【洋画】「ジョン・レノンを撃った男」

2006年のイギリス映画「ジョン・レノンを撃った男(THE KILLING OF JOHN LENNON)」(アンドリュー・ピディングトン監督)。

1980年12月8日、ニューヨークのダコタハウス前での、ジョン・レノン銃撃事件の、犯人の視点からのドキュメンタリー風のフィルムだ。

確か、中坊の俺はこの時、オールナイトニッポンを聴いてた。速報でニュースが入って、DJ他、かなりショックを受けてたのを覚えてる。特にビートルズが好きだったわけじゃないので(サージェントペパー…やホワイトアルバムは持ってるが)、特別、ショックは受けなかった。男性DJがあたふたしてた様に驚いたが。

そういえば、鹿賀丈史金田一の「悪霊島」でも、ショックを受ける場面が出て来たね。

犯人マーク・デイヴィッド・チャップマンの、周りを敵にして、自分で自分を追い詰めていくという、この種の犯人に有りがちの心の闇、狂気を際立たせるためか、場面が交差するモノローグ的なチャップマンの独白で進む。映画というよりフィルムだな。

チャップマン(現在67歳)は今も、無期刑でニューヨーク州の刑務所で服役してる。これまでに何回も仮釈放を申請してるがいずれも却下となってる。本人に謝罪や反省、更生が見られないことと、釈放となったら、遺族側に危害を及ぼす恐れがあること、ファンに殺害される恐れがあること、オノ・ヨーコ氏をはじめ遺族側の猛反対があるからだ。

「タクシードライバー」や「マンソンファミリー」、「ガイアナ人民寺院」もそうだったけど、アメリカには後々、狂気を暴発させてしまうことになる、個人の内でも、窺い知れぬ闇を育ててしまう“何か”があるみたいだ。

アメリカってのは実に狂気が良く似合う。

自由と夢を実現させることも可能な国だが、一方で社会の下層や負け組がハッキリとしてて、有名・著名人、ミュージシャン、政治家をテロることで、つまり、お手軽な狂気によって自らのアイデンティティを確立させようとするフロンティア・スピリッツみたいなものがあるんじゃなかろうか?←ナンノコッチャ

いろいろと陰謀論も出てるんじゃないかと思わせる事件だね。

事件を知るには良いけど、良い映画だとは言えないね。

でも、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を、また読みたくなったよ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。