【古典映画】「散り行く花」

アブないフィルム「国民の創生」を撮った“映画の父”ことD・W・グリフィス監督の、1919年のサイレント映画「散り行く花(Broken Blossoms)」(アメリカ)。パブリックドメインでAmazonプライムにて。

淀川長治さんが絶賛してた悲劇の物語。
イギリス・ロンドンの貧民街を舞台にした、中国人の青年(リチャード・バーセルメス)と、父親の虐待を受ける15歳の美少女(リリアン・ギッシュ←ロリコン好みの顔)の、短く儚い恋の顛末だ。

中国から仏教を広めるためにロンドンにやって来た中国人青年チェン。
しかし、厳しい現実に直面し、貧民街で小さな店(何の店だろう?)を経営しながら、アヘンで気を紛らせる生活を送っていた。
同じ貧民街で暮らす少女ルーシーは、日常的にボクサーの義理の父から虐待を受けており、笑うことを知らなかった。
父に「笑え」と命令されると、指で唇の端を持ち上げて応えてた。
ある日、父からの虐待を受けて逃げ出したルーシーは、偶然、チェンに助けられて、彼の店の2階で束の間の安らぎを得ることができた。
チェンは、ルーシーにとても優しく接して、2人の間には恋の感情が芽生えるが、2人のことを知った父がルーシーを連れ戻しにやって来る…。

サイレント映画とはいえ、ルーシーの恐怖に慄く表情がとても豊かで、彼女の断末魔の悲鳴が聞こえて来るようだ。

父親がルーシーが逃げた部屋のドアを斧で叩き壊すところは「シャイニング」じゃんか!

結局、理不尽・不合理な目に遭って、ルーシーもチェンも、暴力オヤジも死んでしまって幕なのだが、中国人のチェンが、能面の様に表情がなくて、極端な猫背で移動して、ルーシーを覗き込むように顔を近付けて…まさにイエローフェイス(ある意味差別的)…めっちゃ不気味に演出されている。コレが当時の東洋人に対するイメージだったのだろうか。

感情移入できる良くできたドラマだとは思うけど、グリフィス監督は「国民の創生」でKKKを登場させて黒人差別的な映画を撮ってるから、この映画もそんな眼で観てしまうね。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。