【古典映画】「モロッコ」

市川崑監督の「悪魔の手毬唄」でも使われたアメリカの古典映画「モロッコ(Morocco)」(ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督)。

1930年(昭和5年)公開の映画で、日本では初めて字幕が付いたトーキー(映像と音声が同期した映画)だ。活動弁士が失業した初めての映画だね。

外人部隊に属する、女たらしの兵士トム・ブラウン(ゲイリー・クーパー)と、仏領モロッコの酒場で歌うアミー(マレーネ・ディートリヒ)の悲恋の物語。

当時の2大スターの共演だけど、女たらしの不良よろしくやさぐれるゲイリーよりも、酒場で、ディートリヒが、生脚を惜しげもなくさらして、客の間を周りながら、エキゾチックに気怠いような甘〜い声で歌う様は、当時はチョー興奮モノだったろうなぁ。彼女のコケティッシュな仕草がとても上品に見える。

トムが、次から次へと現地の女を買ってウロウロしてるけど、ディートリヒはそれを非難することなく、受け入れてるのは時代だからか。お互いに本命は自分とわかっているからか。

ラスト、アミーが、行進する部隊の後を、ヒールを脱ぎ捨てて、トムを追っかけて行くシーンは、「悪魔の手毬唄」で使われてるシーンだね。

「もう帰って。あなたを好きになりそう…」byアミー


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。