【古典映画】「史上最大の作戦」

定番のアメリカの戦争映画「史上最大の作戦(The Longest Day)」(1962年、ケン・アナキン、ベルンハルト・ヴィッキ、アンドリュー・マートンの共同監督)。

ガキの頃、TVで観たぞ。ラストの音楽は超有名だね。

第二次世界大戦における連合国軍の「ノルマンディー上陸作戦」を描いた3時間近い映画だけど、ジョン・ウェインやヘンリー・フォンダ、怪優ロバート・ミッチャム、ショーン・コネリー、ロバート・ライアン、ジェフリー・ハンター、ポール・アンカ等々、当時のハリウッド・スターの錚々たる面々が出演してたんだねー。

やっぱり、大戦末期の1944年6月、ノルマンディーの沿岸の砲台で、いつものようにノンビリと警戒に当たってた独軍少佐が、一旦眼を離して、再度、双眼鏡を覗くと、海の向こうにトンデモない数の連合国軍の戦艦が迫って来ているのを発見して、対戦の準備をする間もなく、一斉射撃が始まるシーンが一番、興奮モノだな。ドラマチックだ。

これと、落下傘部隊の降下をはじめ、各地で連合国軍の一斉攻撃が開始されて、ナチス・ドイツ占領下の北西ヨーロッパへの大々的な侵攻作戦が展開されるのだ。200万人以上が参加した史上最大の上陸作戦で、ナチス・ドイツ敗北の転機となった作戦だからねー。

スピルバーグの「プライベート・ライアン」(1998年)と比べたら、そりゃあリアルさには劣るけど、観てる方までハラハラドキドキと引き込まれて、作戦成功を祈らざるを得なくなる展開は、さすがの名作だな。

まだ味方(善)と敵(悪)がハッキリとしてた“古き良き時代”の戦争映画って感じかな。

市街戦で、銃弾飛び交う中、10人ばかりの修道女がヘーキで外から歩いて来て建物の中に入って、負傷兵を治療する場面は覚えてたゾ。

1944年6月6日は、ヒトラーのナチス・ドイツからヨーロッパを解放する転機となった記念すべき日として、ヒロイズム・ナルシズム的に語られるような、まさにアメリカ・ハリウッドの映画だけど、当時としては大金をかけて細部までこだわって作られているのはよくわかり、だからこそ引き込まれるのだが、例えば、パラシュートで降下中に撃たれて木にぶら下がった名もなき兵士達、作戦で次々と“消費”されていく兵士達、浜辺で撃たれてバタバタと死んでいく兵士達、対する本部で、焦りながらもどこかノンビリとしてるような指揮官達(「今、ヒトラー総統はお休みになってます」)…これらの悲劇や悲惨さを軽く凌駕してしまう程の歴史的な大きな動きで、これぞ人類が担ってきた戦争という事実なのだ。

ジョン・ウェインとロバート・ミッチャムには圧倒的な存在感を感じてしまう。

野郎ばっかで、女性がレジスタンスに若い娘1人と修道女、家庭のおばあさんくらいしか出てないよ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。