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「女囚さそり 第41雑居房」

知ってたけど、初めて観た「女囚さそり」シリーズ。最初の作品だと思ったら第二弾だった。

「女囚さそり 第41雑居房」(72年、伊藤俊也監督)だ。

確かに“女囚さそり”こと松島ナミ(梶芽衣子)は特別に美しい。ほとんど言葉を発することなく、大きな冷めた目で男どもを睨みつける姿は惚れてまう程魅力的だ。

でも、コレは、“コドモ向けのマンガ”だな。トンデモ過ぎるよ。刑務所の暴力看守の行いや石切場の強制労働なんて、ココは北朝鮮かよっ!って。
十字架みたいな木を背負わせて、ストッキングで顔を隠した看守どもが、コレも職務だと言って、ナミを凌辱するなんて、天知茂の明智小五郎シリーズかよっ!って。

全編に渡って、逃げた女囚たちの血を吐くような痛い叫びが溢れてて、狂気を表現してるのだろうけど、昔の邦画にありがちだが、過剰すぎて白けてしまうね。

所々、前衛的な空想世界のような演出がなされてるけど、うーむ、それもセンスがないよ。

脱走した女囚のリーダー、まさに“狂気女優”と言われた白石加代子が怖すぎる。浮気した亭主憎さのあまり、その赤子を殺すために自分の腹に刃物を突き立てた過去を持つ役で強烈な印象を残す。

ショッカーみたいな官憲、看守、法務省の役人、バス旅行の助平な野郎どもに徹底して復讐するってのは痛快だけどね。

梶芽衣子の歌う「怨み節」は素晴らしいね。

♪花よ綺麗と おだてられ
咲いてみせれば すぐ散らされる
馬鹿な バカな 馬鹿な女の 怨み節♪

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。