見出し画像

生きる意味

皆さんは生きる意味について考えたことがあるだろうか。

私はふと気づいたときに、自分の身体が「桃柄智希」として動いていることが不思議に思う瞬間がある。幽体離脱して横から自分を見ているような。
一瞬だけだが不思議な感覚に陥る。

なぜ自分は動いているのか、なぜ自分はこう思ったのか、考えても答えなんて出ない。出せるはずがないのだ。

先祖代々命をつなぎたまたまこの家庭に生まれた。ただそれだけのこと。
私は何事も深く考えず、これが私の運命なのだと思って生きている。

基本的に楽観的な私だが、1度だけ精神的に追い詰められたことがある。


2020年最初の緊急事態宣言中に、当時付き合っていた彼女に振られた。

いつもの私なら少し落ち込む程度で2,3日すれば気持ちを切り替えられるのだがその時は違った。

雨の日曜日、緊急事態宣言中のため家でくつろいでいた日中のこと。
突然彼女に話があると呼び出された。
少し嫌な予感を抱きながら彼女の家に行くとその予感は的中した。

突然だった。
いつもそうだ。過去にも何度か同じように振られたことがある。
やはり私はつまらない人間なんだ。優しいだけのつまらない人間。
私という人間を全否定された気持ちになった。

大学時代の友達のように、明るく楽しい人間に生まれたかった。今もそいつに憧れている。

自宅に帰り放心状態になっていた。何も考えられない。瞬きするのも忘れるぐらいぼーっとした状態だった。

コロナのせいで世の中が暗く、緊急事態でどこにも行けない。さらに追い打ちをかけるように冷たい雨がしとしと降っている。

私は今までにない孤独を感じた。
どこにもぶつけられないこの感情。どうすることもできなかった。

なんのために生きているのだろうか

その時はっきりこう思ってしまった。

人生を辞めてしまう人の気持ちが少しわかったような気がした。
こんな気持ちは初めてだ。
世の中にはもっとつらい思いをしている人はいっぱいいるのに、ちっぽけな出来事でこんなにも追い込まれてしまった。

その夜、大学時代の友達がzoom飲み会を開いてくれた。
変わらない友達のおかげで少しだけ楽になった。最高の友達だ。

しかし翌日からの仕事中もまだ気持ちは落ち込んだままだった。

そんな状態が数日続いたある日の夕方、私のデスクの近くに社長が来た。
社長は私を見つけると、
「お前朝礼の議事録まとめるのうまいな。俺があんなに早口で長々と喋ってるのに、すごくまとまってるよ」

褒めて頂いた。

コロナが流行りだしてまだzoomが整っていない頃、テレワークをしている人たちに朝礼の内容を伝えるために議事録を配信していた。当時それを私が担当していたのだ。

傷心し疲れ果てていた私の心にその言葉が突き刺さった。涙がこぼれそうになり、倉庫の奥で一人泣いた。

「私でも褒めてもらえることがあるんだ」

その後気持ちを切り替えることができ、


私は今も生きている









いいなと思ったら応援しよう!