【映画】「エル (ELLE)」

2016年の、奔放な性を扱ったサスペンス(?)映画「エル (ELLE)」。監督は「ロボコップ」「スターシップ・トゥルーパーズ」「トータル・リコール」のポール・バーホーベン。

いきなり覆面をした男の暴行(レイプ)のシーンで始まりビックリ。

暴行を受けた女性ミシェルが主人公なのだが、彼女はゲームクリエイター会社のトップで、元夫も含めて複数の男と関係を結んでおり、会社では強権的な手腕を発揮する強い中年女性。

父親がたくさんの女児を殺した連続殺人犯で長期間、刑務所に服役してる。母親も若い“ツバメ”を囲うなど性に奔放な一面を持つ。

父親は彼女も暴行し、さらに事件当時、ミシェルはメディア他に執拗な攻撃を受けたことで、深いトラウマを抱えている。ミシェルは、警察も信じてないから、暴行を受けようとも警察に訴えることはない。

そんな中年女性の特異な日常なのだが、とにかく周りの野郎どもによくモテる。しょっちゅうストレートに「やらせてよ」と誘われる。俺なんかロリコンだから、なんだ、おばさんじゃん、と思うが、ミシェルは軽くあしらうか、合意して性を精一杯楽しむ。

全く凡庸なモラル・道徳を超えた自由な性を楽しんでる。俺も、責任のある大人の女性が自分の性をどう扱おうが、それは全くの自由だと思う。例え売春でもだ。

実は暴行犯は近所に住む付き合いのある銀行員だったのだが、ミシェルは復讐のために武器を揃えたりしながらも、男をパーティに誘ったり、一緒に部屋で食事したり、窓から双眼鏡で男を見ながらオナったり、いやはや、もう理解不能な場面が続く。

結局、また暴行にやって来た男を息子が殴って殺しちゃうことになるのだが。この息子が嫁の尻に引かれた弱いダメ男で、母のミシェルとの仲も良いとは言えない。

バホーベン監督が描く女性はカッコいいね。何があろうと颯爽として前を見て歩いてて、ウジウジすることなく常に闘ってて、クズな野郎どもを蹴散らすようにとんでもなく強い。

この映画も、そんな女性を主人公に人間が持つ根源的な欲望(性)を描きながら、社会的モラル・道徳をベースにした常識といったものに疑問を投げかけているのだと思う。

本来なら性は自由であるべきだけど、そこに禁止や縛りを設けた方が逆に燃え上がるから厄介なものだね。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。