森鷗外

新潮社版「日本文學全集」第5巻は、当時、軍医だった「森鷗外」だ。

若い頃、文庫で読んだ「舞姫」「青年」「阿部一族」「雁」「山椒大夫」など、短編が中心だけど、やっぱり、なんといっても「ヰタ(ウィタ)・セクスアリス」だなぁ。

哲学者が自らの性体験を手紙に書いて息子に教えるという内容。幼い時に見た春画が深く印象に残ってて、大学生になって遊郭で童貞を捨てるという、今では、なんともない体験だろうけど、大学の寮で男同士で恋愛関係に陥ることも出てきて、当時、発禁になったらしいから、衝撃的な小説だったのだろうね。

鴎外の自伝ともいえるし。いつの時代も、男は性の体験を重んじて、女は恋愛を重んじるものだ。

歴史小説は別にして、留学してたドイツでの恋愛体験を元に書いた「舞姫」や、作家志望の青年が未亡人との恋を綴った「青年」などを代表に、軍にいながらも、難しくないロマンチックな青春小説も多くて感心したよ。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。