【古典映画】「キング・コング」

1933年の、最初の「キング・コング(King Kong)」(米、メリアン・C・クーパー&アーネスト・B・シュードサック共同監督)を観た。

キングコングは、ゴリラに魅了されたクーパー監督が半人半獣の“地獄の夢の怪物”として創造したという。

古い映画だから、人形のキングコングを、一コマづつ撮影して、繋げて、連続して動いてるように見せる“コマ撮り”技術を使ったものだけど、けっこうなハラハラドキドキの展開で面白かった。古い特撮も味があって良ろし。それに、アメリカの帝国主義的側面も現れてるし。

アメリカの映画監督が、ジャングルの冒険映画を撮るために、ヒロインも連れて、未踏の島、髑髏島へ行く。
そこで原住民の儀式を見て、キングコングの存在を確信する。
船で休んでたら、ヒロインが原住民に拐われてしまう。
ヒロインはキングコングへの生贄だった。
程なくしてキングコングが現れ、ヒロインを攫っていく。
映画監督らはキングコングを追い、爆弾で気絶させて、船に積んで、NYに戻り見せ物にするが…。

「キングコング」以前に、黒人女性がゴリラと関係を持って、極めて人間に近い猿の子供を産むという映画も作られたことから、白人美女と凶暴な野獣という定番の設定の初期エクスプロイテーション・ムービーといえると思う。

当時、美女と野獣という設定は、ウケて、映画界に莫大な利益をもたらしたという。

勝手に、原住民が平和に暮らすジャングルにやって来て荒らし、キングコングを驚かせて怒らせて、捕らえてNYに持ち込んで、金を取って見せ物にして、キングコングが驚いて逃げ出したら、機銃掃射で殺すという哀しい展開だけど、キングコングはただ白人美女が好きになっただけなのに。NYでも彼女を追いかけただけなのに。ちゃんと彼女を気遣って守ってるし。

まあ、怪獣映画の古典中の古典なのだが、アメリカ文明の象徴であるエンパイアステートビルで、未開の野生のキングコングが撃たれて落ちて死ぬというアメリカ帝国主義の揺るぎなき強さを象徴してるような…。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。