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「悪霊島」

鹿賀(丈史)金田一の「悪霊島」(81年、篠田正浩監督)をば。

うーむ。まず鹿賀丈史のモジャモジャ頭からして気に入らないし、本来の金田一だったら、キセルなんてしないだろうし、後でも料金を払いに行くと思う。

大好きな古尾谷雅人が演じたヒッピーの若者の位置付けもなんか中途半端でわからない(「丑三つの村」はサイコーだったが…)。結局、越智は父親じゃなかったのか。それに、やっぱ「レット・イット・ビー」もホンモノがいいねぇ。

昔、恋人と無理矢理に別れさせられた島の有力者の娘・巴が、それが原因で狂って二重人格の淫乱となり、産んだ子は腰が繋がったシャム双生児、それが洞窟の中で骨になって祀ってある。後で産んだ子も双子の女の子で、二重人格となった巴は関係を持った男たちを次々と殺して、周りがそれを隠してた…。

家柄と血筋を重んじる島の重苦しいムラ社会の一方で、奔放なエロスが爆発、それに絡んで狂気の殺人が起こるという原作の横溝ワールドは素晴らしいのだが、監督の表現がイマイチだ。

監督の奥さんであった巴の岩下志麻が気分が高まって和室で声を上げながらオナるシーンと、双子の姉妹の岸本加世子(一人二役)が異常にカワユイところは良いけど。

野良犬に顔面をかじられた姉妹の片割れの死体と、片腕を咥えて走り回る野良犬の場面は、往年のチープなスプラッターみたいで微笑ましいな。

横溝作品の映画化としては失敗作だな〜。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。