「冷酷 座間9人殺害事件」

2017年に発覚したこの事件、犯人の白石隆浩はすでに死刑が確定してたのか。

一見、優しそうな顔をしてるが、Twitterで「首吊り士」など複数のアカウントを使って、自殺志願者を集めて、結果、入居するアパート室内で9人を殺害・解体したシリアルキラーだ。

前半は白石への獄中インタビュー、後半は裁判の模様で構成される。

被害者のほとんどが若い女性だけど、白石の目的は暴行もしくは金で、「相手の平常時にいきなり襲って失神させて暴行することが快感だった」と話している。

事を終えると、首を絞めて殺し、遺体を、浴室で数時間をかけて解体し処分する。一部、死姦行為も行なっている。

もし、事件が発覚しなければ、「いずれかのタイミングで遺体をレンタルルームか、山に埋めるなどして部屋から持ち出し、引っ越して、Twitterで見つけた女性の部屋に転がり込んで、リセットするつもりだった」という。

裁判で、被害者の遺族について聞かれると、「本人以外とは面識がないので、強い感情が湧くことはない」と淡々と答えてる。

白石と両親との関係も、著者も書いてる通り不可解だ。以前、白石が別件で逮捕された時も、彼と会うことも連絡もしてない。この事件でも両親共に一度も面会に訪れてない。この、白石と身内の間の“深い溝”はなんなのだろうか。

被害者も、遺族は当然、強い憤りを持って極刑を望んではいるが、当事者は家出を繰り返していたり、やはり、どこか“溝”を感じてしまう。

白石も、抵抗することなく、すぐに逮捕に応じているし、裁判でも弁護士に抵抗して、控訴することなく自ら死刑確定を望んでいる。

Twitterに集まる自殺志願者と、それを利用して人間的な欲望の発散を遂げる白石…全てに、思考能力を奪うような、ハッキリとしないモヤモヤとしたものを感じてしまう。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。