と認めているのか!」「2ショット3万円の緑の狸みたいにリベラル派を“排除”する気か!」と言う誤解を招きそうですね。
 ここで言う「保守政党」とは「保守主義政党」というよりも「国民政党」に近いニュアンスで用いています。
 マスコミが「自民党は保守政党」と言う時も、まさか「岸田文雄や河野太郎、二階俊博は保守主義者である!」という意味で言っている訳では、無いでしょう。もしもそうであれば、そのマスコミは意図的にデマを流している極悪人ですが、人を勝手に悪者扱いするのはよくありません。
 通常「保守政党」は「国民政党」の意味で用いられ、これは「階級政党」や「前衛政党」、「宗教政党」等の対義語です。
 つまり階級・思想・信仰等を越えた幅広い国民を包括する政党ですので、左派側はやや批判的な意味合いを持って「包括政党」と呼ぶことがあります。
 こういう幅広い国民を包括している政党は、必然的に“保守的”な傾向を帯びます。右翼から左翼まで様々な国民が内部にいると、極端な変革を行うことはあまりないからです。
 とは言え、この「国民政党」が複数存在するとお互いが選挙で違いを打ち出さないといけなくなりますから、両党がお互いに幅広い国民が納得できそうな漸進的な改革案を打ち出し、それを国民が選択するという事になります。
 アメリカで言うと、WASP(アングロサクソン系プロテスタント教徒)を支持母体としている共和党がユダヤ人や有色人種の支持者獲得も目指しており、プロチョイスを党是にしている民主党もプロライフ色の強いカトリック教徒等の党員を包括している、という風に両党が幅広い国民の支持を集めようとしている結果、極端な政策が実行されにくいようになっています。
 もっとも、アメリカは今分断が進んでいるため、トランプ前大統領やバイデン大統領は党内の反発を無視してでも「大統領令」を濫発することがあります。ただ、独立命令の存在しない日本ではそのようなことは不可能ですので、アメリカよりも二大政党制が上手く機能すると期待できます。
 イギリスでも、保守党が労働者階級の約3分の1からの支持を集める等しており、労働党も労働組合以外の党員をも受け入れる等しており、いずれも幅広い階級から支持を集める国民政党になろうという努力をしています。
 またイギリスの場合はアメリカとは違い立憲君主制が根付いていることも相俟って、二大政党制が政治の安定に寄与しているのです。
 もっとも、ここまで書いてなんですが、私にとって最良の案は「保守三大政党制」つまり「三大国民政党制」の樹立です。
 アメリカの二大政党がしばしば先鋭的になるのは大統領が独立命令を出せることもありますが、やはり二つの国民政党が選挙のたびに「向こうとは違います!」とアピールしていると、そりゃ先鋭的になることもあるわな、という話です。
 一方、イギリスの場合は自由民主党という中間派の政党があります。こちらは「保守主義の父」エドマンド・バークの所属したことでも知られるホイッグ党の後身である自由党と社会主義政党である社会民主党とが合流して出来た政党で、足して二で割ると中間派になった感じです。
 つまり、イギリスではいわゆる「第三極」も国民政党であるからこそ、二大政党が極端に振れると中間派が第三極に逃げられてしまうから先鋭化は出来ない、という構図がある訳です。
 それに対して、日本では第三極の日本維新の会の新自由主義色が強すぎるため、社会民主主義傾向のある有権者は立憲民主党に失望するとなんと自民党に投票してしまうという、怖ろしい構図になっております(直近の選挙結果を分析すると、立憲民主党の左派票の一部が明らかに自民党に流れています)。
 立憲民主党も残念ながら現時点では国民政党と見做されていない訳ですが、第三極の皆様にも国民政党化を頑張ってもらわないと、自民党が唯一の国民政党と見做されている現状では「右も左も自民党に投票」ということになり、永久に政権交代が出来なくなる地獄の出現です。
 というよりも、現にネトウヨとしばき隊の双方が「泉健太よりも岸田文雄の方がマシ!」とか言う訳がわからんことを言っています。ネトウヨやしばき隊が極端ではない証拠に、岸田政権になってから自民党の得票数は増えています。
 そういうことにならんために、自民党以外に国民政党があと二つ必要なのですが、先ずは最初の一つを作らないといけない、そして、日本維新の会は(尊敬する政治家もいるものの)まだまだ新自由主義色が強すぎるしカジノ推進とか言っているところに私は入れない、また、日本共産党も一時期は国民政党化を目指しているように見えましたが現実問題「分派禁止(派閥活動禁止)」を掲げている以上は幅広い国民の支持を集めることは不可能である、ということで、立憲民主党と国民民主党に私は期待している訳です。
 なお、その中で立憲民主党に所属している最大の理由は、立憲民主党には複数の派閥・グループが存在していることです。派閥政治を悪という方もいますが、党内で意見の異なるグループが多数存在することは、むしろ国民政党としては健全な状態です。
 逆に異論を排除する政党が権力を握ると、如何に民主的に選出されても、独裁政治になって仕舞います。その意味で、立憲民主党は党内の多様性を維持することにより国民政党としての道を歩み、政権を握れるようになってほしいのです。

ここまでお読みくださり、本当にありがとうございます。 拙い記事ではありますが、宜しければサポートをよろしくお願いします。 いただいたサポートは「日本SRGM連盟」「日本アニマルライツ連盟」の運営や「生命尊重の社会実現」のための活動費とさせていただきます。