「4-4-2」に関する独断と偏見を交えた考察
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こんばんは。
しばらく更新を怠っていました。すみません。
しかし部活がないとめちゃめちゃ暇ですね。暇すぎて時間を浪費してる感が半端ないです。
さて今回は5-3-2以来の僕の独断と偏見に満ちたフォーメーション論、4-4-2編です。思えば僕は割と4-4-2に馴染みがあるサッカー人生を送っているような気がします。中学時は4-4-2と同系統の4-2-3-1でシーズンを戦い、高校時はほぼ4-4-2でした(1試合だけ4-1-4-1でやった記憶があります。その時は割とうまくいっていたのでこれから4-1-4-1でやるのかなーなんて思ってましたがそんなことはありませんでした)。そんな4-4-2に関することをつらつらーっと書いていきます。
まず4-4-2についての情報をおさらいしておきましょう。
見て分かるようにピッチにバランスよく人が配置されているのが特徴です。ピッチを縦に2分割するともっと分かりやすいかもしれません。人がいないところといえばサイドハーフ(以下SH)の前のスペースくらいでしょうか。このバランスよく人を配置できることが4-4-2最大の利点だと僕は考えます。自陣に引いて守備のブロックを作っている時の4-4-2は以下のようになります。
ご覧のように相手が使うスペースを無くして、コンパクトな陣形を保つことができます。矢板中央のようにサイドバック(以下SB)がペナルティエリアの隅に位置すれば中央にはスペースがほとんど存在せず、相手をアウトサイドレーンへ誘導することができる=ゴールから遠ざけることができます。
逆に相手陣地に押し込んでいる時を考えてみましょう。
ラインを高くして、全体をコンパクトに保てば相手が使うスペースはやはり少なくなることが分かります。このように人をバランス良く配置でき、コンパクトな陣形を保つのに4-4-2は最適なのです。アリーゴ・サッキのACミランがゾーンプレスを採用し、多くのタイトルを獲得した際も4-4-2だったのはこのコンパクトな陣形を保つのに4-4-2が最適だったからではないでしょうか。さらにプレーのインテンシティを高めることでプレッシングを発動し、相手の攻撃を機能不全にしたのでしょう。
人をバランス良く配置でき、コンパクトな陣形を保ちやすい以外にもメリットは存在します。それは相手ボランチのパスコースのカットがしやすいことです。
相手が2ボランチの場合は図のように味方の2ボランチがマークにつくことができます。
逆に相手が1ボランチの時もフォワード(以下FW)を1枚下ろすことによってDFから中盤の底のアンカーへのパスコースをカットすることができます。3ボランチの時は先述のようにアンカーへのパスコースはFWがカットし、2枚のインサイドハーフに対しては2ボランチがマークにつくことでパスコースを完全に無くすことができます。
ここで気づいた人もいるかもしれませんが4-2-3-1が4-4-2と同系統のフォーメーションだと言われている理由はこれです。中盤のパスコースをカットする際に4-4-2のFW1枚が下がりトップ下となることで4-2-3-1となるからです。
では逆に4-4-2のデメリットといえば何でしょうか。1番のデメリットはやはり間受けに対しての弱さでしょう。先程コンパクトな陣形を保ちやすいと説明しましたがこれは緻密なラインコントロールがなければ意味がありません。全体が縦に間延びしてしまえば相手が使えるスペースが途端に増えてしまいます。
また横に広がってしまった場合も選手と選手の間のギャップが広がってしまい、そこを相手に使われてボールポゼッションを優位に進められてしまいます。
つまり4-4-2はラインコントロールや選手の距離感を保つ動きがなければコンパクトという最大のメリットを失ってしまうのです。そのため選手のコミュニケーションやコンパクトを保つためのトレーニングが欠かせません。
またバランスよく人が配置されているという点は守備面ではメリットの方が大きいですが攻撃においてはデメリットの方が大きいと言えるでしょう。
まず4-4-2のミラーマッチとなった場合に全ての選手にマークがついてしまうという攻撃において最悪の状態が生まれてしまいます(4-4-2以外のフォーメーションではこのような現象は起こりません。あったとしても一部のポジションの選手がマークにつきやすいというくらいです。実際に色々なフォーメーションで試してみると分かりやすいと思います)。こうなってしまうと個々の動きだしやドリブル突破などがなければボールポゼッションはうまくいきません。そのため攻撃面においては少々工夫が必要になってきます(工夫については後ほど説明します)。
4-4-2のミラーマッチの図(攻撃側が赤、守備側が青) 全ての選手にマークがついてしまうことが分かる
以上が4-4-2についての基本的な情報です。ここからは4-4-2のバリエーションや可変システムについて書いていきたいと思います。
まず中盤をダイヤモンド型にした4-4-2についてです。表記が4-3-1-2となることも多いこのフォーメーションは先述したフラット型の4-4-2に比べて攻撃よりのものになります。
フラット型の4-4-2によりも中盤の選手が浮きやすい状態になることが分かります(主にダイヤモンドの縦の頂点になっているトップ下とアンカー)。このトップ下は相手の間でボールが受けやすくなっているのでエジルのような決定的なスルーパスを出せる司令塔タイプの選手を配置すれば、攻撃を活性化させることができるでしょう。一方アンカーはボールを受けてから長短のパスを的確な位置に配球できる選手が求められます。
次はボックス型の4-4-2です。一時期のライプツィヒのように4-2-2-2と表記されることが多いです。
この場合だとSBの前にSBが上がっていくための大きなスペースが空いているのでSBに上下移動を多くさせることでワイドの位置をとらせて、残りのFW2枚とオフェンシブミッドフィルダー(以下OMF、FWの後ろの2列目の選手たち)で相手のギャップを狙っていく形です。
写真は動きの一例です。
この他にもサークルディフェンスという4-4-2の新たなコンパクトな守備についても紹介しようと思いましたがここでは敢えて書かないことにしようと思います。気になる方はフットボール戦術批評"クロップ魔法陣"の全貌を買ってみてください。
以上で今回の4-4-2についての記事を終わりたいと思います。何か意見などがありましたらどんどん送ってください。読みづらい文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。
引用・参考文献
サッカー4-4-2戦術クロニクル 守備陣形の復興と進化西部謙司氏 2017
footballista 3月号 日本サッカーが今、知るべき戦術的ピリオダイゼーションって何? 2020
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