「母という病」

つまりは、幼少期における母親との関係如何で人の一生はほぼ決まってしまうということだ。それだけ子供にとって母親という存在は大きなものだ。父親じゃなくて。

ネグレクト、虐待など、母親の愛情不足で関係が“正常”ではなかったりすると、意識するしないに関わらず、生涯にわたって影響されて、母親の愛情を求め、そこにこだわり続けることになるという。そして、母親から子供へ、その子供の子供へ、と連鎖することになるからから怖い。

母親と子供の関係は本質的に決して対等ではない。だから、子供が物心つくまでは徹底的に、側にいてかまって手をかけて、過ぎるほど、たっぷり愛情を注ぐことが大事だ。そして、成長とともに少しずつ離して、独立させてやれば、途中で道を外れたとしても、メンヘラになったり、重大な犯罪に走ることはないだろうと思われる。

ジョン・レノンやヘルマン・ヘッセ、ジェーン・フォンダ、岡本太郎、ショーパンハウエルなど、著名・有名人の、母親との関係が上手くいかなかった「母という病」にかかってしまった例が紹介されている。彼らは病を”表現“という形で昇華させたが、それでも内実は相当苦しんだようだ。

ウチのバアさんは、今思えば、俺が「母という病」にかかるほどではないが、何でも干渉してくる相当な“毒親”だった。反発すると「あなたのためにやってるのよ」が口癖だったが、それは決して俺のためではなく、自分のためだったと思う。自分が満足するためだったのだ。

確かにガキの頃に母親に言われたことは今だに頭に残ってて、時々、思い出すことがある。嫌なことほど。それでも多分、幼少期にはそれなりに愛情を注がれたと思うから、基本的に心を病むことはなかったのではないか。

前のカミさんが酷い統合失調症を患って捨てたけど、母親は教育に関しては相当熱心にやってくれたが、物心ついてから、一度も褒められたり抱きしめられたりした記憶がないといつも言ってた…。

面白くはないけど、読み応えのある本だった。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。