ラリー・ドッシー『平凡な事柄の非凡な治癒力』

世界各地の叡智の伝統は、神聖なものに対する最大の障害の一つが自我だと教えています。大自然の中での経験は、その過程で自我の働きを止める傾向があります。長期間自然の中で過ごしていると、肥大した自己意識をもち続けることはまったく不可能です。〔…〕自己の影が薄くなると、神聖なものが見えやすくなります。これが、前近代的な人々が単独で荒野へヴィジョン・クエストに出かけて聖なる存在と直接の回路を開こうとした理由です。

ラリー・ドッシー『平凡な事柄の非凡な治癒力』小川昭子訳、日本教文社、2006年、307頁。

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